税・社会保障制度の一体改革案2012-06-03 22:36:07

 近ごろ、生活保護制度とその不正支給が話題になっています。
 憲法に基づき、生活に困窮するすべての国民を保護するのが目的ですが、年度予算が3兆円を超えるほど、国や各地方自治体の大きな財政負担になっています。また、要保護者の申請によって開始されることや、ケースワーカーによる認定が必要なことなど、不透明や不公平な感じが拭えず、不正受領のケースも後を絶たないです。

 児童手当制度は、生活保護制度に比べて基準や支給金額がいくらか単純ですが、やはり該当者の申請を必要とします。児童手当狙いの偽装離婚などもありえます。

 申請する人だけが得する、抜け道を知っている人だけがなお大きく得するのは、はたして公平なのでしょうか?
 たくさんの申請を審査、処理するために必要な人員、経費は、はたして本当に削減できませんか?

 日本は国に大きな借金があり、公務員の削減が叫ばれています。しかし数を削減するためには、公務員がこなすべき業務を簡素化する必要があります。また、無駄な業務を排除することにより、中間で不正に利益をもぎ取る不肖業者の暗躍を減らすことも可能ではないかと思います。
 そう考えると、生活保護制度も児童手当もすべて廃止したほうが良いではないか、という結論に至ります。


 本当に困窮状態にある家庭を扶助する必要があると思うし、少子高齢化社会に向かっている日本にあって、子供の生育を奨励し、将来を担う児童の健全な育成を手助けする必要性があるのも理解できます。
 そういう意味では、廃止というより、国民年金などの社会保障と一体化したほうが良いと考えています。
 
 手続きの簡素化を図るため、所得税の申告とも、まとめてできたほうが良いかと思います。
 その場合、所得税額の原点をマイナスの値にしておきます。
 例えば、生活を維持するために最低限必要なお金は年間80万円だと算出した年は、最低納税額をマイナス80万円に決めておきます。高齢者や在学中の児童に、いくらかの割り増しを付けても良いかも知れません。
 無収入な人は税金がマイナスなので、実際は国からお金が支給されます。生活保護制度や児童手当の代替になりますが、申請・審査が不要なので、税務署以外のケースワーカーも不要になります。事務経費が節約でき、不正も減少すると思います。

 働かなくてもお金をもらえるなら、国民の労働意欲が下がるのではないか、と危惧する声が上がりそうですが、最低納税額のマイナス分を低めに抑えれば大丈夫でしょう。
 現状の生活保護制度では、いくらか所得が入ったら、その分だけ生活保護の支給が減額され、仕事しても手元に入るお金がほとんど変わらない状態です。前記ベーシックインカム的な考え方なら、労働による所得分は(一定割合が所得税として引かれますが)、確実に収入のプラスになります。


 支給金を捻出するため、現在の所得税制に比べて、控除額を減らす必要があるだろうし、高所得者の税率をいくらか上げる必要もあるかも知れません。公平性の観点から、その一部を消費税の強化で補ったほうが良いかも知れません。但し、国民基礎年金の代わりだと思えば、おかしいものではないはずです。

 ちなみに、生活を維持するために最低限必要なベーシックインカム以外、ほかに国民年金が必要だと私は思いません。多めに払っているから多めに受領する類の年金や、まとめて運用する確定拠出年金は、社会保険の目的、範疇を超えていると思います。
 子供ではないし、そういうのは、各個人がそれぞれの判断の元、老後に備えて、貯金したり、運用したり、保険に入ったりすれば良いのでしょう。

コメント

_ 花うさぎ ― 2012-06-04 21:09:17



ベーシックインカムの発想を最初に聞いた時には、何か荒唐無稽なもののように感じましたが、結局はすべての人が一定以上の生活を維持できるようにしなければならないことが前提ならば、いろいろな基準でセイフティネットを設けるよりも、単純で手間もいらず、不正の余地もなくなるというわけですよね。

_ T.Fujimoto ― 2012-06-05 22:09:04

花うさぎさん、こんばんは。
仰る通り、法律やルールはシンプルなほど良いと思います。そういう意味でも、消費税やベーシックインカムは、ありかと思います。
実際、社会保障といった助け合いの仕組みは、持つ者、持たぬ者の分担を含めて考えると、人々が公平、適切だと思える状態には、なかなか単純にはできないかも知れません。どうしてもどこかで細かい区分、判断が必要なら、そういう手間はどこか一箇所(例えば所得税)に集中させたいと思いますね。

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