良く死ねる日までは、良く生きておきたいもの ― 2012-08-24 23:13:12
ある占星学者が、生命の謎に係る大秘密、すなわち自らの死期の計算に腐心しました。
夜な夜な明け方まで星を眺め、何年も何年も無数の記号や数字を積み重ねました。
彼の計算は着々と進み、目標まであとちょっとのところまで来ました。
しかしある朝、彼の手から筆が落ちました。
もうあと一つだけ寄算をすれば答えが出るのに、なんたる無念でしょうか。
長い歳月が流れ、人知れずに彼は年を取り、孤独と疲労のなかで死を迎えました。
スマイルさんのブログ文(http://todaywesonghands.asablo.jp/blog/2012/08/23/6552608)を読みながら、ジャン・フェリーの物語集「Le Mécanicien et autres contes」(http://www.poin-poin.com/littture-mainmenu-89/822-mecanicien-contes-jean-ferry)のなかから、渋澤龍彦が引用しているもの(「マルジナリア」、福武文庫)を思い出し、ちょっと書き換えてみました。
一度限りの人生は、こういう生き方、この死に方で、はたして良かったのでしょうか?
「死は、前よりしも来らず。かねて後に迫れり。」(徒然草)、本当にいつトントンと肩を叩かれるか、なかなか予想できるものではありません。
近頃、身内の人が急に重い病気を告知され、一層思いが身に沁みましたが、まことに「朝には紅顔ありて、夕には白骨となれる身なり」としか言いようがありません。
残念ですが、しかしやむを得なければならないもののようです。
いま読んでいる林望の「臨終力」(KKベストセラーズ)は、こういう老少不定の人生の本質を達観に直視し、本当に自分がやりたいことをやり、最期まで心を健康に生き、世間への恩返しを考えることを、諄々と説いている良書です。
「自分の生をみつめ、だんだん限られていく自分の生、ひいては人生の終わりをよりよくしたいという思い」と、スマイルさんが書かれたのも、考え方の根本は同じかと、とりあえず捉えてみました。
良い意味の諦念を覚え、人事を尽くす、人のできることは、これぐらいでしょうか。
北冥の鯤鵬や上古の大椿に比べれるとちっぽけですが、朝菌や恵蛄に比べれば、遥かにいろいろできる長い命です。足るを知れば、不足はないかも知れません。
夜な夜な明け方まで星を眺め、何年も何年も無数の記号や数字を積み重ねました。
彼の計算は着々と進み、目標まであとちょっとのところまで来ました。
しかしある朝、彼の手から筆が落ちました。
もうあと一つだけ寄算をすれば答えが出るのに、なんたる無念でしょうか。
長い歳月が流れ、人知れずに彼は年を取り、孤独と疲労のなかで死を迎えました。
スマイルさんのブログ文(http://todaywesonghands.asablo.jp/blog/2012/08/23/6552608)を読みながら、ジャン・フェリーの物語集「Le Mécanicien et autres contes」(http://www.poin-poin.com/littture-mainmenu-89/822-mecanicien-contes-jean-ferry)のなかから、渋澤龍彦が引用しているもの(「マルジナリア」、福武文庫)を思い出し、ちょっと書き換えてみました。
一度限りの人生は、こういう生き方、この死に方で、はたして良かったのでしょうか?
「死は、前よりしも来らず。かねて後に迫れり。」(徒然草)、本当にいつトントンと肩を叩かれるか、なかなか予想できるものではありません。
近頃、身内の人が急に重い病気を告知され、一層思いが身に沁みましたが、まことに「朝には紅顔ありて、夕には白骨となれる身なり」としか言いようがありません。
残念ですが、しかしやむを得なければならないもののようです。
いま読んでいる林望の「臨終力」(KKベストセラーズ)は、こういう老少不定の人生の本質を達観に直視し、本当に自分がやりたいことをやり、最期まで心を健康に生き、世間への恩返しを考えることを、諄々と説いている良書です。
「自分の生をみつめ、だんだん限られていく自分の生、ひいては人生の終わりをよりよくしたいという思い」と、スマイルさんが書かれたのも、考え方の根本は同じかと、とりあえず捉えてみました。
良い意味の諦念を覚え、人事を尽くす、人のできることは、これぐらいでしょうか。
北冥の鯤鵬や上古の大椿に比べれるとちっぽけですが、朝菌や恵蛄に比べれば、遥かにいろいろできる長い命です。足るを知れば、不足はないかも知れません。
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