気象学、生気象学2009-03-11 22:54:22

 人の気分や心情を天気に喩えるのは、昔から使われている表現方式です。
 逆もあります。「生気象学」です。
 「大気の物理的、化学的環境条件が人間・動物・植物に及ぼす直接、間接の影響を研究する学問」というのがその定義です。


 元々気象学(meteorology)、少なくともアリストテレスが初めてこの言葉を使った紀元前330年前では、「空中にあるものども(meteor)」のすべてに関する学問でした。

 日本気象協会北海道支社が、通常の天気予報でフェーン現象が起こることを予報したあと、このフェーン現象のために「車の運転や、夫婦げんかに注意を」といったコメントをつけ加えたことで話題を集めていましたが、晴天の日に気分が軽やかになり、雨の日には滅入った気分になりがちなのは、なにも心理的な要素ばかりではない、ということです。


 ライアル・ワトソンの「風の博物誌」によると、「フェーンの吹く日はいつになく見通しが良く、空気は清浄で鋼鉄のような稜線のアルプスがくっきりと近くに見える。だが植物はしおれるし、動物は足元がおぼつかなくなり、人びとは不機嫌で無愛想になる」。

 また、北米はカリフォルニアのネバダ山脈から吹く強風「サンタアナ」も悪評が高いです。いつもは43パーセントぐらいの湿度が15パーセント以下に急落し、静電気がたまり、不自然な不祥事が増えると言われています。信用できるデータを持っているわけではありませんが、殺人と悪質な暴力事件が増加する、との統計情報もあるそうです。