元号のせいではあるまい2012-08-01 23:04:08

 七月某日 雨もそこそこ降ったような気がしますが、暑さと湿度がきつく、猛暑。
 七月某日 相変わらず猛暑。
 七月某日 言わずもかなの猛暑。
 七月某日 上に同じ。
 七月某日 上に同じ。
 八月一日 月が変わった。あとは同じ。

 世の中、思い通りにならないことが多いです。
 以下、丸谷才一の文章に基づく。


 平信範の日記「人車記」の保元四年四月二十日に、
 「平治。平の字の上に在る年号無きの由、之を申さる。また兵革ありと云々......」
 この日に改元の会議があり、「平治」が提案されました。
 「平」の字を上に置いた年号は先例がなく、日本が範とする中国の歴史上にもなかったようです。また、兵革ありと言われたのは、「承平」に平将門の乱、藤原純友の乱があり、「康平」に前九年の役があり、「平」という字は物騒なことに繋がる、という反対意見があったようです。

 結局、新年号は「平治」と決まりましたが、平治元年12月に「平治の乱」が発生し、ほら、見たことか、とまたすぐ改元されてしまいました。

 大地震に長引く不景気、これは昔の人なら、元号の悪さのせいにして、改元をと騒ぎ出すかも知れません。

コメント

_ 花うさぎ ― 2012-08-03 09:06:53

平成に年号が変わった時に、それについて意見をもとめられた人が「なんだかパッションが感じられない年号だ」と言っているのをテレビで見ました。
ずっと下り坂の平成になりました。それも穏やかな下り坂ではなくて、景気が一気に落ち込んだり、2度の超大型地震があったり、とんでもないことになりました。
考えてみれば、昭和も実に哀しいできごとが何度も起こっているわけですが、やはり違うのは、平成では物事に直面した時に「パッション」がなくなったことですね。
海外に賞賛されるほど、災害にあっても聞き分けも行儀もよい日本人というのは、言葉を換えればパッションのない人たちということかもしれません。

まあ、昨日、シャープの巨額の赤字のニュースがありましたが、何だか経済はもう一段落ち込みそうですね。
それにともなってまたどれだけの悲しみが世の中にもたらされるのだろうとか、これから世の中に巣立っていく子どもの将来はどうなるのだろうとか、いろいろなことを思うと、目の前が暗くなります。

_ T.Fujimoto ― 2012-08-07 06:55:08

花うさぎさん、おはようございます。
平成は、語呂から「平静」を思い出され、確かにパッションはあまり感じられず、夕陽国らしく緩やかな下り坂を求めるように思えました。天災人禍のせいで、仰るとおり、それすら叶わず、とんでもないことになっているかも知れません。
シャープの巨額赤字は、しかしそういうものあろう、という感じで、必ずしもマクロ経済全体を表しているわけでもないと私は思います。実際、第一四半期のトヨタは好決算だと言うし、ファナック、日立、コマツなど日本の製造業を引っ張る企業も堅調です。
今年になって、米国のコダックがその百数十年の歴史の終焉を告げました。先駆的な技術と革新的なマーケティングで知られていた、いまのグーグルみたいな会社ですが、盛衰は常にあるものです。株式会社は株主の利益を追求することが目的であるなら、潮時を感じたら早めに暖簾を畳むのも悪くないと思います。日本では、再就職がまだポピュラーではなく、会社は従業員のためにあるようにしているかも知れませんが。
破壊的、革新的なイノベーションを生み出す企業はなぜかベンチャーに多く、歴史や伝統などないほうが良いかと思うときがあります。

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