【読後感】「フランス文学案内」 渡辺一夫、鈴木力衛 著2007-10-11 23:22:29

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 題記の「フランス文学案内」は、岩波文庫別冊に入っている古い文庫本で、もう1冊の「英語発達小史」と一緒に古本屋で入手しました。
 残念ながら後者は途中で挫折してしまい、いまのところ、最後まで読む目処が立たない(笑)ので、予定を変え、前者だけまずメモ代わりを書きます。

 と、実はこの「フランス文学案内」のほうも、なんだかごちゃごちゃしていて、自分ではスイスイ読めませんでした。

 作者の整理がよくない、と言っているわけではなく、ブログ主が、いかにこのへんに不勉強だったかが露呈したに過ぎません。
 本書は、たぶんこの手の手引きの王道として、ちゃんと年代順に重要な作家や出来事を整理しています。

 すなわち、以下の6章に分けて記述しています(括弧内の文は本来のタイトルにないですが、主な記述内容としてはこんなものです)。

1、中世期 (11~15世紀まで、聖人伝、宮廷文学など)
2、十六世紀 (ルネッサンス、宗教改革の時代)
3、十七世紀 (古典主義)
4、十八世紀 (擬古典主義、啓蒙主義)
5、十九世紀 (ロマン主義、写実主義など)
6、二十世紀 (ダダイズム、シュールレアリスム、実存主義など)



 フランス語はまったくわかりませんが、とても明快で的確な言語であるようです。

 歴史が長いから、一言フランス文学と言っても、いろいろな道筋を辿ってきているのは間違いないでしょう。
 しかし総じて、フランス文学は、幻想的というよりも現実的であり、耽美的というより暴露的であるようです。

 フランス文学史上の巨星、例えばジャン・ラシーヌ、ヴィクトル・ユゴーやマルセル・プルーストは、どうでしょう、印象だけで言っても、いずれも遠慮会釈なく、人間の真実の姿を描こうとする人たち。
 よくはわかりませんが、なんとなくそのような気はします。

コメント

_ 花うさぎ ― 2007-10-12 07:47:05

あ、そうですね。
私はプルーストもラシーヌも呼んだことありませんが、フランス文学って、人間を見る目がシビアで容赦なくって読んでいてつらくなるような気がします。
高校生のころ、ゾラとか、モーパッサンを読んでいて、こんなシビアな人たちが身近にいて、自分の言い訳とごまかしばかりの生活を見ていたら、いやだなと思ったものです。

_ 花うさぎ ― 2007-10-12 09:05:21

フランス文学から思春期のころに「女はフラフラと甘い考えで生きていると、地獄に落ちる」というようなメッセージを受け取ってしまったような気がします。
それで、私はきっとかわいげのない性格になったのだと思います。案外、すてきなイメージのある「パリジェンヌ」たちもシビアな感性の持ち主かもしれません。
そういえば、「パリに留学した日本人たちが精神的に打ちのめされてしまう」というという「パリ症候群」という言葉もありましたね。

_ T.Fujimoto ― 2007-10-13 00:34:44

花うさぎさん、こんばんは。
モーパッサンはまったくの未読ですが、ゾラも、前に読んだ宮下至朗さんの著書に大量に引用されて気になったので、「居酒屋」や「ナナ」を図書館で調べていたぐらいです。
やはり読んでいて、つらかったのです。人間は本来そういう生き物だと言われれば、黙るしかないですが。

_ T.Fujimoto ― 2007-10-16 23:47:44

モーパッサンをちょっと調べてみました。
「女の一生」とか、ちょっと最後は恐ろしいですな。

それにしても、花うさぎさんはさすがに多読で、守備範囲が広いですね。

_ 花うさぎ ― 2007-10-18 10:49:50

フフフ。苦手な話題の時には、顔を出しませんから、「多読で、守備範囲が広い」と思われるのでしょう。

小説の部類をたくさん読んだのは、高校生くらいまでです。大学に入ってからは、社会科学関係の本ばかり読んでいました。今でもそうです。

特に、最近の作家の本は読んでいません。村上春樹なんて、「ノルウェーの森」を読んで以来、読んでいませんし、何がよいのかよく分かりませんでした。
その「ノルウェーの森」は妹から借りたものでしたが、やっぱり妹も「何がいいのか分からない」と言っていました。

_ T.Fujimoto ― 2007-10-18 23:36:58

花うさぎさん、こんばんは。

ちなみに、僕もあまり小説類は読んでいないと思います。
そして、村上春樹の良さがよくわからない一人でもあります。
翻訳もの以外、ちゃんと読んだことがない、と言ったほうが正確ですが。

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