引き続き、美味しさについて ― 2011-09-08 01:19:15
日本人と違って、フランス人の多くも、ぼろぼろして一粒一粒がくっつかないご飯をおいしく感じるそうです。
人間の五官のうち、味覚と嗅覚は、科学物質を受容することによって生じる感覚です。伝達するのに、古い脳である扁桃体や島皮質が使われます。
残る視覚、聴覚、触覚の3つは、それぞれ光、音、圧力や温度と言った物理量を受け取って生じる感覚です。これらの感覚は大脳新皮質で知覚されますが、大脳新皮質は論理的な判断を可能とする部位です。
食することは、主に味覚と嗅覚を使うと思われますが、決してそれだけではなく、見た目や歯触り、舌触りと言った食感も重要なのです。
米を粥状にして機械で測定した結果では、オーストラリア米ほどではないものの、アメリカ産米よりは、タイ米のほうが日本国内産の米に近いそうです。
しかし白飯の場合、味への貢献度で、味や香りは合わせても40%以下だと研究者は言います。見た目とテクチャ(歯触り、舌触り)が重要になっているようです。人はまさに五官を総動員して食を楽しみます。
粘菌変形体などの単細胞生物も、毒となる物質から逃れ、栄養となる物質に進んで摂取します。しかも研究によれば、遺伝子で決まる好みもあれば、後天的な好き嫌いもあるようです。
人間の感じる美味しさは、当然ながら、単細胞生物よりはるかに複雑です。
「甘み」は糖分から生じ、人間に必要なエネルギー源を意味するので、生理的な欲求に合致した美味しさだと言えましょう。
しかし本来「酸っぱさ」は食物の腐敗に気づくために、「苦み」は危険(毒)を避けるために、知覚できるように人類が身に着けた能力だそうです。なぜ人は本来避けるべき食べ物の酸味や苦さをも楽しめるようになったのでしょうか?
例えばコーヒーはどうでしょうか。飲んだ後のすっきり感が脳に記憶されたため、その苦さも心地よく受け入れられるようになったかも知れません。味覚と嗅覚だけでないのは当然、経験や知識など、ここには五官以外の判断も含まれる可能性があります。( もちろんコーヒーには酸味や旨みと言った、苦味以外の味覚も備えていますが )
「感性の起源」(都甲潔、中公新書)を読むと、京都大学の伏木亨教授は、美味しさの要因を以下の4種類に分けてまとめているそうです。
(1)生理的な欲求に合致した美味しさ。
(2)文化に合致した美味しさ。
(3)情報がリードする美味しさ。
(4)偶然に発見した食材による薬理的な美味しさ。
「文化に合致した美味しさ」というのは、伝統や習慣に合致した食の安心、同一文化を共有する仲間たちと共有する幸福感だそうです。
「情報がリードする美味しさ。」というのは、口コミやテレビ、新聞、雑誌の宣伝に、美味しいかの判断が左右されうる、という意味なのでしょう。
お米に対する好みの違いもそうですが、単純な生理的な要求だけで、美味しいか不味いかを、断じて決められません。
人間の五官のうち、味覚と嗅覚は、科学物質を受容することによって生じる感覚です。伝達するのに、古い脳である扁桃体や島皮質が使われます。
残る視覚、聴覚、触覚の3つは、それぞれ光、音、圧力や温度と言った物理量を受け取って生じる感覚です。これらの感覚は大脳新皮質で知覚されますが、大脳新皮質は論理的な判断を可能とする部位です。
食することは、主に味覚と嗅覚を使うと思われますが、決してそれだけではなく、見た目や歯触り、舌触りと言った食感も重要なのです。
米を粥状にして機械で測定した結果では、オーストラリア米ほどではないものの、アメリカ産米よりは、タイ米のほうが日本国内産の米に近いそうです。
しかし白飯の場合、味への貢献度で、味や香りは合わせても40%以下だと研究者は言います。見た目とテクチャ(歯触り、舌触り)が重要になっているようです。人はまさに五官を総動員して食を楽しみます。
粘菌変形体などの単細胞生物も、毒となる物質から逃れ、栄養となる物質に進んで摂取します。しかも研究によれば、遺伝子で決まる好みもあれば、後天的な好き嫌いもあるようです。
人間の感じる美味しさは、当然ながら、単細胞生物よりはるかに複雑です。
「甘み」は糖分から生じ、人間に必要なエネルギー源を意味するので、生理的な欲求に合致した美味しさだと言えましょう。
しかし本来「酸っぱさ」は食物の腐敗に気づくために、「苦み」は危険(毒)を避けるために、知覚できるように人類が身に着けた能力だそうです。なぜ人は本来避けるべき食べ物の酸味や苦さをも楽しめるようになったのでしょうか?
例えばコーヒーはどうでしょうか。飲んだ後のすっきり感が脳に記憶されたため、その苦さも心地よく受け入れられるようになったかも知れません。味覚と嗅覚だけでないのは当然、経験や知識など、ここには五官以外の判断も含まれる可能性があります。( もちろんコーヒーには酸味や旨みと言った、苦味以外の味覚も備えていますが )
「感性の起源」(都甲潔、中公新書)を読むと、京都大学の伏木亨教授は、美味しさの要因を以下の4種類に分けてまとめているそうです。
(1)生理的な欲求に合致した美味しさ。
(2)文化に合致した美味しさ。
(3)情報がリードする美味しさ。
(4)偶然に発見した食材による薬理的な美味しさ。
「文化に合致した美味しさ」というのは、伝統や習慣に合致した食の安心、同一文化を共有する仲間たちと共有する幸福感だそうです。
「情報がリードする美味しさ。」というのは、口コミやテレビ、新聞、雑誌の宣伝に、美味しいかの判断が左右されうる、という意味なのでしょう。
お米に対する好みの違いもそうですが、単純な生理的な要求だけで、美味しいか不味いかを、断じて決められません。
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