タゴールの詩集「ギータンジャリ」の翻訳2006-11-28 08:55:00


 タゴールのギータンジャリは、同じタイトルの詩集は、少なくとも2種類あります。英文の散文詩版と本来のベンガル語の韻文詩版。
 もちろんどちらもタゴール自身の作品です

 最初高校時代に触れたのは、その英文版の中国語訳でした。
 厳密に言えば、ギータンジャリが最初ではなく、ほかの作品から読みましたが、あっという間に虜になりました。
 例えば、

 若是你不説話, 我就含忍著, 以你的沈黙来填滿我的心。我要沈黙的等候, 像黒夜在星光中無眠, 忍耐的低首。

 後に、英語版の日本語訳も読みました。
 別の詩ですが、

 あなたは私を限りないものにした。それがあなたの楽しみなのだ。この脆い器を、あなたは何度もからにして、またたえずに新鮮な生命を注ぎこんだ。
 この小さな葦笛を、あなたは山や谷に持ちまわり、永遠に新しいメロディーを吹いた。

 社会人になって、偶然に岩波文庫の、渡辺照弘氏によるベンガル語版からの日本語訳を読み、新たな感動が溢れて出てきました。
 ベンガル語は一生読めるようになれないと思いますが、素晴らしい訳詩でした。

 何日 われ 出で行きしか 君を唄ひて~
  それ今日ならず 今日ならず
 われ忘れき 何日よりか 君を慕ひし~
  それ今日ならず 今日ならず
     滝瀬のほとばしり
     誰を慕ふか 人知らず
     その如 われも流れぬ
        生命の河に~
 それ今日ならず 今日ならず

     幾許も 名よび
     幾許も 絵に描き
     幾許も 喜び歩きし
        その数知らず~
 それ今日ならず 今日ならず

     花は 光明を待ち設け
     夜も寝れず 人知らず
     その如 われも 君を待ち
        心 曇りぬ~
 それ今日ならず 今日ならず