【読後感】「ライオンの夢 前田光世伝」 (神山典士、小学館) ― 2008-08-12 01:41:09
8月に入って、U・K・ル=グウィンの小説や、ヘルマン・ヘッセについて書かれたとんぼの本など、わりとおもしろい本で出会えました。そのなかでも題記の一冊は、僕には特に興味深い内容です。
というのも、前田光世の人物なりは前から気になっていましたが、出で立ちを雑誌でちょっと読んだ程度で、その生涯について詳しく書かれた書籍となると、意外とあまり見当たりませんでした。
作者は膨大な参考資料だけでなく、コンデ・コマの足跡を追い求めてキューバまで取材しに行ったようで、快男児であり開拓者でもある前田の姿を如実に書き綴ったんだと思われます。
また、僕が寡聞だけだと思いますが、前田光世の生涯以外にも、いままで知らなくて、ほう、そうなんだと思った事がいくつか含まれています。
例えば、「武侠」という言葉は日本から中国に伝わったという話を前に書きました(http://tbbird.asablo.jp/blog/2006/09/08/516412)が、その造語を最初に使った押川春浪、そして日本プロ野球生みの親とも呼ばれている弟の押川清、実は前田光世の旧交でした。
「学生時代、前田たちは大久保にあった押川兄弟の家で雑魚寝することもしばしばだった。」
前田光世の周りに集まった仲間たちから、後に各界の指導者になった人が多く出ていました。彼らとは正に刎頸の交わりを結び、夜な夜な酒杯を交わしては「(大陸に渡って)馬賊か海賊になろうとよく語り合ったものだ」と、前田と共に講道館三羽烏と謳われた佐竹が後になって語りました。
また、ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)が1895年に英語で「柔術」という論文を書き、「アウト・オブ・ザ・イースト」と題する書籍に収録されて、ボストンの出版社から出版された、ともあります。
ラフカディオ・ハーンは大好きで、確かに「東の国から」なる著作を1895年に出していると聞き及んでいますが、柔術に関する話が含まれているとは知りませんでした。
というのも、前田光世の人物なりは前から気になっていましたが、出で立ちを雑誌でちょっと読んだ程度で、その生涯について詳しく書かれた書籍となると、意外とあまり見当たりませんでした。
作者は膨大な参考資料だけでなく、コンデ・コマの足跡を追い求めてキューバまで取材しに行ったようで、快男児であり開拓者でもある前田の姿を如実に書き綴ったんだと思われます。
また、僕が寡聞だけだと思いますが、前田光世の生涯以外にも、いままで知らなくて、ほう、そうなんだと思った事がいくつか含まれています。
例えば、「武侠」という言葉は日本から中国に伝わったという話を前に書きました(http://tbbird.asablo.jp/blog/2006/09/08/516412)が、その造語を最初に使った押川春浪、そして日本プロ野球生みの親とも呼ばれている弟の押川清、実は前田光世の旧交でした。
「学生時代、前田たちは大久保にあった押川兄弟の家で雑魚寝することもしばしばだった。」
前田光世の周りに集まった仲間たちから、後に各界の指導者になった人が多く出ていました。彼らとは正に刎頸の交わりを結び、夜な夜な酒杯を交わしては「(大陸に渡って)馬賊か海賊になろうとよく語り合ったものだ」と、前田と共に講道館三羽烏と謳われた佐竹が後になって語りました。
また、ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)が1895年に英語で「柔術」という論文を書き、「アウト・オブ・ザ・イースト」と題する書籍に収録されて、ボストンの出版社から出版された、ともあります。
ラフカディオ・ハーンは大好きで、確かに「東の国から」なる著作を1895年に出していると聞き及んでいますが、柔術に関する話が含まれているとは知りませんでした。
コメント
_ 熱血 ― 2009-02-28 11:46:12
拙書件、べりべりさんきゅです。なかなか手に入らなかったでしょ。とほほ。文庫になったらいいのですが。またよろしくどーぞ。
_ T.Fujimoto ― 2009-03-01 16:29:49
神山さま、アサブロの僻地までコメントを寄せて頂き、ありがとうございます。
よく考証されてしるされた大作は、拝読しているこちらも血が沸く、まさに熱血ものです
ただ申し訳ないですが、実は借りて読んだだけで手に入れられていないです。文庫版とかでも出してくだされば、1冊は手元に置いておきたかったのですが、その計画はないでしょうか?
よく考証されてしるされた大作は、拝読しているこちらも血が沸く、まさに熱血ものです
ただ申し訳ないですが、実は借りて読んだだけで手に入れられていないです。文庫版とかでも出してくだされば、1冊は手元に置いておきたかったのですが、その計画はないでしょうか?
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