夜行バスを降りて ― 2006-12-01 01:47:25

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French Toastさんのブログで、夜行バスを利用した旅について書かれています (http://blogs.yahoo.co.jp/frenchtoast05mk/42693200.html)。
夜行バスを降りるのは、早朝であることが多く、いつもと違う風景が見えたりすることは、まあまああります。
そういえば、最近は夜行バスに乗っていないですな。
昔はよく使ってました。
行く先も決めず、リュックに着替えとカメラと文庫本だけ詰め込んで、とりあえず東京駅に出て、そこで席が空いている夜行バスを探して選んで乗り込む、という自由気ままの一人旅を、何回もやってました。
その1回目は、1993年の夏休み。
このときは、確かにまた行きが新幹線だったと思います。
仙台、盛岡とまわり、小岩井農場に行ったり、台風のなか一人で岩山を登ったり、野生のキジをみたりしていました。
夜行バスで帰ろうと思ったら、ちょうどお盆のラッシュ時期に重なり、一度は満員で席がない、見込みの薄いキャンセル待ちだと言われました。
その後、連絡があり、横浜着の増発便が出るということでそれに乗ることができたが、乗ってみたら、びっくり。ちゃんとした夜行バスではなく、席の狭い普通のバスでした。で、結局乗客は2人組の男と僕、合わせて3人。
高速をひたすら飛ばされたら、4時ぐらいから真っ暗だった空にかすかな光が射し込み、4時すぎると横浜に近づき、海も見えてきたりしました。空は上のほうは黒から深い青だったが、それがだんだん緑、黄色、そして橙色になり、海面あたりでは赤みすら帯びたものとなって、海や岸辺の建物もちっぴり輪郭が光り、妖しいぐらいの美しい景観でした。
横浜に到着したのは4時半、早すぎて乗り継ぐ交通手段がなく、ぶらぶらして、そのとき撮ったのが上の写真です。
すでに色調がちょっと単調になった後で、もう20分早く降りれたら、きっとすごい写真が撮れたのに、とも思いました。
一応続きも(http://tbbird.asablo.jp/blog/2006/12/01/977368)。
French Toastさんのブログで、夜行バスを利用した旅について書かれています (http://blogs.yahoo.co.jp/frenchtoast05mk/42693200.html)。
夜行バスを降りるのは、早朝であることが多く、いつもと違う風景が見えたりすることは、まあまああります。
そういえば、最近は夜行バスに乗っていないですな。
昔はよく使ってました。
行く先も決めず、リュックに着替えとカメラと文庫本だけ詰め込んで、とりあえず東京駅に出て、そこで席が空いている夜行バスを探して選んで乗り込む、という自由気ままの一人旅を、何回もやってました。
その1回目は、1993年の夏休み。
このときは、確かにまた行きが新幹線だったと思います。
仙台、盛岡とまわり、小岩井農場に行ったり、台風のなか一人で岩山を登ったり、野生のキジをみたりしていました。
夜行バスで帰ろうと思ったら、ちょうどお盆のラッシュ時期に重なり、一度は満員で席がない、見込みの薄いキャンセル待ちだと言われました。
その後、連絡があり、横浜着の増発便が出るということでそれに乗ることができたが、乗ってみたら、びっくり。ちゃんとした夜行バスではなく、席の狭い普通のバスでした。で、結局乗客は2人組の男と僕、合わせて3人。
高速をひたすら飛ばされたら、4時ぐらいから真っ暗だった空にかすかな光が射し込み、4時すぎると横浜に近づき、海も見えてきたりしました。空は上のほうは黒から深い青だったが、それがだんだん緑、黄色、そして橙色になり、海面あたりでは赤みすら帯びたものとなって、海や岸辺の建物もちっぴり輪郭が光り、妖しいぐらいの美しい景観でした。
横浜に到着したのは4時半、早すぎて乗り継ぐ交通手段がなく、ぶらぶらして、そのとき撮ったのが上の写真です。
すでに色調がちょっと単調になった後で、もう20分早く降りれたら、きっとすごい写真が撮れたのに、とも思いました。
一応続きも(http://tbbird.asablo.jp/blog/2006/12/01/977368)。
横浜港早朝風景と古いスキャナの話 ― 2006-12-01 02:28:43

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夜行バスから降りて、横浜港の早朝風景をレンズに収めた話を書きましたが(http://tbbird.asablo.jp/blog/2006/12/01/977366)、その頃(1993年)はまだデジカメを持っていなく、使ったのはアナログの1眼レフ(ES-1000)でした。
古いスキャナを使って取り込んでみましたが、なんだか汚いです。
スキャン面が汚れただけかも知れませんが。
そもそもNPS-1200Pという機種は、メーカサイドではNT系をサポートしていない、ということになっています。
スキャナはあまり使わないので、新品を買うのももったいなくて、ネットでドライバを探して、一応動作できるようにしました。
夜行バスから降りて、横浜港の早朝風景をレンズに収めた話を書きましたが(http://tbbird.asablo.jp/blog/2006/12/01/977366)、その頃(1993年)はまだデジカメを持っていなく、使ったのはアナログの1眼レフ(ES-1000)でした。
古いスキャナを使って取り込んでみましたが、なんだか汚いです。
スキャン面が汚れただけかも知れませんが。
そもそもNPS-1200Pという機種は、メーカサイドではNT系をサポートしていない、ということになっています。
スキャナはあまり使わないので、新品を買うのももったいなくて、ネットでドライバを探して、一応動作できるようにしました。
【観戦記】2006 K-1 WORLD GP 決勝戦 ― 2006-12-03 00:45:03
今年のK-1 GPも、スカパーのCh.721で、17時から最後まで観戦しました。
感想をいくつかを。
・アーツ兄さん、ものすごく元気
ピーター・アーツは病気で開幕戦を欠場してリザーブマッチに回ったにもかかわらず、最初からモチベーションが高く、武蔵選手に快勝した後も次に向けてやる気満々だったように見えました。
まあ、実際にチャンスがまわって来て、優勝する可能性もあるじゃないかとひそかに思ったグラウベ・フェイトーザまで、あっさりKOしちゃいました。
会場人気も高くて、もはやミスターK1と言っても過言ではないでしょうか。
・ミスター・パーフェクトよ、さよなら
アーネスト・ホーストは、いままでも最後のトーナメントや最後の試合みたいな話をして、また出てきたりしますが、さすがに今回は本当に最後のような気がします。
1回目のK-1からリアルタイムで見てきたものとして、一抹の寂しさは禁じざる得ないが、これも時の流れで仕方ないでしょう。ハリッド“ディ・ファウスト”に勝ちを譲らなかったあたり、ピータ・アーツとともにベテランの意地は見せたと思います。
・セロのマジック・ショー?大失敗
はっきり言って、この企画は大失敗ですな。
靴ひもの手品をはじめ、なにをやりたいのがわからなくて、大会場に適していないのだけは明白なり。どうしてもなら、引田天功のイリュージョンあたりがまだマシでしょう。
それに、セロ氏はしゃべりもつまらなくて、観客が引いていたような気がします。
・巨神兵、強し
先刻承知ではありますが、やはりセーム・シュルトは強かったです。
しかも今日の3戦、負かした相手はジェロム・レ・バンナ、アーネスト・ホースト、ピーター・アーツ。いままでのK-1の顔、K-1の歴史そのものを、完全に踏み越えてきたような感じです。
体やリーチだけでなく、戦い方も完成されて、スキを見せまいと試合運びが慎重です。
まあ、すでに去年のGPに示していたかも知れませんが、ウェットな旧世代に別れを告げ、はっきりと怪物時代の到来を宣言しました。(チェ・ホンマンもがんばれば、その一端を担うのは可能かも?)
いつまで続くかは、まあ、わかりませんが。
感想をいくつかを。
・アーツ兄さん、ものすごく元気
ピーター・アーツは病気で開幕戦を欠場してリザーブマッチに回ったにもかかわらず、最初からモチベーションが高く、武蔵選手に快勝した後も次に向けてやる気満々だったように見えました。
まあ、実際にチャンスがまわって来て、優勝する可能性もあるじゃないかとひそかに思ったグラウベ・フェイトーザまで、あっさりKOしちゃいました。
会場人気も高くて、もはやミスターK1と言っても過言ではないでしょうか。
・ミスター・パーフェクトよ、さよなら
アーネスト・ホーストは、いままでも最後のトーナメントや最後の試合みたいな話をして、また出てきたりしますが、さすがに今回は本当に最後のような気がします。
1回目のK-1からリアルタイムで見てきたものとして、一抹の寂しさは禁じざる得ないが、これも時の流れで仕方ないでしょう。ハリッド“ディ・ファウスト”に勝ちを譲らなかったあたり、ピータ・アーツとともにベテランの意地は見せたと思います。
・セロのマジック・ショー?大失敗
はっきり言って、この企画は大失敗ですな。
靴ひもの手品をはじめ、なにをやりたいのがわからなくて、大会場に適していないのだけは明白なり。どうしてもなら、引田天功のイリュージョンあたりがまだマシでしょう。
それに、セロ氏はしゃべりもつまらなくて、観客が引いていたような気がします。
・巨神兵、強し
先刻承知ではありますが、やはりセーム・シュルトは強かったです。
しかも今日の3戦、負かした相手はジェロム・レ・バンナ、アーネスト・ホースト、ピーター・アーツ。いままでのK-1の顔、K-1の歴史そのものを、完全に踏み越えてきたような感じです。
体やリーチだけでなく、戦い方も完成されて、スキを見せまいと試合運びが慎重です。
まあ、すでに去年のGPに示していたかも知れませんが、ウェットな旧世代に別れを告げ、はっきりと怪物時代の到来を宣言しました。(チェ・ホンマンもがんばれば、その一端を担うのは可能かも?)
いつまで続くかは、まあ、わかりませんが。
【レース観戦記】2006 阪神ジュベナイルフィリーズ ― 2006-12-04 00:02:48
生まれ変わった新しい阪神競馬場、その初めてのG1レースは、今日の阪神ジュベナイルフィリーズです。
そういう意味では歴史的なレースとも言えましょうが、人気馬が上位を独占した、配当的にも比較的順当な結果となりました。もしかして、すでに一部で言われているように、新しい阪神の外回りは、実力通りの結果になりやすいかも知れません。
とすると、1:33.1という好タイムで快勝したウォッカは、ほめなければなりません。キャリアが少なくても上位に来れるのはこのレースの特徴ですが、少ないキャリアで連対する馬は、ほぼ掛け値のない大物であることも証明されています。
特にウォッカの場合、直線で見せた大跳びで豪快なフォームは、お父さんのタニノギムレットを思わせるもので、この走りにより、牝馬クラシック戦線の主役に躍り出たと言っても過言ではありません。
ファンタジーステークスを圧勝して、抜けた1番人気に推されたアストンマーチャンは、こちらもかなり強いレースぶりで僅差の2着に入りました。
実は1400Mの前走レース前も、問題は距離延長だけ、という話を聞いたので、ちょっとここではどうかと思う面もありました。しかし、正攻法で3着以下に3馬身半も付けたのだから、ジョッキーも好騎乗なら、馬も強かったと言わざるを得ません。
印象的に、同じようなプロセスを踏んできたマルカアイリス、アルリングボイスあたりと比べても、能力そのものが一枚上だったような気がします。
以下3~6着のルミナスハーバー、ローブデコルテ、イクスキューズ、ハロースピードは、ほとんど着差はなかったです。現状では流れや展開で順位が簡単に入れ替わりそうですが、来年になると、成長力による違いも出てくるでしょう。このなかの1頭や2頭は、今回の1、2着馬と勝ち負けできるところまで良化できるかも知れません。
6着馬までは6番人気までの馬で、以下7~9着も7~9番人気そのまま
だったようです。予想しにくいはずの2歳牝馬戦なのに、最初に書いた通り、ほとんどの馬が評価された通りの走りを見せたことになります。
そういう意味では歴史的なレースとも言えましょうが、人気馬が上位を独占した、配当的にも比較的順当な結果となりました。もしかして、すでに一部で言われているように、新しい阪神の外回りは、実力通りの結果になりやすいかも知れません。
とすると、1:33.1という好タイムで快勝したウォッカは、ほめなければなりません。キャリアが少なくても上位に来れるのはこのレースの特徴ですが、少ないキャリアで連対する馬は、ほぼ掛け値のない大物であることも証明されています。
特にウォッカの場合、直線で見せた大跳びで豪快なフォームは、お父さんのタニノギムレットを思わせるもので、この走りにより、牝馬クラシック戦線の主役に躍り出たと言っても過言ではありません。
ファンタジーステークスを圧勝して、抜けた1番人気に推されたアストンマーチャンは、こちらもかなり強いレースぶりで僅差の2着に入りました。
実は1400Mの前走レース前も、問題は距離延長だけ、という話を聞いたので、ちょっとここではどうかと思う面もありました。しかし、正攻法で3着以下に3馬身半も付けたのだから、ジョッキーも好騎乗なら、馬も強かったと言わざるを得ません。
印象的に、同じようなプロセスを踏んできたマルカアイリス、アルリングボイスあたりと比べても、能力そのものが一枚上だったような気がします。
以下3~6着のルミナスハーバー、ローブデコルテ、イクスキューズ、ハロースピードは、ほとんど着差はなかったです。現状では流れや展開で順位が簡単に入れ替わりそうですが、来年になると、成長力による違いも出てくるでしょう。このなかの1頭や2頭は、今回の1、2着馬と勝ち負けできるところまで良化できるかも知れません。
6着馬までは6番人気までの馬で、以下7~9着も7~9番人気そのまま
だったようです。予想しにくいはずの2歳牝馬戦なのに、最初に書いた通り、ほとんどの馬が評価された通りの走りを見せたことになります。
【音楽】Miss Saigon (Original London Cast Recording) ― 2006-12-05 01:28:56

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前にミュージカル「Jekyll & Hyde」について書いたら、その音の素晴らしさをまったく伝えていない、と身内からお叱りの言葉を頂きました。
(http://tbbird.asablo.jp/blog/2006/10/16/562466)
弁解する余地もなく、確かにその通りです。
懲りもせず、またも有名なミュージカルについて書きます。しかも今度は正真正銘のサウンドトラック。
かの、「ミス・サイゴン」です。
ミュージカルのストーリー自体、特に前半は、「蝶々夫人」の焼き直しと言ってもいいぐらいのもので、大したことはありません。
というより、アジア人のわれわれから見て、相変わらず西欧人らしい、いささか見当違いの哀れみが込められたところが、かなりのマイナス点に感じてしまいます。
しかし、スケールの大きい、美しい音楽は、そんな欠点を補って余りあります。
知り合ったことを神様に感謝するラブ・ソングの「Sun and Moon」や、どんな困難にも立ち向かうべく、愛を誓い合った「The Last Night of The World」、そして、息子に向かって "お前が望むなら私の人生をあげるわ"と歌った「The Sacred Bird」、得難い素晴らしい曲がたくさん含まれています。
もうひとつ書きたいことがあります。
オリジナル・ロンドン・キャスト版CDの原文紹介、その1ページ目に、白黒の写真が1枚載っています。
"This photograph was, for Alain and I, the start of everything..."
アラン・ボウブリルとともに音楽を担当したクロード=ミシェール・ショーンバーグによると、この写真が「ミス・サイゴン」の始まり、だそうです。
わかりにくいですが、右の女の子はベトナムの空港で泣いています。元GIの父親のもとへ、行ったこともないアメリカへ送られようとしています。
左側の女性、女の子の母親は、これが子供の幸せに繋がると考え、ここで見送り、決して再会しないつもりで別れを告げているところです。
この母親(ちょっと僕の母に似ているかも)の表情はすべてを語り、"No one can stop what I must do. My son, I'll give my life for you."と歌っているようにも感じます。
難民問題まで踏み込んだところで、「蝶々夫人」からの進歩と、クリエーターたちの情熱は感じられます。
なお、オリジナル・ロンドン・キャスト版(1990年)以外、1993年のブロードウェイ・キャスト版(但しハイライトのみ)、1995年の新録音版(オーストラリア公演キャスト?)なども、CDとして発売されているようですが、どっちも聞いていないので、比較はできません。
前にミュージカル「Jekyll & Hyde」について書いたら、その音の素晴らしさをまったく伝えていない、と身内からお叱りの言葉を頂きました。
(http://tbbird.asablo.jp/blog/2006/10/16/562466)
弁解する余地もなく、確かにその通りです。
懲りもせず、またも有名なミュージカルについて書きます。しかも今度は正真正銘のサウンドトラック。
かの、「ミス・サイゴン」です。
ミュージカルのストーリー自体、特に前半は、「蝶々夫人」の焼き直しと言ってもいいぐらいのもので、大したことはありません。
というより、アジア人のわれわれから見て、相変わらず西欧人らしい、いささか見当違いの哀れみが込められたところが、かなりのマイナス点に感じてしまいます。
しかし、スケールの大きい、美しい音楽は、そんな欠点を補って余りあります。
知り合ったことを神様に感謝するラブ・ソングの「Sun and Moon」や、どんな困難にも立ち向かうべく、愛を誓い合った「The Last Night of The World」、そして、息子に向かって "お前が望むなら私の人生をあげるわ"と歌った「The Sacred Bird」、得難い素晴らしい曲がたくさん含まれています。
もうひとつ書きたいことがあります。
オリジナル・ロンドン・キャスト版CDの原文紹介、その1ページ目に、白黒の写真が1枚載っています。
"This photograph was, for Alain and I, the start of everything..."
アラン・ボウブリルとともに音楽を担当したクロード=ミシェール・ショーンバーグによると、この写真が「ミス・サイゴン」の始まり、だそうです。
わかりにくいですが、右の女の子はベトナムの空港で泣いています。元GIの父親のもとへ、行ったこともないアメリカへ送られようとしています。
左側の女性、女の子の母親は、これが子供の幸せに繋がると考え、ここで見送り、決して再会しないつもりで別れを告げているところです。
この母親(ちょっと僕の母に似ているかも)の表情はすべてを語り、"No one can stop what I must do. My son, I'll give my life for you."と歌っているようにも感じます。
難民問題まで踏み込んだところで、「蝶々夫人」からの進歩と、クリエーターたちの情熱は感じられます。
なお、オリジナル・ロンドン・キャスト版(1990年)以外、1993年のブロードウェイ・キャスト版(但しハイライトのみ)、1995年の新録音版(オーストラリア公演キャスト?)なども、CDとして発売されているようですが、どっちも聞いていないので、比較はできません。
イギリス人はおかしい? ― 2006-12-12 00:19:05
マイペンラーイ2さんのブログで、高尾慶子さんの「イギリス人はおかしい」という著作について紹介されています。
http://hankotsuseishin.asablo.jp/blog/2006/12/11/993664#c
高尾慶子さんの本は未読ですが、タイトルだけでも気になっています。
林望さんの「イギリス観察辞典」や「イギリスはおいしい」、あるいは藤原正彦さんの「遙かなるケンブリッジ」などを読むと、日本人の英国に対する愛憎混じりな感情がとても印象に残ります。
斜陽老大国であるはずなのに、夢も追わず、悠々と他国の繁栄を見下ろしているその態度に対する苛立ちと、デモクラシー、ユーモアと言った英国の神髄に対する尊敬な眼差しとが、不思議に融合しているようです。
なにもかも知っている上で、美しい熟年を送ろうとしている英国と、同様に古くからの文化や繊細な情緒を持っているにも関わらず、精神的な余裕を捨てても新しい繁栄を追求する道を選んだ日本。その相似と違いに気づいたためかも知れません。
ヴァネッサ・ハーディの「英語の世界・米語の世界 その歴史・文化・表現」(講談社現代新書)とかを読むと、アメリカ人の見方がもう少し違うような気がしますが、これはまた別の話ですね。
http://hankotsuseishin.asablo.jp/blog/2006/12/11/993664#c
高尾慶子さんの本は未読ですが、タイトルだけでも気になっています。
林望さんの「イギリス観察辞典」や「イギリスはおいしい」、あるいは藤原正彦さんの「遙かなるケンブリッジ」などを読むと、日本人の英国に対する愛憎混じりな感情がとても印象に残ります。
斜陽老大国であるはずなのに、夢も追わず、悠々と他国の繁栄を見下ろしているその態度に対する苛立ちと、デモクラシー、ユーモアと言った英国の神髄に対する尊敬な眼差しとが、不思議に融合しているようです。
なにもかも知っている上で、美しい熟年を送ろうとしている英国と、同様に古くからの文化や繊細な情緒を持っているにも関わらず、精神的な余裕を捨てても新しい繁栄を追求する道を選んだ日本。その相似と違いに気づいたためかも知れません。
ヴァネッサ・ハーディの「英語の世界・米語の世界 その歴史・文化・表現」(講談社現代新書)とかを読むと、アメリカ人の見方がもう少し違うような気がしますが、これはまた別の話ですね。
SEGAサターンとスーパーロボット大戦F ― 2006-12-12 00:44:52

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前にスーファミの「第3次スーパーロボット大戦」の話を書きました(http://tbbird.asablo.jp/blog/2006/10/23/571351)が、そっちはクリアして、息子はいまSEGAサターンで「スーパーロボット大戦F」をやっています。
発売してすぐ、バーチャーファイターと同時に購入したSEGAサターンは、10年経っても、我が家ではまだ現役バリバリです。
最新のPS3は言うに及ばず、PS2も家にないですが(元祖PlayStationはありますが)、特に苦情もなく、息子は古いSEGAサターンにも夢中です。
「スーパーロボット大戦F」なぞ、ソフトは中古で100円なんだから、親としてはかなり経済的に助かります (^^;)
前にスーファミの「第3次スーパーロボット大戦」の話を書きました(http://tbbird.asablo.jp/blog/2006/10/23/571351)が、そっちはクリアして、息子はいまSEGAサターンで「スーパーロボット大戦F」をやっています。
発売してすぐ、バーチャーファイターと同時に購入したSEGAサターンは、10年経っても、我が家ではまだ現役バリバリです。
最新のPS3は言うに及ばず、PS2も家にないですが(元祖PlayStationはありますが)、特に苦情もなく、息子は古いSEGAサターンにも夢中です。
「スーパーロボット大戦F」なぞ、ソフトは中古で100円なんだから、親としてはかなり経済的に助かります (^^;)
【蔵書自慢】馬上集、放馬録 ― 2006-12-14 05:08:59

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今回は水谷温氏の「馬上集」と、走尾一三氏の「放馬録 科學随筆」の2冊をまとめて取り上げます。
「馬上集」は、昭和16年2月発行、となっています。
夏、神保町へ行ったときも、たまたま古書店で同じ本を見たので、この時代の本としては多く発行され、残っているほうかも知れません。
タイトルは史記の「馬上得之」から拾ってきたが、原典とは意味がまったく異なり、馬に関する漫文集である、とあります。
確かに、日本や中国の歴史上に出ている名馬、日本馬術の発達史、絵馬の話、はては馬頭観音や「馬を食ふの是非」まで論じているのだから、馬に関する話ということに一応集約しているものの、その範囲はかなり広いです。
特に興味深いと思っているのは、
・洋式馬術の先駆・佐久間象山が浪人に切られて死んだあと、その愛馬「王庭」は近藤勇の手に渡った話。
・佐々木が乗っていた「池月」は、梶原が乗った「折墨」より優れている、という比較を、源頼朝が両馬を渡した経緯から説いた話。
・戦時下の書物らしく、戦功表彰制度で陸軍省から甲功章として表彰された、秀光号、厚僕号、火貝号、藤旭号、株村号、という5頭の功労軍馬の話。
・神馬進献の起源や慣習について述べたあと、阿蘇山の放牧場に、生まれながらにして、神馬の四角を指定され、大切に保護される馬がいる、という話。
「放馬録 科學随筆」は、昭和19年2月発行、とありますので、上の「馬上集」より3年遅れて刊行された本です。
馬の話も含まれていますが、作者は自序で「正に馬の放馬に類する」とある通り、随筆、紀行文、回想録、「馬上集」にもまして内容は様々です。
科學随筆、というサブタイトルもついて、確かに時折科学らしい(?)話も織り交ぜているのが、なんだかおかしくて愉快です。
とりわけおもしろいと思ったのは、
・馬の教育と題し、馬を馴致を説き、馬の反抗意図を徹底的に撃砕するのは、1馬力以上の体力をも要し、実に大変である、そのあと、「気力の無い者は仮令叱咤激励してもなかなか能率的でない様である」と、元も子もない形で結んだのは笑えます。
・我々の常水中、1/6300に含まれている「重い水」は、H2Oなる分子式を持つ水の複合体である。2或いは3の原子量の水素と、17或いは18の原子量の酸素より作られ、理論上18種類の「重い水」があり、比重も1割方重く、沸点も百度を越える、と説いている話。
・台湾に向かう飛行(当時としては珍しい体験?)のなか、気温は約180米を上昇すると1度ずつ下がり、気温0度時空気中に含み得る水分の最大量は、1立方米に4.8キロ、うんぬんから、「微粒子の様な曲面を有する固体の表面に存在する液体の凝集圧」の方程式まで披露したあと、いきなり「片屋根の雪しどけゆく四温かな」と俳句を詠んだところ。
・絶食療法を人と馬の両方について、さんざん書いたあと、個々の人馬についてその適用は難しく、「腹八分目が最も実際的に的中公算の多い所である」と、またもどうでもよい結論で結んでしまった話。
今回は水谷温氏の「馬上集」と、走尾一三氏の「放馬録 科學随筆」の2冊をまとめて取り上げます。
「馬上集」は、昭和16年2月発行、となっています。
夏、神保町へ行ったときも、たまたま古書店で同じ本を見たので、この時代の本としては多く発行され、残っているほうかも知れません。
タイトルは史記の「馬上得之」から拾ってきたが、原典とは意味がまったく異なり、馬に関する漫文集である、とあります。
確かに、日本や中国の歴史上に出ている名馬、日本馬術の発達史、絵馬の話、はては馬頭観音や「馬を食ふの是非」まで論じているのだから、馬に関する話ということに一応集約しているものの、その範囲はかなり広いです。
特に興味深いと思っているのは、
・洋式馬術の先駆・佐久間象山が浪人に切られて死んだあと、その愛馬「王庭」は近藤勇の手に渡った話。
・佐々木が乗っていた「池月」は、梶原が乗った「折墨」より優れている、という比較を、源頼朝が両馬を渡した経緯から説いた話。
・戦時下の書物らしく、戦功表彰制度で陸軍省から甲功章として表彰された、秀光号、厚僕号、火貝号、藤旭号、株村号、という5頭の功労軍馬の話。
・神馬進献の起源や慣習について述べたあと、阿蘇山の放牧場に、生まれながらにして、神馬の四角を指定され、大切に保護される馬がいる、という話。
「放馬録 科學随筆」は、昭和19年2月発行、とありますので、上の「馬上集」より3年遅れて刊行された本です。
馬の話も含まれていますが、作者は自序で「正に馬の放馬に類する」とある通り、随筆、紀行文、回想録、「馬上集」にもまして内容は様々です。
科學随筆、というサブタイトルもついて、確かに時折科学らしい(?)話も織り交ぜているのが、なんだかおかしくて愉快です。
とりわけおもしろいと思ったのは、
・馬の教育と題し、馬を馴致を説き、馬の反抗意図を徹底的に撃砕するのは、1馬力以上の体力をも要し、実に大変である、そのあと、「気力の無い者は仮令叱咤激励してもなかなか能率的でない様である」と、元も子もない形で結んだのは笑えます。
・我々の常水中、1/6300に含まれている「重い水」は、H2Oなる分子式を持つ水の複合体である。2或いは3の原子量の水素と、17或いは18の原子量の酸素より作られ、理論上18種類の「重い水」があり、比重も1割方重く、沸点も百度を越える、と説いている話。
・台湾に向かう飛行(当時としては珍しい体験?)のなか、気温は約180米を上昇すると1度ずつ下がり、気温0度時空気中に含み得る水分の最大量は、1立方米に4.8キロ、うんぬんから、「微粒子の様な曲面を有する固体の表面に存在する液体の凝集圧」の方程式まで披露したあと、いきなり「片屋根の雪しどけゆく四温かな」と俳句を詠んだところ。
・絶食療法を人と馬の両方について、さんざん書いたあと、個々の人馬についてその適用は難しく、「腹八分目が最も実際的に的中公算の多い所である」と、またもどうでもよい結論で結んでしまった話。
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