【素人写真】「静かな風景(1)」2007-07-03 00:51:44

 いまから14年前になりますが、盛岡などへ一人旅したときに、1枚の写真を撮りました。

 「祝百周年」の看板見える、古い校舎の風景です。
 何の変哲もないですが、夏休みの、子供のいない小学校は、不思議な空間。
 子供たちの賑やかな姿を頭の中に描いてはいても、何の音もしない、静かな風景でした。




1993年8月 盛岡




1993年8月 小岩井農場




1995年5月 青森




1995年10月 熱海




2004年10月 ホノルル沖




2005年10月 富士山

黒豚のタンゴ2007-07-04 00:52:17

 という名前のレストランがあるそうです。
 (http://www.diamond-dining.com/tango/

 いまごろと言われるかも知れませんが、こういう情報には疎いですので。

 ホームページによると、「黒豚と南米の組み合わせという、今までにない全く新しい黒豚料理専門店です。タンゴ発祥の地、アルゼンチンの南米料理をはじめ、この土地と関わりが深く古くより親しまれているイタリアン、スペインのタパスなどをフューチャー。」

 ブエノスアイレス発だって、なかなかうまい、洒落たネーミングです。


 残念ながら、本当のアルゼンチンでは牛肉ばかりで、ほとんど豚肉を食べない、だそうです。

【馬関係の本】「サラブレッドの誕生 (山野浩一 著)2007-07-05 23:44:49

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 いよいよメインディッシュとでも言いましょうか。
 競馬文化界最高峰である山野浩一先生の名作、朝日新聞社から発行された「サラブレッドの誕生」です。


 1990年のJRA馬事文化賞を受賞された作品です。
 同じ年に賞を分け合った、白井透さん(サラブレッド血統センター)が編纂した「ファミリーテーブル」は、超大作の血統資料であるのに比べると、「サラブレッドの誕生」のほうは、見た目も普通な、200ページぐらいの新書です。

 しかし、内容は凄いです。
 15年前初めて読み終えたとき、まさに感動で震えが止まらなかった、と記憶しています。


 編成は、この類の本としてはよくあるパターンで、第1部は「サラブレッド前史」と題し、化石にしか残っていないエクウス、カバルスから、アラブ馬、サラブレッドへと述べています。

 ここで、軽種馬の歴史上重要な存在である、スペイン乗馬学校(スパニシュ・ライトシューレ)のリピッツァナー種、プロイセンのトラケナー種をきちんと扱っているあたりは、さすがです。
 一般イギリスやオーストラリアで書かれているサラブレッドの研究書は、最初からサラブレッドが最良な品種であるかのように書いていますが、山野先生はしかし、エクリップスのような馬が、当時の世界で桁外れした速い競走馬であるわけがないと、明確に指摘しています。


 第2部は「競馬の冒険」という題名ですが、「冒険」という言葉を選んだところに特色がよく出ていると思います。
 競馬というゲームを道具に、民間主体で配合を発展してきたイギリスのサラブレッドが、政府による大規模で画一的な生産を行ったドイツのトラケナーを凌駕した理由は、デモクラシーと、その具現であるスペキュレーションであると、ここでは説いています。

 占いと賭の権利こそデモクラシーの基本。人間は様々な「賭」を行って、多くの失敗とともに大きな繁栄を掴んだ動物であると言っているようです。
 一見やや奇抜でおもしろい論点ですが、考えれば、かなり賛同できる説ではあります。
 ギャンブル(ゲームと同語源)は、未知な物に対する選択・投資、およびその選択の成功に対して報酬を得るシステムであり、広く見れば、人類の進化・発展に大きく寄与している要因になっているのは、ほぼ間違いないと想われます。


 しかし、このおもしろい論点も、本書の主題でないことを、「あとがき」では明示しています。
 たぶんライアル・ワトソン博士の言葉を借りれば、人間はネオフィリアであり、馬はそうではありません。しかし、馬の持つ恒常的自然と平穏は、逆に人間にとって大きな憧れ、だと山野先生は言います。

 第3部は「サラブレッドの生産」と題して、血統・育成・馴致の話を広く扱っています。
 が、それに留まらず、もっと深いことも書いています。

 「馬は単に気高く見えるだけでなく、実際に極めて誇り高い動物であり ...(中略)... 人と馬とはある約束事の範囲内で極めて高い信頼関係を築けるもので、その信頼関係の中で馬に競走意欲を与え、馬自身が競走に挑むところに競馬というスポーツのすばらしさがあると思う。 ...(中略)... もし、馬が本気で反抗すると誰も馬に競走をさせることはできない。」

 「今も馬を畜生として従属させることで人のために働かせることができると考える人は多い。確かに独裁政権のもとで多くの人々を従属させて、独裁者の思うままに人々を動かしてきた数々の歴史があり、...(中略)... そうした考え方を持つことがどれだけ人間を軽蔑すべき物にしているかを考えるべきであろう。」

 「馬は草食動物として限られた世界観の中で生きている。それだけ人と比較すると極めてナイヴな存在であることは否定できない。しかし、それは進化史におきてそのような必要性がなかったからで、...(中略)... 馬は人以上に愛を知っている。人以上に信頼すべき物に対して誠意を示す。人以上に自分の使命に対して勇敢であり、使命から逃げようとしない。人以上に我慢強く寛大で律儀である。そうしたことのすべてが、現在の人間に最も求められているものでもあるのではないだろうか。」
 

 馬について書きながら、人間についても書いています。

【レース予想】2007七夕賞、プロキオンステークス2007-07-08 00:24:18

 まず、1日遅れの七夕です。

 ストーミーカフェが久々に復活しやしないか、大した根拠もないですが、そう考えています。
 前走でやや復調気配が見えましたし、55キロのハンデも、本来の力関係を考えれば、恵まれている方だと思います。

 アクレイムは湾岸ステークスで、今回人気のユメノシルシと首差の勝負でした。当時は同斤で今回は2キロ軽いので、逆転してもおかしくないはずです。

 ゴーウィズウィンドは52キロでG2・目黒記念で5着入線しました。今回も52キロであり、近頃の高齢馬の活躍から、8歳だからと軽視したくないです。

◎ ストーミーカフェ
○ アクレイム
▲ ゴーウィズウィンド
△ ユメノシルシ
△ ヴィータローザ


 次は阪神のダート重賞、プロキオンステークスです。

 七夕賞は比較的に穴予想でしたが、こちらは断然人気のワイルドワンダーを信頼したいと思います。
 乗り変わりですが、近走の充実ぷりは相当なもので、きっといい勝負はできると思います。

◎ ワイルドワンダー
○ ドンクール
▲ リミットレスビッド
△ メイショウサライ
△ オフィサー

川岸の夏2007-07-09 23:40:11

 最近は遅くても8時ぐらいには会社を出ているし、がむしゃらに仕事していた去年などと比べると、すっかり楽にさせてもらっています。

 週末も、図書館へ行ったり、子供と一緒にサイクリングコースへ行ったり、あまり遠出はしていないが、だいぶのんびりした生活リズムです。

 ギクシャクした会話と激しい議論、半分は守れない約束と請求書、そんなことを軽蔑したりするなど、僕にはできません。なぜなら仕事は必要であり、僕もまた懸命にそこで暮らしていますので。
 しかし人間はパンのみでは生きていけません。

 今週末は横浜の小さなジャズバーへ行く予定です。
 井上淑彦さんのサックスが楽しみです。

良心の墓場2007-07-12 00:43:30

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 山野浩一先生のブログを読むと、年金問題の社保庁職員とか、ミートホープ事件の農水省や道庁とかに対して、なぜ刑事訴追されないのかとの厳しい批判が出ていました。

 確かに、しっかり良心を持って仕事に臨まなければ、多大な損害を人に与えたり、人命問題にまで発展しかねません。それも、なにも公務員には限った話ではありません。


 ここで、またもKahlil Gibranの「預言者」からの文章になりますが。

Work is love made visible.
And if you cannot work with love but only with distaste, it is better that you should leave your work and sit at the gate of the temple and take alms of those who work with joy.
For if you bake bread with indifference, you bake a bitter bread that feeds but half man's hunger.
And if you grudge the crushing of the grapes, your grudge distils a poison in the wine.

 そうなんです。
 愛情を持って仕事できないのなら、むしろやめたほうがいいと、例によって詩的な表現で説いています。


 写真は、十数年前に偶然見かけた不思議な場所です。
 誰が何のために設置した看板なのかは当時わからなく、いまも結局不明のままですが、ただのいたずらというより、なんらかの抗議か、社会の腐敗面に対する警鐘だったかも知れません。

【音楽】半年ぶりのジャズライブ2007-07-15 23:57:55

 昨晩、土砂降りのなかで横浜まで行き、小さなジャズバーで演奏を聞きました。

 同じ職場の先輩がプロデュースするライブへ行ったのは3回目ですが、この日、5階のS課長も初めて一緒でした。
 長年の海外赴任から帰国して約1年、S課長はこの頃、井上淑彦氏にはまり、本人曰く半分追っかけの気持ちで、週2回に近いペースで通っているそうです。
 僕は初めてですが、なるほど、クールさのなかにも熱い息吹が感じられ、超絶テクニックに裏打ちされたパフォーマンスは、素晴らしいものでした。

 この日、井上淑彦(ts)に、宮野弘紀のギターと佐藤芳明のアコーディオンが加わるという、ちょっと珍しい編成ですが、メロディーラインが響き合いながら素敵な音色を奏でてくれました。
 CDから流れる本来の編成による演奏も素晴らしいですが、こういう生の音に出会えるのは、ONE and ONLYです。一期一会というか、その場に居合わせる人たちの耳と心にのみに残る、素敵なライブでした。

【素人写真】「日本のお城」2007-07-17 00:36:21

 白井喬二の小説は、珍しい設定が多いようです。
 未読ですが、薬の材料となる蝉の抜け殻取りをなりわいとする主人公や、独楽使いのコマ勝負がメインとなる「新撰組」など。

 代表作にして超大作「富士に立つ影」も、赤針、賛四両流派の築城家熊木家と佐藤家の三代にわたる物語です。
 剣による斬り合いの代わり、理詰めの築城問答があり、知的な展開を見せる時代小説です。問答で優劣を付けて、勝者が築城をまかされる、というわけですが、その題目はなかなか一筋縄には行かないものです。
 地勢の方位、形状から、城壁の作り、天守閣の建て方、貯糧地水をどうするか、落とし穴、隠れ場所などに至ります。

 日本のお城は世界的にも特色がある建築だと思いますが、しっかりと代々伝わる築城家なる人たちがいることを知ると、例え単に跡地の観光だとして、見る角度が増えて、ちょっとおもしろいです。




1986年11月 姫路城




1993年5月 熱海城




1995年5月 弘前城




1995年5月 弘前城




1996年6月 掛川城




2006年3月 小田原城