蔵頭廻文借字詩 ~漢字の魔法陣2015-07-22 20:41:27

 以下、「錦纏枝」という「藏頭廻文借字詩」を写してきました。
 「笑苑千金」の巻の三、もしくは「事林廣記」の巻の七に掲載されているものです。

+-------+
|巒秀聳岩飛澗水|
|翠閑吟恣取歡邊|
|近待歸興酒宴松|
|居客來残闌聚竹|
|深邀喜席終陪檜|
|處親室浄窗寒宜|
|好音清玉漱泉○|
+-------+

 ヒントとして、「寒字藏頭 左右貫串 借韻読之 自然流転」の注釈が書かれています。


 さて、正しい読み方は、以下の通りだそうです:

 寒泉漱玉清音好
 好處深居近翠巒
 巒秀聳岩飛澗水
 水邊松竹檜宜寒

 寒窗浄室親邀客
 客待閑吟恣取歡
 歡宴聚陪終席喜
 喜來歸興酒闌残

 
 「藏頭」の意味は簡単で、ヒントの通り、頭の「寒」が隠れているだけです。
 「廻文」とあるのは、周りのほうから中心へと、くるくると廻って読んでいく意味です。
 「借字」のほうは、句末の一文字が、次の句の頭に来ることを表しています。

 押韻の知識に長けた当時文人なら、ヒントから、上記の解釈にたどり着くのは、それほど難しくないかも知れません。

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