三寸金蓮2007-06-19 01:05:21

 宣和堂さまのブログで、唐代の「酉陽雜俎」に最古のシンデレラ物語が出ている話と、その話をディスカバリーチャンネルが映像化して放送していたことを紹介しています。(http://sengna.com/log/eid999.html

 中国の伝説が童話シンデレラ物語の起源かどうかは別として、コメントで、ガラスの靴で妃を選ぶ段は足の小さい女性がよいとする考えで、纏足の話まで及んだのはおもしろいです。
 どうも中近東でのおとぎ話のなかにも類話があるそうです。


 「三寸金蓮」という言葉がありますが、「南史」斉の東昏君が蓮の金弁を貼り、妃の人をそのうえに歩かせては「歩々蓮花を生ず」と言って喜ぶ、というふざけた話に起源するようです。

 纏足人の小さな脚の写真を見たことがありますが、気持ち悪い感じこそあっても、まったくどこがきれいかを理解できませんでした。


 さて、纏足の起源について、台湾におもしろい説があります。
 すなわち、殷の妲己は、元々九頭狐狸精からの変化で、脚だけはうまく化けられなかったので、布で脚を包み隠したが、宮中の女がそれを真似て広がったとか。
 いうまでもなく、眉唾物で信頼性ゼロですが、おもしろいので、いいとしましょう。

コメント

_ tianshu ― 2007-06-19 23:00:23

こんにちは!

 「纏足人の小さな脚」がきれいというのではなく、「纏足人の小さな脚」で歩く時、体が柳枝のように揺れる姿が可愛いと、昏君のお好みだったではないでしょうかと思います。

_ tianshu ― 2007-06-19 23:04:27

面白いことに、筋が不明で、内容が長すぎかつ詰まらない文章のことを、「裏脚布」というのです。私の日記はたまたま昔のおばあさんたちの「裏脚布」になってます。(笑)

纏足布=「裏脚布」

_ T.Fujimoto ― 2007-06-19 23:14:32

こんばんは。
中学時代の友人O氏が、いつも金庸氏の武侠小説を「王大娘的裏脚布一様、又臭又長」と評していたことを思い出しました。
そのわりに全作品を読破していたんだから、案外金蓮フェッチもいれば、裏脚布フェッチもざらにいるかも知れませんね?

_ T.Fujimoto ― 2007-06-20 12:15:45

tianshuさん、こんにちは。
> 「纏足人の小さな脚」で歩く時、体が柳枝のように揺れる姿が可愛い
なるほど、現代のハイヒールにも通じるところがあって、一理ありますね。

実はこの文のネタ本になっている金関丈夫氏の著書には、ほかに2つの説を載せています。

1つ目は、氏の調査によれば、纏足によって骨の発育が細くなり、しかも足全般にとどまらず、その影響は上半身まで及ぶそうです。その結果、纏足女性の体が花奢かつ繊細になる、だそうです。(いま会社にいて、手元に本がないですが、大体このような内容です)

2つ目は、ちょっとR指定(制限級)の話なので、ここではあえて伏せておきます。

_ why ― 2007-06-25 21:43:46

Fujimotoさんはたまに内地の小説をお読みになりますか。

馮驥才(何気なくFujimotoさんお好きな馬が)という天津出身の作家がいますが、民俗学というのかしら、民間の風習や、地方の歴史などに造詣が深く、そういうものを題材にした面白い小説を色々書いています。

中には『三寸金蓮』という作品がありました。前世紀80年代に書かれたものですが、かなりマニアックな小説です。これ一冊読めば、纏足のことに相当詳しくなりそうです。

むか~し、読みましたが、とても面白かった記憶があります。邦訳も確か『てん足物語』というタイトルで出版されています。

もし古本屋でお見掛けになったら、ぱらぱらっとめくってみてください。

_ why ― 2007-06-25 21:52:28

「楚王好細腰,宮中多餓死」という言葉がありますが、『墨子』が出典らしいですね。
柳腰が好まれる歴史もどうやらかなり古い時代まで遡れるようですね。

_ why ― 2007-06-25 22:00:31

足に合わない靴をちょっとの間履いただけでも痛いのに、無理やり足の骨を折って纏足にするなんて、今の私たちの想像を遥かに超える苦痛だったに違いない。

そこからどうして美を見出すことができるのか、どうにも理解に苦しむ話ですね。今の時代に生まれてよかったと思わなければなりません。

_ T.Fujimoto ― 2007-06-26 00:33:24

whyさん、書籍のご紹介、ありがとうございます。
小説はあまり読んでいませんが、マニアックなら、いいかも (^^;)
但し、最近は神保町にも出かけていなく、近所の古本屋だとなにかを探すかというより、何に出会すかがポイントで、気長に待ってみます (笑)

_ T.Fujimoto ― 2007-06-26 08:35:34

whyさん、ダイエットで栄養失調になる人の話を聞くと、人類は大して賢くなっていないような気もしますね。
しかもその場合、楚王が好むゆえでなく、どちらかといえば男性の好みを超えて、当の本人が極度な柳腰に憧れて追求した結果、そのような気がします。

墨家といえば、ちょっと前に「墨攻」という映画が一部話題になりました。
「墨子」は未読ですが、こんな平易な言葉で書かれているものなんて、ちょっと意外です。なんか打油詩のようです...

_ つぼみ ― 2007-07-06 07:37:55

私の両方のおばあちゃん(祖母)とも纏足、ずっと母方の祖母と一緒に生活してきたので、実際に聞いたことを少し書きましょう。

その両親は「文明開化(纏足不要)」したものの、周りの纏足お嬢たちと日々大きくなる自分の一人娘の足を見て、これで将来結婚できないわと悩んだ結果「纏足決意」。そのときに痛くて熱くて夜は全然眠れないと祖母は言っていました。

せっかく洋学堂に入ったものの 体育の授業のときに走れません。応援したときに走る人にその足を踏まれた痛みは人生の最後まで忘れられなかったようで、よく私に話しました。その後やはり途中まで纏足放棄、正確に言うと「半纏足」。

もう一つの痛みは北平芸専(中央美術大学前身)の西洋画専攻の優等生として 指導のフランスの先生に留学や実習に推薦され、「連れていって見守ってあげる」といわれても 搭船までその足を踏み出せなかった。「あれは中国の恥だ」と本人はよくつぶやいた。

両方の祖母とも長生き、98年まで生きたが、共通な悩みは靴が買えないこと、以前職人さんに頼んできましたが。。。

長くなってすみませんでした。

_ T.Fujimoto ― 2007-07-06 23:55:05

つぼみさん、こんばんは。
身近に本当に纏足する方がいると、感覚もぐーんと違ってきますね。
貴重な話、本当にありがとうございます。

まだ日本時代だった八十数年前、台湾には「新様纏脚詩」という、纏足の弊風を戒めた流行歌が出ていたそうです。(台北、黄春雨発行)、約160句からなるこの歌、その最初の一句は「天地創造人、男女脚相同」だったようで、その通りだと思いますけどね。

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