北村透谷の造語から2012-12-11 22:52:47

 前にも書きました(http://tbbird.asablo.jp/blog/2012/01/20/6298966)が、北村透谷はこちら小田原の産まれです。
 知らなかったのですが、柴田武の本を読んだら、「情熱」は北村透谷の造語、という説が出ています。英語の「passion」の和訳、だそうです。
 確かに「情熱」は漢文ではあまり見かけず、「passion」は中国語だと、一般的に「熱情」で訳されたりします。
 「熱情」は、一応日本語でも使われますが、語意の範囲が微妙に狭くなっていて、使う場面が違うような気がします。

 「平和」と「和平」も似ていますが、どちらかと言えば、中国語の「和平」は日本語の「平和」に近い場合が多い印象ですが、どうでしょうか?

 「木材」と「材木」、「解読」と「読解」、「栄光」と「光栄」...逆にして、意味が似て非なる熟語が、日本語にかなりあります。中国語でまた多少意味やニュアンスが違っていたり、なんだか混乱してしまいます。

コメント

_ 花うさぎ ― 2012-12-12 08:25:09

おもしろい話題ですね。

たしかに「情熱」は普通の話題によく使われる言葉ですが、「熱情」はちょっと文学的な特殊なものを指す時に使われるような気がします。たとえば、バイロンの詩の形容だとか、ベートーベン「熱情」だとか。一般の生活では使いませんね。

「和平」と「平和」も、「平和」は一般的な用途に使えますが、「和平」となると何か「戦争終結時」の政治的な状況のみに使うような感じですかね。

ほかに「解読」は暗号などの読み取り、「読解」は普通の文章、古文や外国語の解釈、「栄光」は何かの競技・武勲などで勝ち取った誇らしい気持ち、「光栄」は何か上から下へ与えられて得た誇らしい気持ちのような気がします。

でも、「木材」と「材木」の違いは、分かりません。

_ 花うさぎ ― 2012-12-12 09:00:30

「木材」と「材木」違い、今、コーヒーを入れている間に、なんとなく分かりました。

「木材」と言うと、「材質が木であること」、つまり「材質」に重点があり、
「材木」と言うと、「材料として使う木」、つまり「木」というもののほうに重点があるのではないでしょうか。

_ T.Fujimoto ― 2012-12-12 22:36:41

花うさぎさん、こんばんは。
「和平」は、和平交渉など、最近ニュース等でよく耳にするもので、なんだかんだ慣れてしまいましたが、本来日常会話ではあまり使えない語彙ですね。

先日、玉青さんのブログ(「天文古玩」)で、ジャイアントパンダの話題がありましたが、その昔に使われたらしき「白黒熊」という日本語は、もしかして中国にあった「黒白熊」という呼び方の「和様化」かも、という仮説が出されました。
仮説の真偽は別として、「黒白分明」という四文字熟語があるように、確かに日本語で通常「白黒」と綴る語順は、中国語だと「黒白」の順番になります。小さいときにあった白黒テレビも、中国語で「黒白電視」とまわりの人が呼んでいたのを、いまも覚えています。
この場合、文法というより、たまたまできた慣習によるものでしょうかね?
(そういえば、「慣習」と「習慣」も似ているものの、多少違いますね)

_ T.Fujimoto ― 2012-12-12 22:51:30

花うさぎさん、「木材」と「材木」の違いは、なるほど、仰った通りだと思いました。

パンダの話の続きですが、小さいとき、台湾では中国大陸同様、パンダのことを「熊猫」と呼んでました。それがある時、「熊猫」は生物学?的に正しくなく、「猫熊」か「大猫熊」に改める、という話をテレビで見た記憶があり、確かに以降は、台湾では徐々に「猫熊」という呼び方に統一されました。
生物学云々というのは、パンダは分類上でクマ科なので、漢文の語順に従えば、猫のような熊も、猫熊でなければおかしい、ということだと思います。

まあ、その倣いから行けば、「木材」は「木でできている材料」、「材木」は「材料になる木」、前者のほうが材料としてすでにできあがっている(加工済み?)イメージが、多少あるかも知れません。

_ Chen ― 2013-01-26 17:50:48

私も「木材」は「木でできている材料」て、「材木」は「材料になる木」と思います。

_ T.Fujimoto ― 2013-01-27 22:35:56

Chenさん、こんばんは。
やはり花うさぎさんも書かれた通り、「木材」は「材質」に重点があり、 「材木」は「木」に重点があるようなイメージが、あるのでしょうね。

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