日本語ことば遊び(2)2007-09-02 23:40:26

 阿刀田高さんの「ことば遊びの楽しみ」は、今朝図書館へ返却しましたが、前回紹介したした「回文」のほかにも様々なことば遊びが載っており、結構おもしろいです。


 例えば、アナグラム。

 英語ではこの手の遊びが古くからあるようですが、文字の順番を並びかえて別の意味にしてまう遊びのことです。
 しかも、その言葉、人名や、物、事件、団体とかが、思いもよらない別の面があぶりだされるようなユニークな並びが良いとされるようです。

 引用されたのは、

 田中角栄 → 内閣変えた
 (タナカカクエイ → ナイカクカエタ)

 小沢一郎 → 終わろう一座
 (オザワイチロウ → オワロウイチザ)

 ケント・デリカット → 鳥取で喧嘩
 (ケントデリカット → トットリデケンカ)

 木梨憲武 → 成田の景色
 (キナシノリタケ → ナリタノケシキ)

 ここまで、すべて人名シリーズのようです。


 ホームページからの引用とありますので、サーチしてみました。
 すると、どうも次の URLが該当するようです。
http://www.sutv.zaq.ne.jp/shirokuma/anagram.html

 なるほど、あるわあるわ、ほかにも凄い作品が掲載されています。

 成せば成る成さねば成らぬ → バナナならば猿寝せぬな
 (ナセバナルナサネバナラヌ → バナナナラバサルネセヌナ)

 鬼に金棒 → 何かに応募
 (オニニカナボウ → ナニカニオウボ)

 論より証拠 → ロリコン賞よ
 (ロンヨリショウコ → ロリコンショウヨ)

 タモリいない?の問いも → 物足りない「いいとも」
 (タモリイナイノトイモ → モノタリナイイイトモ)


 いや、最後の1つは、失礼ながら、勝手に改造させて頂いたものです。

【観戦記】2007 Kick Return (全日本キック)2007-09-05 00:47:43

 沸き上がった感情のまま、あえてすぐに文字とせず、10日の期間を置いてみました。

 そして、改めて確信しました。
 8月25日土曜日、後楽園ホールで目撃したあの1戦は、確かに歴史的な名勝負、大熱戦に違いないことを。


 まず、先日の記事(http://tbbird.asablo.jp/blog/2007/08/25/1750331)は、1カ所間違いがありました。
 知らなかったんですが、ワンロップ・ウィラサクレックは負傷のために、急遽同ジムのカノンスックが代打で、最終第9試合で大月選手と闘うことになっていました。

 このカノンスック選手は映像も含めて初見ですが、負けん気の強いところが感じられ、ムエタイ選手らしいヒジ、ミドルと併せて、準備期間の不足はあるかも知れませんが、決して悪い選手ではありませんでした。
 試合後に、大月選手が「俺の方がほんの少し運が良かっただけです。」と言っていたが、確かに双方消耗したなか、うまい具合に左フックをクリーンヒットして、一気に大勢を決しました。
 しかし、相手の一瞬の隙を突けることと、その後チャンスを逃さずラッシュできたことは、やはりさすがに大月選手だと褒めるべきでしょう。減量はつらいかも知れませんが、トーナメントを辞退したりせず、優勝をめざしてほしいです。

 トーナメントの目玉選手のひとり、村浜武洋は、この階級でも身長の低いことは変わりません。出入りの速いステップがやや影を潜め、パンチのクリーンヒットもあまりなかったが、一方で防御の技術と打たれ強いところは見せました。
 相手の石川直生、前蹴りで自分の距離を作り、接近戦ではヒザでプレッシャーをかける作戦だったようです。全体的に、緊迫感はりましたが、そのまま双方決め手がなく、そのまま最終ラウンドまで流れたような感じです。
 結局、石川選手が僅差の判定勝利を収めましたが、試合を見た感触としては、ほぼ互角だったと思います。


 で、なんと言っても、この日で最も盛り上がった試合、というよりここ十数年間現場で見た試合のなかでも、最高と思えるぐらいの熱戦が、第8試合の前田尚紀 vs 梶原龍児戦でした。

 JNネットワークなどで旋風を巻き起こす龍軍団(チーム・ドラゴン)、そのなかでも大将格の梶原選手が颯爽と登場したと思えば、相手の老舗・藤原ジムの前田選手はスポーツ刈りの、飾り気のない修行僧のような風貌でリングに上がってます。
 まず、伸びのある右ストレートと、ややオープン気味で左右のフックを打ち分けるボクシングのうまい梶原選手が、やや先手を取ったように見えました。しかし前田選手も決して下がらず、パンチと右ローをひたすら返して、息つく暇もない熱戦に導きました。

 第1ラウンドですでに大きな歓声を博した両選手でしたが、さらに万位の観客を興奮のるつぼに引き込んだのが第2ラウンドです。
 梶原がカウンターのフックでダウンを先取すれば、前田もローでバランスをくずして追撃のパンチでダウンを奪い返しました。
 パンチの撃ち合いになれば負けないのが、元ボクシング東洋太平洋ランカーの梶原選手で、右フックで2度目のダウンを奪い、再びペースを握り戻す。

 ダメージありありで、あと1ダウンでKO負けになる前田選手は、しかしそこから驚異の粘りを発揮しました。なんと逃げるどころか、ふらふらになりながら、まったく休まずに真っ正面から打ち合い、逆に梶原を棒立ちさせたほどでした。
 あまりの熱戦で、地鳴りと思わせる大歓声とストンピングが巻き起こし、場内がなんとも言えないすごい雰囲気になっていました。

 一瞬の大反撃で場内が沸く試合なら、いままでも何回か見てきました。
 それが、この試合の場合、そのあと第3ラウンド、第4ラウンドへと、歓声がまったく止むことなく、ずっと続いたのだから、すごいです。
 両選手とも消耗しきっているはずなのに、テクニックと不屈の闘志がぶつかり、休むことを知らない死闘が延々と続いてました。

 そして、最終第5ラウンド、ついにその決着がつきました。
 精神力なのか、それともスタミナが無尽蔵なのか、5R目にも関わらず、ハイキックをヒットさせ、ローで動きを止め、フックと左ミドルを梶原のレバーにめり込ませる前田選手は、凄いの一言です。
 ついに梶原選手の心が折れたのか、動きが止まり、スタンディングダウンを奪われました。前田は最後は追撃を休まず、戦意を失った梶原を見たレフェリーがついに、この死闘に終止符を打ち、もの凄い歓声が上がりました。

 試合も感動は容易に収まらず、すごい拍手が湧きました。
 BoutReviewの記述を引用すれば、
 「試合が終わっても熱狂はおさまらず、涙を流す観客も少なく無かった。前田の師匠・藤原敏男会長も、松葉杖姿で前田と抱き合い、涙を流した。敗れた梶原はしばらく立ち上がることができず、担架が用意されたが、それを拒否しセコンドに肩をかつがれ退場。全ての観客が梶原にも暖かい拍手を送った。」
 まったくその通りです。

 すごいものを見せてもらった感動で、ことばが出ません。格闘技が、スポーツが、かくも素晴らしいものだと、再認識しました。


第4試合: ×岩切博史 vs 上松大輔 ×
第5試合: ○ 藤原あらし vs 寺戸伸近 ×
第6試合: ○ 山本真弘 vs 大宮司進 ×
第7試合: ○石川直生 vs 村浜武洋 ×
第8試合: ○前田尚紀 vs 梶原龍児 ×
第9試合: ○大月晴明 vs カノンスック・ウィラサクレック ×

NHK出版のホームページ2007-09-06 23:44:13

 公共放送としてのNHKは、好きだと言えませんが、「NHK出版」は好きです。そのホームページ(http://www.nhk-book.co.jp/index.html)も、よく読んでます。

 例えば、去年、読後感を書いた(http://tbbird.asablo.jp/blog/2006/10/25/573869)連載小説も、このHPで読んだものです。

 内容はまあ、作品によって好き嫌いがあるのは当然ですが、きれいな縦書きで、パソコンの横文書がどうもなじまない人にとっても、読みやすいのではないかと思います。


 いつもは連載紀行文、連載小説を読んだりするぐらいですが、今日はNHKテキストのところにある「英語力測定テスト」も試してみました。
 チャレンジ1で10問中3問も間違ってました。
 やばいですね(笑)。どう見ても高1ぐらいのレベルなのに...

 まあ、やっぱり言語を駆使する力は、使わないと確実に退化します。

【格闘技予想】 2007 UFC752007-09-08 13:34:03

 UFC75は、本日(9月8日)、ロンドンのO2アリーナで行われます。

 O2アリーナ(http://www.theo2.co.uk/web/guest/whatson/arena)、このモダンな構築物は、元々Millennium Dome という名前でも知られ、ミレニアムの記念を兼ねて建設された大型ドーム施設です。2012年のロンドン・オリンピックでも、試合会場となる予定です。

 PRIDEがほぼ崩壊し、名実とも世界最大かつ最高なMMA団体となったUFCは、O2アリーナで試合することになったことで、UFC38に次ぐロンドン上陸が、すでに半分成功したようなものかも知れません。
 2002年7月のUFC38は、同じロンドンでも、ロイヤルアルバートホールという、歴史はあるものの、はるかにキャパが小さい会場での試合でした。ここ数年間、UFCの人気、ステータスがイギリスにおいても、大きく上がっていることが想像できます。

 さて、メインイベントは、クイントン・ランページ・ジャクソンが、あのダン・ヘンダーソンを迎え撃つ、日本で、いやPRIDEで馴染みのある両選手の対戦です。
 チャック・リデルに勝って、UFCライト・ヘビー級チャンピオンに登り詰めたジャクソンに対して、ヘンダーソンは初代PRIDEウェルター級王者(トーナメント優勝)にして、絶対王者だったヴァンダレイ・シウバを下して、第2代PRIDEミドル級チャンピオンです。
 UFC73は「CHAMPION vs CHAMPION」というサブタイトルが付いていますが、もちろん主にはこのカードを指しているのでしょう。
 どちらもかつてPRIDEを主戦場にしながらも、PRIDEでは実現しなかった、なんとも注目の初対決です。

 但し、ほかにも注目のカードがたくさん組まれています。

 例えば、MMA無敗同士のMichael BispingとMatt Hamill の一戦。
 例えば、ミルコ・クロコップの再起戦。
 UFC 2戦目のUFC70で、Gabriel Gonzagaに予想外の黒星を喫したミルコが、はたしてどういう復活劇を演じられるか、注目せずにはいられないでしょう。

 それと、日本人選手ではDEEPのエースだった小谷直之が、Dennis Siverとの対戦で、UFC本大会に初参戦となります(前回UFC Fight Nightでチアゴ・タヴァレスに判定負けしていたが)。


 当ブログは、競馬の予想があまり当たりませんが、格闘技なら違うかもと、はじめて勝敗予想を試みました:

○ Quinton Jackson vs Dan Henderson ×
× Matt Hamill vs Michael Bisping ○
○ Mirko Cro Cop vs Cheick Kongo ×
× Marcus Davis vs Paul Taylor ○
× Houston Alexander Vs. Alessio Sakara ○
× Gleison Tibau vs Terry Etim ○
× Tomasz Drwal vs Thiago Silva ○
× Naoyuki Kotani vs Dennis Siver ○
○ Anthony Torres vs Jess Liaudin ×

 映像で見たことがない選手も多く、まったく自信のない当て勘ですので、あしからず。

【馬関係の本】「ダービー卿のイギリス」 (山本雅男 著)2007-09-11 00:57:35

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 玉石混交ともいうべき(笑)、愛しいPHP新書の1冊で、サブタイトルに「競馬の国のジェントルマン精神」とあります。


 なるほど、ダービー卿や帝都ロンドンに関する話は、うんちくとして面白いです。
 そういう意味でも、お勧めできる1冊です。

 しかし、本書作者の論点をあげると、納得できる部分もあれば、どこかひっかかってしまう部分、首を傾げたくなるところも、いくらかあります。


★金銭のため汗を流すことを笑い、不労所得を最善とする大英帝国の有閑階級、彼らの遊戯的な目的から始まったのが近代競馬です。

 これはまあ、イギリス競馬の成り立ちから考えれば、確かにそうです。
 しかし、近代競馬の歩みを考えれば、イギリス以外、プロイセン、ポーランド、フランスなどの国がどうかかわるかも考察に入れると、もっといろんな面が出るかと思います。


★現代は大衆の時代であり、日本の競馬は大衆を主体にして成功を収め、イギリスの競馬は古風な趣を抱えながらも、甚だ時代錯誤となっています。

 日本の競馬は成功したかですね。出版してから10年、競馬のバブル人気が弾け、地方競馬は経営が成り経たず、赤字を理由に廃止された競馬場も増えてきました。
 イギリスの競馬、あるいはもっともその本流を受け継ぐオーストラリアの競馬は、相変わらずそのままですね。


★日本では競馬をギャンブルとしてしか見ないが、イギリスではスポーツとしての性格が色濃く残っています。

 これもどうでしょうね。
 イギリスで競馬はスポーツであり、紛れなくギャンブルでしょう。ギャンブルの語源はゲームと同じで、スポーツもその原義は気晴らしなのですから、大差はないかも知れません。
 日本でディープインパクトの元返し応援馬券が、あんなに売れることが、むしろイギリス紳士は理解できない、のではないでしょうか?

ベルリン国立歌劇場2007-09-11 23:25:36

 ベルリン国立歌劇場が、今月末から再び来日するようです(http://www.nikkei-events.jp/opera/berlin/be_index.html)。

 モーツァルトの「ドン・ジョヴァンニ」や、ワーグナーの「トリスタンとイゾルデ」は、いい意味でも悪い意味でもスタンダートですが、シェーンベルクの「モーゼとアロン」をやるとは思いませんでした。

 かつては演奏不可能だと考えられるぐらい、技巧的に難しい作品ですし、なにより内容が渋いうえ未完成なので、お客さんを呼ぶのは難しいかと考えられます。

 見に行きたい衝動もありますが、たぶんは行けないでしょう。
 残念ながら。

さまよえるオランダ人2007-09-13 23:18:02

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 写真は、17,8年前ぐらい、台湾で購入した「華格納在拝魯特 (Wagner in BayReuth)」の CDについている小冊子で、世界中にオペラファンが集まる、あのバイロイトのワーグナー音楽祭を紹介しているものです。

 ワーグナー音楽祭で上演される10作品のなか、一番古く、ワーグナーの名を一躍世界に知られることになったのが「デル・フリーゲンテ・ホランダー」です。

 財宝と引き替えに、永遠に海の上で彷徨い、死ぬことさえ許されないオランダ人船長が、7年ごとに一度だけ上陸することができ、そこで女性の純潔かつ忠誠な愛を得てはじめて救われる設定です。
 しかし、オランダ人にとっての救いも、「死」でしかないのはやるせないばかりで、松本零士の「銀河鉄道999」に通じることがあるような気もします。


 このタイトル、日本では通常「さまよえるオランダ人」と訳されていますが、写真に写っている通り(ほとんど見えないかも?)、中国語で「飄泊的荷蘭人」となっているのは、なんとなくニュアンスが違って、興味深いです。

 英語では「The Flying Dutchman」と訳されているようですが、競馬ファンなら知っている通り、そのまま19世紀の名馬の名前になっています。


 馬のザ・フライング・ダッチマン(The Flying Dutchman)は、1846年生まれで、オペラが初めて上演された1843年からは、わずかに数年の間隔しかありません。

 当時のイギリス競馬はまだ馬主相互の賭けによって成り立つ部分が多く、ザ・フライング・ダッチマンも様々な賭けレースに出走して、オーナーのために稼ぎまくっていました。

 記録に残っている限り、その生涯は16戦15勝となっています。

 敗戦は、ドンカスターカップで、年下のダービー、セントレジャーの2冠馬ヴォルティジュールに負けた1回だけで、あとはほとんど圧勝と楽勝ばかりです。
 唯一負けたレースも、ザ・フライング・ダッチマンのほうがハンデとして、19ポンドも多く背負わされていました(話によれば、しかもジョッキーが飲んでへべれけだったとか)。しかも、翌年での再戦では、ヴォルティジュールにきっちりと勝って、実力を見せつけたわけです。


 この世紀の名馬は、種牡馬としても成功しましたが、本国のイギリスでは父系の血脈が簡単に滅んでしまいました。
 しかし、フランスに残っているダラーを通じて、その血が脈々と続き、そして20世紀になってブリュルールによって甦ることとなりました。

 「レバ・ガバーラ(侵略の書)」の予言通り(?)、マイリージャン、パーソロンを介して(http://tbbird.asablo.jp/blog/2006/10/31/580974)、この極東の日本国でも、シンボリルドルフ、トウカイテイオーと、その血を伝わっています。

パルジファルとローエングリン2007-09-16 00:30:22

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 ワーグナー音楽には一種の中毒素が含まれているようです。
 僕はまだ大丈夫ですが、気を付けずに深みにはまりこんでしまった人は、明けても暮れても、ヴァグネル、ヴァグネルと言い続けたりする症状を、芥川也寸志がそのエッセイのなかで書いています。

 そうなると、バイロイド詣でへどうにも行かなきゃならない気持ちになる、麻薬中毒にも似た恐ろしい代物、だそうです。


 ここで、また競馬の話になって申し訳ないですが、実は、日本に「バイロイト」という名前の競走馬がいます。
 今年1月の万葉ステークスを勝ち、重賞のダイヤモンドステークスで2番人気になっていたぐらいなので、競馬ファンならよく知っていると思います。

 バイロイドの父は、シングスピール(Singspiel)です。

 日本でジャパンカップ、ドバイでドバイワールドカップ、英国でコロネーションカップとインターナショナルステークスで優勝し、北米でもカナディアンインターナショナルステークスでの優勝や、ブリダーズカップターフでの2着があり、芝、ダートを問わない、正真正銘の超一流馬でした。
 さらに種牡馬としても成功し、産駒のムーンバラッド(Moon Ballad)により、ドバイワールドカップの親子制覇を達成しています。

 馬名のSingspiel、ドイツ語では「ジングシュピール」、18世紀から19世紀にかけて流行した庶民向け歌劇のことだそうです。

 ですので、Moon Balladの名も音楽関係ですが、日本での代表産駒と言えば、マイラーズカップや毎日王冠など、長く活躍し続けているローエングリンでしょうが、ワーグナーのオペラに、まさにこの「ローエングリン」というがありますね。


 世界中で結婚式の曲として用いられる、あの「真心こめてご先導いたします」も、本来、「ローエングリン」の第3幕への前奏曲です。

 写真は、だいぶ昔のCDマガジンClassic Collectionのワーグナーの号に付いている冊子です。
 このワーグナーの生涯最後の楽劇「パルジファル」も、「ローエングリン」と関連性が深いです。
 ともに叙事詩「パルツィヴァル」よりインスパイヤされている作品で、そもそもパルジファルという人は、ローエングリンの父に当たる人物です。

 但し楽劇の「パルジファル」は一種の聖杯物語で、基調が明るい「ローエングリン」に比べれば、どこか宗教的な面、善が悪に打ち勝つと説く教訓的な重さが、どうしてもあるような感じがします。


 日本の中央競馬には、パルジファルという名前の馬も走っていたな、という記憶が甦り、調べたら、ちょっと発音が異なり、濁らずに「パルシファル」となっています。
 まあ、所詮はドイツ発音か英語発音かもよくわからないもの、このぐらいの違いはどうでもいいことでしょう。

 パルシファルは、2勝しか挙げられなかったが、名牝ダイナフェアリーの仔、G2レースだけで4勝ぐらい挙げていた、あのローゼンカバリーの弟です。
 名付け親のオーナーは、お兄さんはバラの騎士なら、弟は白鳥の騎士で、という発想だったかも知れません。

 いずれにしても、馬の世界で、パルシファルは、ローエングリンの父ではありません。