【レース予想】2007京成杯、日経新春杯2007-01-14 03:34:52

 まずは3歳戦の京成杯。
 重賞にしてはメンバーが手薄、先週のシンザン記念と比べても、実績馬が少ないです。

◎ メイショウレガーロ
○ サンツェッペリン
▲ アロマンシェス
△ ローズプレステージ
△ マイネルアナハイム
△ マイネルーチェ

 メイショウレガーロのベゴニア賞は抜群の切れ味でした。ここの相手なら初重賞挑戦でも勝ち負けを期待できます。
 サンツェッペリンは前走でニュービギニングの切れ味に負けましたが、内容は上々。持ちタイムもよく、1勝馬ですが、本命に近い対抗です。
 アロマンシェスは3番手。朝日杯9着のジャングルテクノが、よりメンバーが充実したシンザン記念で5着に入っているので、朝日杯7着のアロマンシェスは、ここでなら、それ以上の着順も期待できるのでしょう。


 次に、日経新春杯です。

◎ アドマイヤフジ
○ メイショウオウテ
▲ オースミグラスワン
△ トウカイエリート

 去年の勝ち馬アドマイヤフジが、実績で抜けています。確かに長期休み明けで有馬記念を走ったあとなので、反動も気になりますが、調教等の状況からは大丈夫だと判断したいです。ディープインパクト引退後の次期エース候補なので、きっちり力を出してほしいと思います。
 メイショウオウテは成績が安定して、距離も、むしろこれぐらいあったほうがいいのではないでしょうか。
 オースミグラスワンは、デビューから8戦連続連対し、もっと期待していた馬ですが、どうも頭打ちの印象が出てきました。但し特にデキ落ちは見られなく、このメンバーなら、連にからむチャンスは大いにあるのでしょう。

【読後感】ジャンヌ・ダルクの実像(レジーヌ・ペルヌー著、高山一彦訳)2007-01-15 05:38:18

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 先日カリール・ジブラン(Kahlil Gibran)についてちょっと書きました(http://tbbird.asablo.jp/blog/2007/01/11/1105773)が、この哲人が生涯尊敬してやまないのは、キリスト、ソクラテス、リンカーン、そしてジャンヌ・ダルクの4人だそうです。
 前に記事にしたゲーム「Age of Empire II - The Age of Kings」(http://tbbird.asablo.jp/blog/2006/11/23/965689)のチュートリアルキャンペンも、ジャンヌ・ダルクの話を題材にしています。
 リュック・ベッソン監督の作品(http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=159314)など、ジャンヌは、さまざまな角度、解釈で映画化もされてきました。

 それほど、ジャンヌ・ダルクはフランスで国民的な人気を得ているだけでなく、世界的に広く名が知られています。
 日本でも明治の始め以来、ワシントン、ナポレオンなどと共に日本人が見習うべき西洋の英傑として名前があがり、題記「ジャンヌ・ダルクの実像」の訳者によると、明治の末までにすでにジャンヌを題材にした単行本は、十数点を数えるまで至ったそうです。

 しかし、その多くは、歴史という形を型取った物語としての扱いであり、資料的な真実をあまり語っていないようです。
 僕にとっても、ジャンヌ・ダルクという人物は、(時代的それほど古くないのにも関わらず)、伝説のベールを通しでしか伺えなない、常に謎めいた存在でした。
 
 「ジャンヌ・ダルクの実像」の作者レジーヌ・ペルヌーは、ジャンヌ・ダルク研究所の初代所長にして、ジャンヌ関連の史料を世界的に集めてきた人物です。
 フランス人らしく、ジャンヌを支持する姿勢は明白にあるにせよ、この本は当時の資料、とりわけ処刑裁判と破棄裁判の証言を活用して、ジャンヌ・ダルクという人物の短く、激しい生涯の真実を、真剣にまとめた著作です。

 この本を読んで、ジャンヌ・ダルクは謎めいた存在でなくなったかというと、相変わらずは不思議な存在には変わりません。
 それでも、ジャンヌの生き様に触れて、その宗教的な主張と燃えつきぬ情熱は、少しは理解できるようになった気がします。

誤訳の話2007-01-16 01:02:47

 翻訳は難しいです。

 正しい訳を付けるには、語学的な知識はもちろん、書かれている事柄に関連する限り、両国、地域での風俗習慣、歴史文化、信仰宗教まで知る必要な場合があります。
 プロの翻訳者として生活するために、自分の知っている分野の仕事だけ取るのは、なかなか簡単なことではないでしょう。しかし、良心のある翻訳者は、時には勉強する決心を下り、時には仕事を断る勇気も必要だと思います。

 素人が言うのもなんなんですが、誤訳が多いと、読者に迷惑をかけるばかりでなく、自らの信頼とキャリアを損なってしまう可能性もあります。


 例えば、ゲームの「Age of EmpireII」を紹介したとき、アスキーから出している「The Conquerors Expansion」の攻略本が写真に写っていますが( http://tbbird.asablo.jp/blog/2006/11/23/965689)、これはかなりひどい翻訳でした。

 アステカの固有テクノロジー「栄誉戦」についての紹介では、
 「既に瀕死のジャガーウォーリアにかなり大きな力が与えられる栄誉戦では、槍兵(およびそのアップグレード兵)でさえ恐怖に陥れることも可能です。」とあります。
 なんのことか全然わかりません。
 「栄誉戦」を研究すれば、元々脅威的なジャガーウォーリアにかなり大きな力を与えるだけでなく、槍兵(およびそのアップグレード兵)をもかなり恐怖な存在にすることが可能です。」にでもすれば、まあ、このゲームをやっている人なら意味はわかります。

 各文明の戦略紹介で、朝鮮について、
 「騎兵育成所のユニットはほとんどすべて利用できますが、血統の研究の無意味さが時に大きな問題となることがもあります。」とあります。
 原文は読んでいないですが、きっと、朝鮮の文明では「血統」のテクノジーを研究できないことについて言及しているところです。「無意味さ」とはひどい訳でした。

 例を挙げるのもばかばかしいぐらい、この本には至る所に意味不明な文が混ざっています。
 きっと、翻訳者(株式会社日本ドキュメンテックスとなっていますが)は、このゲームをほとんど(もしくはまったく)やったことがないでしょう。


 佐藤正人さんの「蹄の音に誘われて」(毎日新聞社)を読むと、江戸川乱歩の「競馬を描いた探偵小説」について、いくつかの点を指摘しています。

 例えば、「近頃は競馬のハンデをとんとしないものだから、新聞に目を通して予備知識をつけておかなくちゃ」という主人公の素人探偵の言葉ですが、なんだかよくわかりません。
 実は「ハンデキャップ」は普通の意味以外、勝ち馬を検討する、という意味もあり、この競馬用語を知らないと文章が通じなくなってしまう、との話です。
 江戸川乱歩は、語学は相当達者で、英米の探偵小説を原文で読み、さかんに紹介していましたが、それでも競馬に詳しくないため、誤訳が発生してしまいます。

 佐藤さんは競馬の専門家なので、「競馬用語」だと言っていますが、競馬に限らず「勝者を予想する」まで広げられる例を、僕は米国のスポーツやギャンブルのサイトで何度か見かけたことがあります。


 翻訳の場合、自国の競馬に詳しいだけでもだめです。
 アメリカ最大の競馬週刊誌「The Blood Horse」を定期購読していた頃だから、たぶん8年前か9年前の話です。

 うろ覚えですが、「日本はいま、海外から大量に3歳(3 years old)馬を輸入している。2歳(2 years old)馬も輸入していますが、それよりも3歳馬の輸入数が多くなっています」、というような記事が出ていました。
 競走馬の3歳(3 years old)というと、すでにクラシックロードで戦っているか、古馬の域に入ろうとしているかですので、若い2歳(2 years old)よりもたくさん輸入していたなんて、考えられません。

 もちろんそんなわけはなく、誤訳です。

 2001年から、日本でも馬齢の数え方を欧米に合わせましたが、その頃はまだ「数え年」を使っていました。
 「The Blood Horse」の記事の元になっている日本語の資料で出ている「3歳」は「2 years old」であり、「2歳」はいわゆる「yearing」であり、それを知らずにそのまま直訳してしまったゆえの誤訳だと思います。


 翻訳は難しいです。
 前出佐藤正人さんの本では、「誤訳のない翻訳はない」と断言した上で、誤訳を指摘されたときにどう対応するかが重要としています。

 指摘に対して、ウンともスンとも言わず、完全に無視に徹した人も、一応指摘に対して感謝するものの、やっとサラリーマンをやめて翻訳でメシを食っていけるようになったので、あまり大げさにしないでほしいと返信した人も、翻訳者のなかにはいます。
 
 僕はうえの「The Blood Horse」の記事を読んで、ちょっとこれは間違いではないか、という意味のE-Mailを送ってみました。
 すると、1時間も経たないうちに、名物編集長の署名ですぐに返信が来ました。無論本人だったかは不明ですが、内容は、まず指摘に対して感謝の意を表し、ちゃんと確認、訂正を行う、みたいなメールだったと思います。

 これぐらいの対応をすれば、大抵の読者は怒らないと思います。

【素人写真】山2007-01-21 00:44:23

 山のあなた空遠く......にわか文学少女が涙ぐんで口ずさみます。
 しかしこのブッセの詩の主人公は、決して山のかなたまで足を運んでいない、と阿刀田高氏はそのエッセイ集のなかで説きます。

 確かに本当に山に行けば、不思議なことは7つばかりではありません。失望を胸にひしがれて帰ってくることも少ないはずです。

 夏の林道のなかには、気怠さとエネルギーとが共存し、
 冬山の雪景色には、心奥の北方憧憬を呼び覚ます神聖な力が潜んでいます。

 1つの岩にぶつかることは1つの戦慄にぶつかること、1つの山巓を乗り越えることは1つの自分を乗り越えること、そう言えるかも知れません。

 山の稜線に沿って歩き、心は新たなエネルギーに満たされて、水でぐちゃぐちゃになった靴の中、水虫たちもとても喜んでいました。



1993年2月 雪の小田原から見る富士山




1995年5月 丹沢




1995年5月 八甲田山




2002年1月 伊豆堂ヶ島




2006年10月 富士山

【音楽】ジャズライブへ行きます2007-01-21 15:02:37

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 今週末の土曜日(1/27)、職場の先輩がプロデュースするジャズライブへ行きます。

 前回(http://tbbird.asablo.jp/blog/2006/11/26/969561)と同じ、横浜ドルフィー(http://www.dolphy-jazzspot.com/)です。
 僕のようなジャズ初心者も十分楽しめましたので、普段ライブへ行かない方も、興味があれば、行ってみてはいかがでしょうか?

【レース予想】2007根岸ステークス、京都牝馬ステークス2007-01-28 02:00:38

 休日出勤のあと、横浜のジャズライブに行って来ました。
 すっかり遅くなりましたので、簡単に印のみアップします。


 根岸ステークス:
◎シーキングザベスト
○タイキエニグマ
▲オフィサー
△マルカフレンチ


 京都牝馬ステークス
◎ディアデラノビア
○レクレドール
▲ソリッドプラチナム
△コイウタ
△アグネスラズベリ
△サンレイジャスパー

【蔵書自慢】「The Encyclopedia of the HORSE」と「The New Guide of HORSE BREEDS」2007-01-31 23:56:21

「The Encyclopedia of the HORSE」と「The New Guide of HORSE BREEDS」
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 ちょっとタイトルが長くなってしまいますが、どちらもフルカラーで、馬の品種を多数扱っている図鑑にも似た書籍なので、2冊併せて紹介します。

 「The Encyclopedia of the HORSE」は、たぶん十年前ぐらい、神田神保町の本屋(古本屋ではなく、新刊書店)で購入した、英国から出版された書籍です。
 「The New Guide of HORSE BREEDS」のほうは、カリフォルニアへ出張したとき、たまたま現地の本屋で手に入れた、現地の出版社から出ている本です。


 出版年代が近く、タイプも多少似ていますが、「The New Guide of HORSE BREEDS」はほとんど馬の品種毎を、見開きの2ページで紹介しているだけなのに対して、「The Encyclopedia of the HORSE」のほうは、馬の歴史についての紹介もあったり、読み応えがあります。(英語はあまり得意ではありませんが... ^^;)
 装幀やデザインを比べても、この英国もののほうが、僕の好みに合っています。

 まあ、どちらも写真はかなり美しく、図鑑としてよくできているほうで、馬好きなら、置いといて損はないかと思います。


「The Encyclopedia of the HORSE」
作者: Elwyn Hartiley Edwards
写真: Bob Langrish & Kit Houghton
出版: Dorling Kindersley
目次:
Part One - The Story of the Horse
Part Two - Early Use
Part Three - The Eastern Influence
Part Four - Glassical Riding
Part Five - The Great Studs
Part Six - The Influence of the Pony
Part Seven - The Americas
Part Eight - The Working Horse
Part Nine - The Horse at War
Part Ten - The Sporting Horse


「The New Guide of HORSE BREEDS」
作者: Judith Draper
写真: Kit Houghton
出版: SmithMark Publishers
目次:
Introduction
Horses
Ponies
Types
Index