桜川慈悲成と大きな頭2008-02-03 00:13:15

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 2ヶ月前ぐらい、whyさんのブログに変なコメントを残しました
http://blogs.yahoo.co.jp/bao_bao_cj/50655494.html)が、「その手は食わん」の噺を作った桜川慈悲成という人物は、実はすごい人かも知れません。

 きょう図書館から借りた「大江戸化物細見」(アダム・カバット注校編)に、桜川慈悲成作の「ばけものつわもの二日替」が収録されています。

 本職は芝宇田川町の鞘師ですが、三足も四足もわらじを履いていたような、趣味の広い人だったそうです。
 桜川杜芳の門下として黄表紙も書けば、狂歌も作ります。絵は玄人はだし、芝居通であり、落語を自作自演もしました。おまけに当時の町人には珍しく陶器にに通じ、茶道にも心得があったようです。


 さて、「ばけものつわもの二日替」のほうは、酒呑童子を退治したかの頼光四天王の、ふたりの臆病者の子息が、頑張って妖怪退治に挑んだ話です。

 張り子の大頭を被る臆病の時太郎に、ろくろ首、河童や太鼓医者と言った化け物たちが、「さても怖い顔じゃ。」と言いながら、逃げて帰ってしまうところは、興味深いです。
 また、妖怪たちの親玉にあたる越後の大入道もまた、えらく頭が大きいです。(それを見たろくろ首のお六が「おや、気味の悪いのふ」とショックを受けたらしい)

 大きい頭=怖い/不気味、
 安永、安政、文化年間あたりに、そういうイメージはあったようで、おもしろいです。