続・物の数え方2009-01-13 23:50:15

 先日、物の数え方が難しいと嘆いていました(http://tbbird.asablo.jp/blog/2009/01/12/4054227)が、お世話になった方々からいくつか反響がありました。


 前回とは角度が違いますが、家に置いてある二十数年前の古い雑誌には、こんな文章が載っています:

 「男はつらいよ」シリーズの「翔んでる寅次郎」を見ていたら、結婚式場の会話に、「きょうはもう五組(ゴクミ)もあって......」というセリフが出てきた。
 的確な風俗描写を見せる山田洋次監督のことだから、いかにも、いまの人の言いそうな言い方を、意識的に使ってみたのかと思う。
 「五組」はもともと「イツクミ」とよんだ。ヒトクミ、フタクミ、ミクミ......の系列であることは言うまでもない。



 たぶんいまでは「イツクミ」と言ったほうが怪訝され、「二組」が「ニクミ」と読まれてもあまり違和感がないぐらいです。和語の数詞が、あまり使われなくなってきたせいかと思います。

 家を数えるのに、一戸、二戸はイッコ、ニコで問題はないですが、一棟、二棟なら、本来はヒトムネ、フタムネであるはずです。
 それがいまやこちらも、イットウ、ニトウ......にすり変わってきたような気がします。

 言葉は生き物なので、変わるのは仕方ないと思います。
 ただ「お月様いくつ、十三七つ」と歌っても、一つ、二つ......の感覚が薄れては、意味さえわからなくなりそうで、それはそれで悲しいような気もします。

コメント

_ 花子ママ ― 2009-01-17 09:22:02

たしかに「五組(いつくみ)」もあって・・」では、itukumi mo atte と耳には入ってくるのでピンと来ないでしょうね。でも「二組のカップル」と言う場合は nikumi よりfutakumi のほうが聞き易いし。 ニクミ、だと学校のクラスを想像してしまう。暮らしの中で読み方が変わってきたのかな?
遅ればせながら、こちらをリンクさせて頂きました。

_ T.Fujimoto ― 2009-01-17 10:07:30

花子ママさん、おはようございます。
確かに、暮らしの中で言葉は移り変わっていますよね。
まあ、耳に入ってピンと来るかどうか、慣れの問題かも知れませんが、確かに「イツクミ」とはあまり読まなくなったのですね。ひとり、ふたり、その次ぎも、みったりではなく、普通は「サンニン」になっていますよね。

_ 花子ママ ― 2009-01-18 12:23:54

そういえば、母が「今日の集まりは ヨッタリしか来なかった。」とか言ってましたね。私は小さい頃から耳にしていたので 四人のこと、と咄嗟に理解できるけどウチの息子達に使って果たして通じるんだろうか。今、ふいに母のヨッタリ(四人)を思い出しました。

_ T.Fujimoto ― 2009-01-20 07:43:27

花子ママさん、ミッタリ、ヨッタリと数えるのはたまに聞きますが、確かに若い方だとピンと来ないかも知れませんね。
このような古風な言い方も、なんか良いと思いますけどね。

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