獲得形質の、子孫への遺伝(2) ― 2008-09-20 07:49:59
マーティン・ガードナーか1952年に書いた「科学の名において」で、権力にすり寄って旧ソ連の生物学を壊滅させてしまったトロフィム・D・ルイセンコを取り上げています。
遺伝に関するルイセンコの考え方はラマルク主義です。それが発展論理の社会主義の教義と一致したことが発端ですが、ダーウィンの自然選択説に基づく異なった学説の研究者を卑劣に弾圧したことで、ラマルク主義そのままが悪名高いものとなってしまいました。
チャールズ・ダーウィンの自然選択説の正当性が様々な研究者によって認められると、進化論の中心はずっとダーウィニズムと、その継承であるネオ・ダーウィニズムへと続くことになります。
突然変異はまったくのランダムに起こるもので、ある生物がどんな経験をしたかということは、まるで関係がなく、突然変異が有用なものなら生き延びるチャンスが増えるだけです。
のちに提案された中立進化説を加えて言うならば、突然変異の多くは生存競争のなかではそれほど有利でも不利でもなく、様々な変異が分子レベルで共に生き残り、前適応や遺伝的な多様性を説明しています。
しかし、前記マーティン・ガードナーの著書でもちょっと書いてありますが、本当のところ、ダーウィンも獲得形質の遺伝を認めていて、その意味でチャールズ・ダーウィンはラマルク主義者です。
但し、自然選択や後に追加発表された性選択に比べると、進化で演じる役割が僅かだと言っているだけです。
個体がその生涯の間に身に付けた形質が子孫に伝わるというラマルク主義の考え方は、遺伝学的にまったく成立しない、と多くの研究者が指摘してきましたが、最近のエピジェネティクスという遺伝的機構等幾つかの発見で、それが全く見当外れとは言えなくなってきたのです。
=> 日本エピジェネティクス研究会のHP(http://www.nig.ac.jp/labs/NigPrjct/jse/index.html)
ダーウィンが予言していたように、その影響は限られているとしても、進化のある局面では、ラマルク主義の出番もあるかも知れません。
遺伝に関するルイセンコの考え方はラマルク主義です。それが発展論理の社会主義の教義と一致したことが発端ですが、ダーウィンの自然選択説に基づく異なった学説の研究者を卑劣に弾圧したことで、ラマルク主義そのままが悪名高いものとなってしまいました。
チャールズ・ダーウィンの自然選択説の正当性が様々な研究者によって認められると、進化論の中心はずっとダーウィニズムと、その継承であるネオ・ダーウィニズムへと続くことになります。
突然変異はまったくのランダムに起こるもので、ある生物がどんな経験をしたかということは、まるで関係がなく、突然変異が有用なものなら生き延びるチャンスが増えるだけです。
のちに提案された中立進化説を加えて言うならば、突然変異の多くは生存競争のなかではそれほど有利でも不利でもなく、様々な変異が分子レベルで共に生き残り、前適応や遺伝的な多様性を説明しています。
しかし、前記マーティン・ガードナーの著書でもちょっと書いてありますが、本当のところ、ダーウィンも獲得形質の遺伝を認めていて、その意味でチャールズ・ダーウィンはラマルク主義者です。
但し、自然選択や後に追加発表された性選択に比べると、進化で演じる役割が僅かだと言っているだけです。
個体がその生涯の間に身に付けた形質が子孫に伝わるというラマルク主義の考え方は、遺伝学的にまったく成立しない、と多くの研究者が指摘してきましたが、最近のエピジェネティクスという遺伝的機構等幾つかの発見で、それが全く見当外れとは言えなくなってきたのです。
=> 日本エピジェネティクス研究会のHP(http://www.nig.ac.jp/labs/NigPrjct/jse/index.html)
ダーウィンが予言していたように、その影響は限られているとしても、進化のある局面では、ラマルク主義の出番もあるかも知れません。
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