【翻訳練習 (中→日)】 徐志摩の詩2008-10-23 00:02:53

 xingさんやwhyさんのコメントから徐志摩を思い出し、その詩作を読み直しました。
 大胆にも試訳を付けました。プロでないゆえ、よほど下手くそでも、詩人からそうきついお咎めがないかと思いたいです。



 偶然   偶然 
.
我是天空裏的一片雲, 私は空に浮かぶ雲、
偶而投影在你的波心; 期せず君の心に映った;
 你不必訝異  驚くことなかれ
 更無須歡喜  喜ぶこともなおなく
在轉瞬間消滅了蹤跡。 瞬く間に跡形も消え去ろう。
.
你我相逢在黑夜的海上, 我らは闇夜のうながみに出会い、
你有你的,我有我的,方向;     君には君の、私には私の、目指す先がある;
你記得也好  覚えていてもよかろう
最好你忘掉  忘れていたらなおよく
在這交會時互放的光芒。 交わったときに互いが激しく放った光を。
.


 闊的海   広い海 
.
闊的海空的天我不需要, 広い海際なき空を私は欲せず、
我也不想放一只巨大的紙鷂 四面八方の風を弄ぶために、
上天去捉弄四面八方的風; 大きな紙鳶を放つつもりもない。
我只要一分鐘 ほしいのはほんの一分間
我只要一點光 ほしいのは一筋の光
我只要一條縫, ほしいのは僅かな隙間、
像一個小孩子爬伏在一間暗屋的窗前 子供のように暗い部屋の窓辺にあごを乗せ
望著西天邊不死的一條縫, 覗いているのは西の空とわに到る僅かな隙間、
一點光,一分鐘。 一筋の光、ほんの一分間。
.


 殘詩   殘す詩 
怨誰? 怨むか?
怨誰? だれを?
這不是青天里打雷? 青天の霹靂じゃなかろうか?
關著; 閉めよう;
鎖上; 鍵もかける;
趕明兒瓷花磚上堆灰! あしたになったらタイルには塵だらけ!
別瞧這白石台階光滑, 石段がすべすべだと思うな、
趕明兒, あしたになったら、
唉,石縫里長草, はぁ、隙間にも草が生え、
石板上青青的全是莓! しげしげと苔だらけになるさ!
那廊下的青玉缸里養著魚真鳳尾, 廊下のかめにはあのひれ長の金魚も、
可還有誰給換水, だれが水を替えてくれる、
誰給撈草,誰給喂! だれが草を掬う、だれかよ!
要不了三五天準翻著白肚鼓著眼, 幾日もしないうちに息が絶えてしまおう、
不浮著死,也就讓冰分兒壓一個扁! 死んで浮かんでくるか、でなきゃ氷でペシャンコだ!
頂可憐是那幾個紅嘴綠毛的鸚哥, 一等可哀そうなのはあの赤いくちばしのおうむ、
讓娘娘教得頂乖, 奥さまにあれだけ教えられ、
會跟著洞簫唱歌, 縦笛にハモって歌えたり、
真嬌養慣,喂食一遲, ご飯がちょいっと遅れるだけで、
就叫人名兒罵。 名指しで怒るのに。
現在,您叫去! いまじゃ、呼んでみな!
就剩空院子給您答話...... 答えてあげるのは空っぽの庭ばかりだ......
.

コメント

_ danmei ― 2008-10-23 23:32:10

徐志摩、好きな詩人です。
翻訳、勉強になりました。

彼の「再別康橋」がとても有名ですね。

軽軽的我走了, 正如我軽軽的来。
。。。。。。。

_ T.Fujimoto ― 2008-10-25 02:43:02

danmeiさん、徐志摩はお気に入りですか?
「再別康橋」はいいですね。
日本語訳は遊びなのでどうでもいいですが、本当は、徐志摩の詩作の多く、いや、この時代の「新詩」全般がそうで、ちょっと苦手なところがあります。 (取り上げていて言うのもなんなんですが)

考え方が古いだけなのでしょうが、「詩」の言語はもっと「精簡」「濃縮」されるものだと思い込んでいます。じっくり考えて味わう前に、あまりはっきりと全部言われてしまうと、なんだか読み手としての想像空間が限られてしまうような気もしてしまいます。

_ xing ― 2008-10-27 20:50:21

徐志摩の詩をちゃんと読んだことがないのですが、なんとなく、あの時代の目覚めかけた女性の心を動かすような甘~い、感じがします。時にはそんな詩もいいな、と。

_ T.Fujimoto ― 2008-10-28 23:03:12

xingさん、こんばんは。
甘いのはやや苦手ですが、たまには良いと思いますね。確かに。

_ ジュン ― 2008-11-19 18:22:46

fujimotoさんへ
徐志摩の詩が大好きです。
いま学校の発表で紹介したいですけど、日本語はまたうまくないです。
もしよかったら、私にメールしますか??

_ T.Fujimoto ― 2008-11-20 23:14:53

ジュンさん、はじめまして。(ですよね?)
徐志摩の詩を学校で発表される、ということは、留学生の方でしょうか?
メールは、別に問題はあるわけではないですが、宛先がわからないから無理ですね (^^;)

_ ジュン ― 2008-11-21 00:42:12

Fujimotoさん、はじめまして。
そうですね、留学生です。:p
「偶然」という詩は友達のおかけで、翻訳しました。
Fujimotoさんの翻訳を見たれ、うちらの翻訳は本当に恥ずかしかったです。
メールはpatricia_1283@hotmail.comです。
ご迷惑をかけて、すみません。
でも、メールを楽しみします。
ありがとうございます。
Thank you.(^_^)

_ T.Fujimoto ― 2008-11-22 00:12:35

ジュンさん、こんばんは。
褒められるほどよく推敲された訳文ではありませんが、これでも喜んで頂ければうれしいです。

_ huang ― 2008-12-06 02:58:03

とても上手に翻訳してます、
見直しました^^

_ T.Fujimoto ― 2008-12-08 11:24:58

huangさん、こんにちは。
お褒めの言葉、ありがとうございます。

_ sharon ― 2009-04-11 20:01:33

Fujimotoさん、書くネタがないとおっしゃいましたが、
バイリンガルとして、語学中の体験や笑い話がたくさんあると思うのにな。

_ T.Fujimoto ― 2009-04-12 23:51:26

sharonさん、アドバイスありがとうございます。
笑いのツボがずれているせいか、残念ながら、あまりないです。いままで生きてきた人生の前半と後半で、メインに使う言語が変わるだけで、あまりバイリンガルらしい体験をしていないような気がします... (^^;)

_ ガミ ― 2011-04-04 23:39:32

はじめまして、
2008のブログにコメントしてもいいものかとも思いましたがご容赦ください。
徐志摩で検索してたどりつきました。実は徐志摩の詩で

君を振り向かないで歩いて行け
僕は、君が巻き上げた土埃をみていたいから

といった内容(かなりアバウトです)の詩をご存知ないでしょうか、題名やサイト等をお教えいただければ幸いなのですが、ご一考お願いします。

_ T.Fujimoto ― 2011-04-05 23:46:40

ガミさん、はじめまして。
ちょっと調べてみまして、そっくりそのままの作品は見当たらなかったが、「你去」という詩にだいぶ内容の近い句がありました。

「你先走,我站在此地望着你, / 放軽些脚步,別教灰土揚起, / 我要認清你的遠去的身影, / 直到距離使我認你不分明」 のくだりは、
「先に行け、私はここで君を見ている / 足取り軽く、土埃を上げないで / 君が遠くなる姿を、 / 見えなくなるまで見ていたいから」 と訳せるかも知れませんね。

_ ガミ ― 2011-04-14 22:09:13

Fujimotoさん、ありがとうございます。
まさに、それです。数年前に見かけて惹かれてました。取れなかった棘が抜けたような気がします。

初心者向けの徐志摩について書かれた書籍やサイト等ご存知ないですか?

_ T.Fujimoto ― 2011-04-14 23:04:47

ガミさん、こんばんは。
すみません、僕もあまり詳しくないです。徐志摩の詩選集が手元にありますが、解説がついているものではないので、初心者向けではないかも知れません...

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