這うものと長いもの2008-05-09 00:42:48

 やぶちゃん(http://onibi.cocolog-nifty.com/about.html)のHPを読むと、
 Jules Renardはその「博物誌」のなか、Le Serpent(ヘビ)の項
で、"Trop long."(長すぎる)、とただひと事書いているだけ、だそうです。(http://homepage2.nifty.com/onibi/haku.html
 確かに簡潔明快な表現です。

 日本でも古来、地方によっては「ナガムシ」と呼んだり、「ナガモノ」と呼んだりします。
 この場合、あからさまに呼ぶことを嫌い、うっかり口を出して喚んでしまわないような忌み言葉です。

 フランス語の serpent も同じで、語源であるラテン語の serpesは、serpo(這う)の現在分詞だそうです。(「フランスことば事典」、松原秀一、講談社学術文庫)
 本来ラテン語でヘビを指す anguis も、古フランス語に入っていたが、ローマ人が直接呼ぶことを避けた結果で、使われなくなったそうです。

 英語の snake も、古英語期には snaca と綴られていました。古ドイツ語 snahhan が元になっていると言われていますが、やはり「這う」という意味のようで、おもしろいです。