サクラローレルの思い出とcherry laurel2007-06-05 23:46:36

 土曜日のユニコーンステークス、人気のロングプライドが非常に強いレースを見せました。
 順調に成長すれば、やがてはダート重賞、G1の常連となりそうな気がします。

 父のサクラローレルにとっては、たぶんサクランセンチュリー以来、久々のJRA重賞勝ち馬です。


 サクラローレルはレインボークエスト(Rainbow Quest)産の持ち込み、かのナリタブライアンと同期です。

 デビューした頃から、比較的に評判は高かったが、3歳(旧4歳)時は球節炎などでクラシックに出走できなく、4歳(旧5歳)春も天皇賞を前に重い骨折を発症するなど、若い頃は故障が多く、出世が遅れていました。
 5歳(旧6歳)、長期休養から復帰すると、いきなり絶頂期に入りました。
 この年、宝塚記念とJCを回避していますが、天皇賞・春と有馬記念を勝ち、JRA年度代表馬にも選ばれました。
 翌年、凱旋門賞挑戦のためにフランスまで行きましたが、前哨戦のレース中にまたも故障し、本番に出走することなく、引退しました。

 現役時はそれほど応援していた馬ではなかった、なぜか引退されてしまうと妙に気になる1頭です。結局G1は2勝止まりでしたが、能力はそれ以上に高い、という印象がずっと頭にあります。


 サクラローレルの名前は、オーナーの冠号「サクラ」に月桂樹の「ローレル」(Laurel)からなり、「ローレル」は母ローラローラからの連想かも知れませんが、真否は未考です。

 さて、知られているように、ローレルは、アポロンとダフネのあの有名な物語に由来し、ギリシャやローマ時代から神聖視された樹木の一つです。

 古代オリンピック・ゲームの優勝者に月桂冠を与えるという話を時々聞くが、手元の「英米故事伝説辞典」によると、それは正しくないようです。
 すなわち、古代ギリシャ人は、Pythian gamesの優勝者に月桂樹の冠(wreath of laurels)、Olympic gamesの優勝者にはオリーブの冠(wreath of olives)を与えたようです。
 ちなみに、Nemean gamesには green parsely、Isthmian gamesには green pineleavesを、その優勝者に与えたそうです。


 最後に小咄を1つ。
 前記「英米故事伝説辞典」の続き、「英文学風物誌」からの転載によれば、「坊間に 'laurel' の名称で知られている植物は、通例真正の laurel ではなく、一見類似の植物、特に cherry laurel である。」 と出ています。

 cherry laurel ですが、
 日本語に訳すと、サクラローレルだったりして (^^;)