パルジファル再び2007-10-12 23:38:02

 前回パルジファルの話(http://tbbird.asablo.jp/blog/2007/09/16/1799802)で、名牝ダイナフェアリーの仔、ローゼンカバリーの弟に、パルシファルという馬がいたことを書きましたが、先週の競馬中継を見ていたら、別のパルジファルという名の馬が出走してきました。

 「シ」と「ジ」の違いがありますが、いずれも馬名の由来はワーグナーの歌劇か、その元である聖杯物語かと思います。


 ただの偶然ですが、ちょうど昨日に読み終えたばかりの「フランス文学案内」(http://tbbird.asablo.jp/blog/2007/10/11/1849177)にも、ちょっこと出ています。
 馬が、ではなく、12世紀の大詩人クレチャン・ド・ドロワの代表作に1つに「パルスヴァル」(1182年?)が、挙げられているだけです。

 「アーサー王」が「アーチュル王」になるぐらいですから、フランス語の発音で「パルジファル」が「パルスヴァル」になっても、たぶん全然おかしくはないし、聖杯物語の先駆をなす作品、との解説なので、きっと同系列の話に違いないですね。


 馬の話に戻りますが、現役4歳馬のパルジファルはどんな馬か、調べてみたら、決して順風満帆な競走生活を送っていないことがわかりました。

 父が大種牡馬サンデーサイレンス、母も重賞勝ち馬のエリザベスローズと言えば、恐らくかなり期待されていた良血馬でしょう。
 しかし、美浦の鈴木康弘厩舎に入厩するも、残念ながら、どうもデビュー前に骨折してしまいました。
 2歳、3歳時はまるまると棒を振り、どういう経緯だったかわかりませんが、結局中央競馬(JRA)でのデビューを諦め、4歳になった今年の春、ようやく地方の園田競馬でデビューしたようです。
 園田競馬で2戦2勝すると、この夏、再び中央競馬に転厩してきました(今度は萩原清厩舎)。

 いまのところ、中央では2回走って未勝利ですが、映像を見る限り、道中に不利を受けての敗戦で、直線のレースぷりは悪くなく、無事なら500万クラスからの卒業はそう遠くないかも知れません。
 ちょっと応援してみたいな、と思いました。


 ところで、パルシファルはローゼンカバリーの弟で、パルジファルがエリザベスローズの仔、いわばローズつながりです。

 名付け親のオーナーは、どのような連想でこの名前を付けたのでしょうか?たまたまなのか、この聖杯物語がバラと関係するのかは、時間があったら確認してみたいところです。