【レース回顧】2006有馬記念2006-12-26 12:18:11

 パドックでデルタブルースとメイショウサムソンを切り、ポップロックを拾ったため、久々のG1的中となりましたが、馬券よりも、希世のスーパーホースが、危なげなく有終の美を飾ったレースを見た幸福感が、はるかに大きかったのです。

 いつものように後方からレースを進み、4コーナーを前に一瞬にして全馬を捕らえ、そして置き去りにする圧倒的な走りでした。

 ダイワメジャーは確かに成長しました。ドリームパスポートは相変わらず堅実に追い込んできました。ポップロックの好馬体とペリエの好騎乗も賞賛されるべきです。が、ディープインパクトの前ではすべてが、霞むばかりです。

 JRAの競馬を見て19年、幾多の名馬を目にしたが、ディープインパクトはそのなかで特別な存在だと思います。

 レース前のテンションが高いとか、スタートが危ういとか、レースぶりが追い込み一辺倒だとか、ディープインパクトは決して完璧な馬ではありません。それでも、2年間にも渡って、常に桁違いの能力でライバルたちを凌駕し続けてきました。 なにかほかの馬とは完全に別次元の存在、とさえ感じさせています。

 完璧ではないゆえに、ディープインパクトのレースはスリリングでドラマチックでした。
 しかし、水戸黄門の印籠よろしく、さすがにいつも同じように決まってしまうと、マンネリというか、もしかして見飽きた人もいるかも知れません。
 今年の有馬記念、あれだけ名馬のラストランだと煽られても、売り上げも入場者も去年を大きく下回る結果となりました。ハーツクライも引退したし、誰もがディープが勝つであろうということ、真のライバルが不在だったことが、影響したのでしょう。

 しかし、傑出した者同士が1秒を争う真剣勝負で、これだけのパフォーマンスを見せられる馬は、どれだけ貴重でかつ偉大なものかを再認識すべきでしょう。
 これからもそうそう出るものではないし、僕などは、死ぬまで2度と出会えないかも知れません。