【観戦記】PRIDE.32~THE REAL DEAL~ (PPV)2006-10-22 14:03:42

 PRIDE初の海外開催、それが今回のREAL DEAL。UFCを初めとする、アメリカでの既成格闘技団体・イベントを強く意識した大会でした。

第1試合 × ジョーイ・ヴィラセニョール vs ロビー・ローラー ○
 ハイキック一発のあと、跳び膝で秒殺決着となりました。ローラー選手にとっては素晴らしいPRIDEデビューとなりましたが、イベントとしてはややあっけない幕開けとなったように感じました。

第2試合 ○ 中村和裕 vs トラビイス・ガルブレイス ×
 前回のPRIDE GP決勝戦のときは、勝っていながらもひどくブーイングを受けた中村選手の闘い方が気になったが、結果は2ラウンド、グラウンドでのTKO、とりあえずはよかったと思います。比較的に積極的に打撃をしながら、テイクダウンも狙っていました。但し、はっきり言って、ガルブレイスはちょっと格下で、2ラウンド目にはスタミナも切れていました。中村選手は、トップクラスの選手を相手にもこのような闘い方ができるかは、まだわからないと思います。

第3試合 × 西島洋介 vs フィル・バローニ ○
 なんとか西島選手のいいところを生かそうと、DSEもこのところ、エヴァンゲリスタ・サイボーグとこのフィル・バローニ戦を組んだと思います。もちろん、スタンディングでの打撃戦を期待してのカードだと思いますが、サイボーグもバローニも冷静にグラウンドでの闘いを選択しました。だって、そのほうが楽ですから。この試合も同じ、西島はわずかに防御での上達を見せたような気がしますが、結果もアームロックで、アメリカン・バッド・アズが凱旋試合を飾りました。

第4試合 ○ ダン・ヘンダーソン vs ビクトー・ベウフォート ×
 実はこれが今日、唯一判定までももつれた試合でした。しかし、これも内容としてははっきりしていて、ダン・ヘンダーソンの完勝でした。いや、ベウフォートもテクニックがあるところを見せてはいたが、流れは完全なダンヘン・ワールドでした。

第5試合 × ショーン・オヘア vs バタービーン ○
 これも短時間での決着となりました。バタービーンの、ショートレンジでの右フック連打が決まり、マーク・ハントの代役として急遽オファを受けたオヘアはあっさりKOされました。

第6試合 ○ ジョシュ・バーネット vs パウエル・ナツラ ×
 番狂わせを予感させるパウエル・ナツラの奮戦が光り、腰の強いバーネットを強引に倒し、グラウンドでも上位を取っていました。しかし青い目のケンシロウは死んでいなく、攻められながらも一瞬のスキを狙っていました。
 1ラウンドの終わりでも足関節を一度繰り出したが、2ラウンドでもう一回、ナツラが腕を取りに来たところで、アンクルホールドで捕まり、しっかりと逆転勝ちしました。

第7試合 ○ マウリシオ・ショーグン vs ケビン・ランデルマン ×
 ネバタ州ルールで踏み突け攻撃が禁じられたショーグンがどう戦うかが注目されましたが、テイクダウンされると、ジョシュ・バーネット同様に、下から足を抱えて、ヒールホールド、アンクルホールドを攻めました。ランデルマンは根性だけで絶え続けたが、最後ショーグンが完璧なヒザ十字に移行したところでついにタップ。
 ランデルマンの根性も、まあ見事でしたが、やはりほめるべきはマウリシオ・ショーグンの応対能力、強さでしょう。これで完全復活だと見るべきで、今後ミドル級での闘いを続けるか、ヘビー級への挑戦に照準を向けるか、どちらにしても非常に楽しみです。

第8試合 ○ エメリヤーエンコ・ヒョードル vs マーク・コールマン ×
 チャンピオンのヒュードルは久々の試合。タックルの強いコールマンは2004年時の対戦以上に、善戦できるかがポイントでしたが、結論から言うと、やはりヒョードルの強さは相変わらず盤石でした。
 タックルを執拗に狙うマーク・コールマンを交わし、強烈なフック、アッパーを顔面に叩き込む姿はいつものヒョードル。顔面が破壊されながらも耐えに耐え、なんとか一矢報いたい一心で踏ん張るコールマンは、2ラウンドでようやくグラウンドで上になりましたが、前回の対戦時と同じく、ヒョードルは下から十字をあっさりと決めてタップを奪いました。
 次はだれがヒョードルに挑むか、ですが、もちろんトーナメント優勝のミルコが最短距離でしょうが、足の怪我で手術する話が流れています。準優勝のジョッシュも今日の闘いを見ると、試合のしすぎで、ちょっと休みがほしいという感じがあります。案外、ヘビーに転向してのマウリシオ・ショーグンがおもしろいかな、と今日の大会を見て感じました。

 各試合とも順当な結果に終わり、ベガスの賭のほうも、穴は出なかったという感じでしょうか?最後の演出、マーク・コールマンの子供を写し続けるのは、ちょっとやりすぎ、という感もありますが、全体としてはまあまあのイベントだったと思います。

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