【馬関係の本】「馬~この素晴らしき友」(八戸芳夫 著)2007-04-11 23:35:47

.
 手元にある「馬」を題材にしている本から、何回かに分けて、いくつか紹介したいと思います。
 ちょっと飽きぽい性格なので、この企画もどれぐらい続けられるかわかりませんが...(^^;)

 主に地方の出版社から発行されたもので、あまりメジャーでない書籍かも知れませんが、いずれも内容がおもしろいを選ぶつもりで、馬好きなら一読する価値はあると思います。


 まず1回目は、北海道の共同文化社から出ている「馬~この素晴らしき友」(作者:八戸芳夫)という本を挙げたいと思います。
 作者は北海道大学の元教授、付属農場長も兼務していました。
 内容として、大きく4つの章に分けられています。

 「四千年来の友」と題する章では、人類の歴史上に登場する馬の話を紹介しています。
 この類の本でよく登場する題材である、漢武帝と汗血馬、アレキサンダー大王とブシファラス(ブーケファロス)など、海外の話もちょっと出ていますが、基本的には日本の話がメインです。特に馬が北海道へ渡ってゆく部分の話は、ほかの本であまり読んだことがなく、新鮮な話です。

 「賢くて、かわいいやつ」の章は、そのまま馬の顔、表情、視覚などについて書いたものです。一般的な話が多いですが、サル山のボス争いと変わらない、都井の御崎馬の群れについて書いた話は、ちょっとおもしろかったです。

 「競馬のはなし」の章は、文字通り競馬について書かれたものですが、それも日本古来宮中で行われていた「くらべうま」、「こまくらべ」から始まり、一応特色は出ていると思います。
 競馬用語について書かれた部分も、「本馬場」、「ハロン」、「パドック」、「本命」、「追い切り」など、競馬を多少知っていればわかる言葉がある一方、すでに廃れて使わなくなったと思われる「縄外」、「からを背負う」、「はぐる」まで挙げられて、おもしろいです。

 最後は「いとしのドサンコ」と題する章で、北海道のドサンコについて書いています。
 厩舎もいらない、強健で耐寒能力が高いドサンコを素晴らしい友と称し、作者のドサンコに対する深い愛情が感じられます。
 本のなかで、札幌市内のドサンコが大変少なくなった、と作者は嘆いていますが、残念ながら、この本が書かれた20年前に比べても、いまのドサンコはもっと危うい状態に置かれたものと思われます。

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://tbbird.asablo.jp/blog/2007/04/11/1394198/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。