野球害毒論2009-06-08 06:19:13

 愛読書は新渡戸稲造と乃木希典大将だとおっしゃる、素晴らしい野球少年がいます。
 「武士道」は僕も感銘を受けましたが、この二方はイメージ通りのカタブツであり、「野球害毒論」論争で野球を扱き下ろしていました。

 明治44年、東京朝日新聞で「野球害毒論」を連載したとき、その第1回に談話を掲載されたのがまさに当時一高校長の新渡戸稲造でした。
 「野球という遊戯は悪く云へば、巾着切りの遊戯、対手を常にペテンに掛けよう、計略に陥れよう、ベースを盗もうなどと眼を四方八方に配り神経を鋭くしてやる遊びである......野球は賤技なり、剛勇の気なし」

 当時の乃木希典学習院長の話も掲載されました。
 「対外試合のごときは勝負に熱中したり、余り長い時間を費やすなど弊害を伴う......」

 学生野球が加熱人気を博していた時代で、この連載は話題になるや、販売競争をしていた読売新聞や東京日々新聞は野球擁護側に回って、あらゆる新聞が論争にしました。また、それぞれが開催した、「野球問題大演説会」の類も、長蛇の列が作られた程、大変な話題になっていたそうです。