Googleアース歴史散歩② ~パリの競馬場 ― 2008-02-18 00:38:45
17世紀のフランスは競走馬の生産に関して、イギリスをリードしていたほどでしたが、1789年のフランス革命は競馬に関わる多くの貴族をギロチンに送り、競馬場や牧場を焼き払ってしまいました。
1819年、ルイ18世がシャンドマール競馬場でレースを再開し、パリ市内ではシャン・ド・マルスの練兵場で競馬が行われました。
シャン・ド・マルスの練兵場というのは、いまはエッフェル塔がそびえる、上のパリの航空写真の「①」の場所です。
練兵場の走路はコンディションが悪く、馬にも騎手にも危険が多かったそうです。
ようやく、1834年のシャンティ競馬場完成によりフランス競馬界が本格的に復興してきましたが、シャンティでもパリ市内から60キロ離れ、フランスの馬種改良促進協会はより近くに土地を物色していました。
そこで空き地となったロンシャン修道院の跡地を借り受け、1857年、皇帝臨席の元に華々しく開場したのが、「②」の場所にある有名なロンシャン競馬場です。
フランスのダービーとも呼ばれているジョッキークラブ大賞や、ファッションの華やかさで知名度はジョッキークラブ大賞凌ぐオークス、長い歴史を誇るパリ大賞。そしてなにより、ヨーロッパ古馬最大のレースにして世界で最も格式の高いレースの1つである「凱旋門賞」も、この競馬場で行われています。
さて、ブローニュの森の西にロンシャン競馬場があれば、森の東、「③」の場所にはオートイユ競馬場が位置しています。
1873年に完成されたオートイユ競馬場はたぶん障害レース専用の競馬場であり、共和国大統領賞、スティープルチェース大賞などが花形レースとして知られています。
パリの西側にあるブローニュの森(847ヘクタール)よりも、やや大きいのがパリの東側にあるヴァンセーヌの森(934ヘクタール)です。
このヴァンセーヌの森にも1878年から競馬場ができていました。
1955年に大改造され、速歩競走、繋駕競走の本拠地として有名なのが、航空写真の「④」の場所です。
速歩や繋駕のレースは日本では廃れてしまいましたが、欧米ではいまも多くのレース行われています。
Googleアースでブローニュの森のまわりを見ると、確かに東側のオートイユ競馬場競馬場と西側のロンシャン競馬場が、はっきりと写っています。(↓)
凱旋門賞は、ロンシャン競馬場の、あの有名な風車小屋の前からスタートします。
何回か修復されているいまの姿ですが、この地にイザベル・ド・フランスが13世紀に修道院を創設し、18世紀末ではしばらく華やかに行われた「ロンシャン参り」、唯一名なごりがこの風車小屋だと言われています。(↓)
オートイユ競馬場のコースを拡大してみると、障害レース専門だけあって、固定式障害が備えられているのがわかります。(↓)
ヴァンセーヌの森では、競馬場の近くにも大きな公園、動物園、そして多くのスポーツ施設があります。
1900年のパリ・オリンピックのメイン会場でもあったようです。(↓)
コメント
_ けいこ ― 2008-03-12 22:32:54
_ T.Fujimoto ― 2008-03-14 08:01:30
けいこさん、おはようございます。
グーグルアースは、本当によくできていますよね。何年か前、最初に見たときは衝撃的でした。
バージョンアップも徐々にされていて、まだまだ遊べますね。
グーグルアースは、本当によくできていますよね。何年か前、最初に見たときは衝撃的でした。
バージョンアップも徐々にされていて、まだまだ遊べますね。
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実によく出来ています。
今度行く四川省の成都も見てみました。なんと、カメラをクリックすると町の様子まで見られます。想像していた成都とは大違いです。ますます旅行が楽しみです。
面白いものを教えていただいてありがと。