【翻訳練習 (日→中)】「椰子の実」 ― 2007-07-25 00:33:00
柳田國男が明治31年の夏、伊良湖に滞在したときに椰子の実を拾った話を、親友の島崎藤村に語ったところ、それが素材となって椰子の実の叙情詩、そして後の名曲が生まれました。
椰子の実 島崎藤村 | |
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名も知らぬ遠き島より | 從遙遠不知名的島嶼 |
流れ寄る椰子の実一つ | 漂來一顆小小椰子果 |
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故郷の岸を離れて | 離開你故郷的海岸 |
汝(なれ)はそも波に幾月 | 不知已隨波奔流多少旬 |
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旧(もと)の樹は生ひや茂れる | 生你長你的樹茂盛如昔 |
枝はなほ影をやなせる | 而且想必枝葉婆娑成蔭 |
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われもまた渚を枕 | 我也以沙灘為枕 |
孤身(ひとりみ)の浮寝の旅ぞ | 孤身漂零如水鳥 |
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実をとりて胸にあつれば | 撿起椰果抱在胸前 |
新なり流離の憂 | 流浪者的憂愁再上心頭 |
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海の日の沈むを見れば | 遙看海上的斜陽西沈 |
激(たぎ)り落つ異郷の涙 | 満溢而落的是異郷的涙 |
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思ひやる八重の汐々(しおじお) | 想望著層層起落的潮汐 |
いづれの日にか国に帰らん | 到底何時方能回故園 |
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