酔っ払いのニュース斜め読み ― 2012-02-13 21:56:50
○ 「遊水地登録推進を ラムサール条約 栃木市議会が意見書」(http://www.shimotsuke.co.jp/news/tochigi/politics/news/20120210/719041)
ラムサール条約は、水鳥を食物連鎖の頂点とする湿地の生態系を守る目的で締結される、湿地の保存に関する国際条約です。
ここの「遊水地」とは、渡良瀬遊水地です。
人によっては、谷中村、足尾鉱毒事件、もしくは田中正造翁を思い出すかも知れません。
日本には自然資源が少なく、資源小国だとよく言われていますが、佐渡金山、石見銀山を挙げるまでもなく、昔は金も銀もたくさん産出しました。掘り尽くしただけかも知れませんが、足尾銅山が日本最大の鉱山だった頃、銅は日本の主要輸出品のひとつでした。しかし、鉱毒ガスや排水により、日本初とも言えるかも知れない大規模な公害、環境問題が引き起こされました。
その環境問題をテーマに、大企業と国家権力を相手に、田中正造が生涯戦ったことは、忘れるべきことではありません。また、政治が腐敗しているニュースを聞くと、正造あらば、と考えてしまうときも再三ではありません。
しかし、小学生の子供に聞いてみると、田中正造は知らないそうです。いまの学校では取り上げていないかも知れません。
○ 「日本のようにはならない」 少子化対処で移民受け入れ継続 シンガポール」(http://sankei.jp.msn.com/world/news/120209/asi12020908460001-n1.htm)
1990年代のバブル崩壊後の不況を克服できず、政治経済全般が停滞したことを、日本の失われた10年、20年だと言われています。日本のようにならない、と反面教師の如く使われている例が多いですが、今度は少子高齢化社会にまっしぐらの件で引き合いに出されました。
日本だって少子化担当大臣が任命され、さまざまな対策が検討されているはずです。しかしどうも国内でも、少子化の流れは止められず、超高齢化社会に向かって日本は歩むことになるだろう、という論調です。
なにしろ社会保障問題も根本がここにあり、この国の将来を展望したうえ、少子化対策は重要です。見通しがないなら、移民を許し、推進する政策を考えるのも一案です。移民政策と言っても、上がっている話を眺める限り、大きく2通りあるようです。「金持ちの外国の年配者、老後を日本で暮らしてもらおう」という案と、「若くて才能のある人を、日本の社会の働き手に担ってもらう」という考えです。安心、安全に暮らせる社会であったり、将来が展望できる公平な社会であったり、条件はいろいろありますが、いずれにしても日本が魅力的な国、地域である必要はありましょう。
「日本は移民を望んでおらず、日本人が集まる均質社会だ」と指摘され、そのために「日本は人口減少の代償を払っており、若年人口の減少で、自動車やコンピューターなどの商品の売り上げが落ち込んでいる」という話ですが、確かに日本には美しい斜陽国を歩む道が残されています。それはそれでひとつの見識ではあります。国の進む方向を決める重要なことなので、みんなで認識を合わせ、どっちにしても準備は必要なのでしょうね。
ラムサール条約は、水鳥を食物連鎖の頂点とする湿地の生態系を守る目的で締結される、湿地の保存に関する国際条約です。
ここの「遊水地」とは、渡良瀬遊水地です。
人によっては、谷中村、足尾鉱毒事件、もしくは田中正造翁を思い出すかも知れません。
日本には自然資源が少なく、資源小国だとよく言われていますが、佐渡金山、石見銀山を挙げるまでもなく、昔は金も銀もたくさん産出しました。掘り尽くしただけかも知れませんが、足尾銅山が日本最大の鉱山だった頃、銅は日本の主要輸出品のひとつでした。しかし、鉱毒ガスや排水により、日本初とも言えるかも知れない大規模な公害、環境問題が引き起こされました。
その環境問題をテーマに、大企業と国家権力を相手に、田中正造が生涯戦ったことは、忘れるべきことではありません。また、政治が腐敗しているニュースを聞くと、正造あらば、と考えてしまうときも再三ではありません。
しかし、小学生の子供に聞いてみると、田中正造は知らないそうです。いまの学校では取り上げていないかも知れません。
○ 「日本のようにはならない」 少子化対処で移民受け入れ継続 シンガポール」(http://sankei.jp.msn.com/world/news/120209/asi12020908460001-n1.htm)
1990年代のバブル崩壊後の不況を克服できず、政治経済全般が停滞したことを、日本の失われた10年、20年だと言われています。日本のようにならない、と反面教師の如く使われている例が多いですが、今度は少子高齢化社会にまっしぐらの件で引き合いに出されました。
日本だって少子化担当大臣が任命され、さまざまな対策が検討されているはずです。しかしどうも国内でも、少子化の流れは止められず、超高齢化社会に向かって日本は歩むことになるだろう、という論調です。
なにしろ社会保障問題も根本がここにあり、この国の将来を展望したうえ、少子化対策は重要です。見通しがないなら、移民を許し、推進する政策を考えるのも一案です。移民政策と言っても、上がっている話を眺める限り、大きく2通りあるようです。「金持ちの外国の年配者、老後を日本で暮らしてもらおう」という案と、「若くて才能のある人を、日本の社会の働き手に担ってもらう」という考えです。安心、安全に暮らせる社会であったり、将来が展望できる公平な社会であったり、条件はいろいろありますが、いずれにしても日本が魅力的な国、地域である必要はありましょう。
「日本は移民を望んでおらず、日本人が集まる均質社会だ」と指摘され、そのために「日本は人口減少の代償を払っており、若年人口の減少で、自動車やコンピューターなどの商品の売り上げが落ち込んでいる」という話ですが、確かに日本には美しい斜陽国を歩む道が残されています。それはそれでひとつの見識ではあります。国の進む方向を決める重要なことなので、みんなで認識を合わせ、どっちにしても準備は必要なのでしょうね。
コメント
_ 花うさぎ ― 2012-02-13 17:34:56
_ T.Fujimoto ― 2012-02-16 07:57:18
花うさぎさん、シンガポール自体、東南系のイメージがしますけどね(笑)
僕が住んでいた頃にはいなかったのですが、台湾はその後も「外労」を限定的に開放し、フィリピンやベトナムから家政婦などで働きに行った人が増えたようです。但し、あくまでも比較的に安い外国人労働者を求めるための一時的な入国許可だったようで、移民政策を取っているわけではないです。
本来は、物を作れる人が作り、絵を描ける人が描き、歌を歌える人が歌えばよくて、職業に貴賎はなく、誰もが社会的な地位を認め合い、働く分にちゃんと見合った賃金体系になっていれば良いと思っています。実際、本来自分たちがすべきゴミも始末も、ほとんどプロの業者が受け持っていますよね。
移民政策を取るのがベターかどうかわかりませんが、その方向で行くなら、実行できそう案として、日本の学校で一定年間学べた人たちに優先的に日本国籍を選択できるようにするのはどうかな、と考えています。
僕が住んでいた頃にはいなかったのですが、台湾はその後も「外労」を限定的に開放し、フィリピンやベトナムから家政婦などで働きに行った人が増えたようです。但し、あくまでも比較的に安い外国人労働者を求めるための一時的な入国許可だったようで、移民政策を取っているわけではないです。
本来は、物を作れる人が作り、絵を描ける人が描き、歌を歌える人が歌えばよくて、職業に貴賎はなく、誰もが社会的な地位を認め合い、働く分にちゃんと見合った賃金体系になっていれば良いと思っています。実際、本来自分たちがすべきゴミも始末も、ほとんどプロの業者が受け持っていますよね。
移民政策を取るのがベターかどうかわかりませんが、その方向で行くなら、実行できそう案として、日本の学校で一定年間学べた人たちに優先的に日本国籍を選択できるようにするのはどうかな、と考えています。
_ 花うさぎ ― 2012-02-18 23:01:35
移民政策とはまったく逆の方向の話になりますが…。
つい最近、Fujimotoさんのブログにコメントした時には、TPP賛成みたいな意見を書いたのですが、その後「グローバル恐慌の真相」という本を読んだところ、あっという間にいとも簡単に、私は「TPP反対派」になってしまいました。
本当に鎖国してしまって、物を作れる人が作り、絵を描ける人が描き、歌を歌える人が歌う単純な経済を国内で回す小さな日本の中で生きていければ、もしかしたら、そちらのほうが、グローバル経済でもみくちゃにされるよりはよいのかもしれないと思ったりしています。
つい最近、Fujimotoさんのブログにコメントした時には、TPP賛成みたいな意見を書いたのですが、その後「グローバル恐慌の真相」という本を読んだところ、あっという間にいとも簡単に、私は「TPP反対派」になってしまいました。
本当に鎖国してしまって、物を作れる人が作り、絵を描ける人が描き、歌を歌える人が歌う単純な経済を国内で回す小さな日本の中で生きていければ、もしかしたら、そちらのほうが、グローバル経済でもみくちゃにされるよりはよいのかもしれないと思ったりしています。
_ ゑこう ― 2012-02-19 09:01:22
「美しい斜陽国を歩む道」というのは、地球規模で見ても意外と正しい道なのかもしれませんね。エネルギー供給にしても食糧にしても、現在の人口膨張をいつまでも支えきれるわけがありません。まぁ、せめてもの救いは、生きてるウチは小島某的に「そんなの関係ない」というセリフを口に出来ることくらいでしょうか。
先行して日本が実践出来るとしたら、なかなか先進性の高い国なれるのだと思います。
でも、消費生活のパラダイムの切替が前提でしょうし、その苦痛に自分も含めて、耐えられるかどうか。。。無理のような気がします、やっぱり。。☆ゑ
先行して日本が実践出来るとしたら、なかなか先進性の高い国なれるのだと思います。
でも、消費生活のパラダイムの切替が前提でしょうし、その苦痛に自分も含めて、耐えられるかどうか。。。無理のような気がします、やっぱり。。☆ゑ
_ T.Fujimoto ― 2012-02-20 23:34:53
To: 花うさぎ様
完全な鎖国はもうはや無理でしょうが、極力に外乱を排し、日本のなかで小さく、比較的単純な経済圏を営むことはもしかして可能かも知れません。
花うさぎさんが書かれたように、牛肉もサクランボも、ふたたび庶民に手が届かない存在になるかも知れませんが。
個人的には、グローバル経済よりも日本の経済状況が大事で、日本の経済よりも小田原の経済状況が大事で、小田原の経済よりも我が家の経済状況が大事です(笑)
但し、可能であればですが、自分だけが幸せになるのではなく、親戚や友人にも幸せになってほしいです。さらに可能であれば、親戚や友人でないほかの日本人、日本人でないほかの地球人も、一緒に幸せになってほしいものです。
完全な鎖国はもうはや無理でしょうが、極力に外乱を排し、日本のなかで小さく、比較的単純な経済圏を営むことはもしかして可能かも知れません。
花うさぎさんが書かれたように、牛肉もサクランボも、ふたたび庶民に手が届かない存在になるかも知れませんが。
個人的には、グローバル経済よりも日本の経済状況が大事で、日本の経済よりも小田原の経済状況が大事で、小田原の経済よりも我が家の経済状況が大事です(笑)
但し、可能であればですが、自分だけが幸せになるのではなく、親戚や友人にも幸せになってほしいです。さらに可能であれば、親戚や友人でないほかの日本人、日本人でないほかの地球人も、一緒に幸せになってほしいものです。
_ T.Fujimoto ― 2012-02-20 23:58:44
To: ゑこう様
確かに仰る通り、地球規模的に、エネルギー供給にしても食糧にしても、限界があるのは間違いないです。しかし、その限界がどこにあるかは明確でなく、百年以上も前から警鐘を鳴らされながら、人類は工夫して快適な暮らしを求めてきました。
さらに大林辰蔵の著書などを読むと、人口はこれからも増える、だから宇宙に住もう、という論理です。月からスペースコロニーに向かって岩石を運び(投げる)、ただで使い放題の太陽エネルギーで食料を生産するとか、いや、古より続いている人類の移住(拡散)の歴史は、いつ終わりを見るか、なかなかわかりませんね(笑)
確かに仰る通り、地球規模的に、エネルギー供給にしても食糧にしても、限界があるのは間違いないです。しかし、その限界がどこにあるかは明確でなく、百年以上も前から警鐘を鳴らされながら、人類は工夫して快適な暮らしを求めてきました。
さらに大林辰蔵の著書などを読むと、人口はこれからも増える、だから宇宙に住もう、という論理です。月からスペースコロニーに向かって岩石を運び(投げる)、ただで使い放題の太陽エネルギーで食料を生産するとか、いや、古より続いている人類の移住(拡散)の歴史は、いつ終わりを見るか、なかなかわかりませんね(笑)
コメントをどうぞ
※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。
トラックバック
このエントリのトラックバックURL: http://tbbird.asablo.jp/blog/2012/02/12/6331384/tb
※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。
どの家の共働きで、東南系の人(?)がメイドとして働いている。
町を歩いている時に見る下働きの人たちも、メイドと同じような人種の人たちのようでした。
せっかく、世界史的な進歩として(先日も映画「アメイジング・グレイス」を見て、感動したばかりです)、人種や民族による偏見や身分の差などを克服してきたのに、ああいう世の中に日本がなってよいのかと思ったりします。
私自身は、家の中にメイドを置いたりして、本来自分たちがすべき始末や下働きを経済的格差のある人にやってもらうのは、ものすごく抵抗があります。
まあ、グローバル経済というものの本質もそういうものかもしれませんが、目の前でその格差を見せつけられるのは、勘弁いただきたいです。