物の数え方2009-01-12 14:09:21

 家の人が、台湾の小一の前期で使われている「国語」の教科書を手に入れ、子供に読ませようとしています。

  摺個小球拍一拍
  摺件衣服身上穿
  摺艘小船水上漂
  摺架飛機天上飛
  摺朶小花送媽媽

 教科書に出ている「折り紙」の話ですが、漢字の数が日本の比でないのは当然として、内容もなんとなく難しいです。後期には、例の「春眠不覚暁」の漢詩が出ており、それを小一の子供に読ませようとしているぐらいです。

 何に難儀しているかというと、物を数える単位です。
 一「個」小球、一「件」衣服、一「艘」小船、一「架」飛機に、一「朶」小花。


 まあ、物の数え方は、中国語に限らず、日本語でもやはり難しいです。
 某アナウンサーが初めての競馬中継で、「向こう正面、XXXXXが逃げて、あとに馬が3『匹』並んでいる......」としゃべって、大いに笑われたと、あとで振り返ったのをテレビで見ました。

 馬は、中国語なら3「匹」で良いですが、日本語では一般的に「頭」を使い、「匹」は小動物だけに限定しています。
 が、ウサギは「匹」ではなく、鳥のように「羽」で数えます。なるほど、骨格を見ると、ウサギはなんとなく鳥類に近いですが。

 着物は一枚、帯は一筋、僧侶の袈裟は一領で、数珠は一具または一連。
 遺骨は一体、神は一柱、神社は一社または一座。
 佃煮は一折りまたは一曲げ、水アメも一曲げ、もしくは一壺。じゃ、壺も一壺かというと一口だそうです。
 椅子は一脚、たんすは一棹、ふすまは一領または一枚。正月の松飾りは一門、二門で数えるのを知っている人は少なそう......

 字は一字、句は一句、人は一人、では本は?と子供に聞いたら、「一本」ですって。
 苦笑いしながらそう言った人がいましたが、実は「一本」は間違いではありません。本は形によって、いろいろな数え方があるようです。

コメント

_ sharon ― 2009-01-12 16:36:57

「量词」難しいですね。

从前有一座山,
山里一座庙,
庙里有一棵树,
树下有一个洞,
洞里坐一位老和尚,
讲故事。
讲什么故事呢?

从前有一座山。。。。。。。
また先頭から繰り返す

_ why ― 2009-01-12 19:24:40

ものの数え方、面白いですね。小学生だった頃、友達が牛を数える時、一頭牛なのか、一条牛なのかいつも悩むよね、と言っていたのを思い出しました。もう、30年近くも前のことですね。トホホ。

日本語で、カニは一杯、家具は一棹と数えると知ったときは目から鱗でした。
ご存知かもしれませんが、少し前に、飯田朝子さんという方が『数え方の辞典』を出したことで、ちょっとした話題になりました。かなり豊富にデータを集めたそうです。てっきり買ってあると思って、先ほど探してみたら、ありませんでした。持っていなかったんですね。どれだけ積読しているかよく分かりました。

_ frenchtoast ― 2009-01-12 23:22:49

僧侶の袈裟の数え方なんて、初めて知りました。数え方をマスターするのは、容易なことではなさそうですね。
話は変わりますが、ブログを引越しました。勝手にFujimotoさんのブログにリンクを登録してしまいました。事後報告となり申し訳ありません。今後とも宜しくお願いします。

_ 花うさぎ ― 2009-01-13 09:17:43

量詞の読み方も難しいですね。「いっぽん、にほん、さんぼん、よんほん、ごほん、ろっぽん…」。
「いっぴき、にひき、さんびき、よんひき、ごひき、ろっぴき…」。
どういう時に、濁音がついて、どういうときに「促音+半濁音」になるのかって、説明してほしいと夫に言われたことがありますが、説明できませんでした。

_ 花子ママ ― 2009-01-13 09:39:49

ものの数え方には‘奥秘’を感じますね。
先日、ラジオ講座で犬の量詞を(条)だけでなく(只)も・・・
と講師が説明されていて、「条一筋」だった私はとっても
驚きました。競馬アナを笑えません私です。

_ T.Fujimoto ― 2009-01-13 23:15:05

sharonさん、仰る通りで「量詞」は本当に難しいです。
一座山、一棵樹、一叢草、一塊地、一把泥土。
一句話、一首歌、一張画、一齣戯、一樁案件。
一頭牛、一匹馬、一隻狗、一尾魚、一條泥鰍。
一双鞋、一件新衣、一頂帽子、一門親事...
わお、いくらでも出てきそう。いったい何種類あるのでしょうか?

_ T.Fujimoto ― 2009-01-13 23:31:03

frenchtoastさん、本当に数え方をマスターするのは難しいですね。
ちょうど昨晩のテレビ番組で、物を数えるクイズがありましたが、案外だれもがそれほど精通していないようで、ちょっと安心しました (笑)

外部リンクに登録して頂き、ありがとうございます。
ただ、ここではリンクを張るのが難しくて、手抜きしています。相互リンクとはならなくて、すみません m(_._)m

_ T.Fujimoto ― 2009-01-13 23:35:01

花うさぎさん、本当に読み方も大変ですね。
きっとルールがあるかと思いますが、僕は説明できないどころか、かなり適当に読んだりします......トホホ

_ T.Fujimoto ― 2009-01-13 23:42:58

whyさん、結局は一頭牛なのか、それとも一条牛なのでしょうか?(笑)

「数え方の辞典」なる書物が出ているのですね。教えて頂き、ありがとうございます。
知らなかったが、これぐらい複雑な学問?ですから、一冊の本になってもおかしくないとは思いますね。

_ T.Fujimoto ― 2009-01-13 23:46:16

花子ママさん、「奥秘」だと言ってもいいかも知れません。
一体全体何種類あって、どのように使い分け、なぜそう使うかは、本当に謎だらけで難しいですね。
競馬アナは、僕も笑えません。(笑ってましたが...)

_ 花うさぎ ― 2009-01-14 08:09:06

「一頭牛」か、「一条牛」か、と言われれば、私の場合、即座に「一頭牛」と答えてしまいます。
だって、日本で中国語を習う場合、そういうふうにテキストに書いてあるから。
かえって、ネイティブの人たちのほうが、迷うものなのですね。逆に、本当はネイティブの人が迷うなら、どちらでもよいのかもしれませんね。

_ T.Fujimoto ― 2009-01-16 07:49:24

花うさぎさん、ちゃんとした文章なら、僕も「一頭牛」だと思います。
ただ、「一条鹿」「一条馬」がまったく通じないのに、「一条牛」はあまり違和感がないので、なんかの理由や典故があるのではないかとも思えますね。

_ dragonfly ― 2009-02-11 00:10:19

ちょうど先週、「あります/います」と助数詞を教えたところです。
日本語では、h, fの音のもの(杯、本、匹、分など)は1、3、6、8、10でirregularになる、と説明しますが、ルールが多くて、学生はうへー、でしょう。中国語の量词も難しそう。

ウサギが3羽は「生類憐れみの令」に抵抗するする庶民の知恵だった、という説もあるようですね。1ヶ月遅れのコメントですみません。

_ T.Fujimoto ― 2009-02-12 23:31:35

dragonflyさん、助数詞の読み方は本当にイレギュラーが多くて、僕も大変だなと思います(^^;)

「生類憐れみの令」の話は実におもしろいですが、一羽、二羽と数えるのは徳川綱吉の世からでしょうかね?暇があったら考証してみたいと思います。
ちなみに手元にある奥本大三郎の著書によると、フランスで牛肉と羊肉を売っているのがブツシエー(肉屋)、豚肉を売っているのはシャルキュットリー、兎肉は鶏やアヒルと一緒にヴオライエ(鶏屋)で売っているそうです。

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