オルフェーヴルとフランケル2012-11-19 21:37:11

 武豊騎手の久々のG1勝利に沸いたマイルチャンピオンシップが終わっても、秋競馬のG1シリーズはますます佳境で、今週末はいよいよオルフェーヴルが出走するジャパンカップです。

 去年の牡馬3冠馬オルフェーヴルに、今年の牝馬3冠馬ジェンティルドンナが挑戦する、という図式で見ることもできますし、今年の凱旋門賞馬ソレミアに、ゴール寸前に栄冠をこぼしたオルフェーヴルがリベンジする、という図式で見ることもできます。
 もちろん、天皇賞で復活した先輩ダービー馬のエイシンフラッシュも、香港でのG1勝利を手土産に再度頂点に挑むルーラーシップも、レベルが高いと噂される3歳牡馬の代表・フェノーメノもいます。しかし衆目するところ、やはり主役はオルフェーヴルを置いてほかにないでしょう。

 日本馬による凱旋門賞初制覇の夢は、残念ながら叶わなかったが、今年の凱旋門賞でオルフェーヴルが見せたパフォーマンスは素晴らしいものであり、フランケルに勝つ可能性がある現役唯一の馬、だと言い放ったイギリス人がいるぐらいです。
 来年も現役で走るかどうかわかりませんが、まずはジャパンカップで胸のすく走りを見せてほしいです。


 さて、引き合いに出された同じ歳の英国調教馬・フランケル(Frankel)は、10月20日のチャンピオンステークスがラストランとなったようです。

 今シーズンもG1レースばかりで5戦5勝し、2年連続カルティエ賞年度代表馬に選ばれ、生涯通算14戦全勝、無敗のままで引退が決まりました。
 タイムフォーム誌のレイティングでは、シーバード(145)、ブリガディアジェラード(144)、テューダーミンストレル(144)に次いで歴代4位となる143ポンドが与えられ、言ってみれば、ここ40年間で最高の競走馬、という評価になります。

 シーバードやブリガディアジェラードなら、ビデオでその圧倒的なレースは目にしました。しかし、やはり時代を共有していないためか、どうも凄さを肌でじかに感じ取れない部分もあります。もちろん対戦できない歴史上の名馬たちと比較するのは難しいですが、再三再四胸がすき、ついてに腹まですいてしまう快走を見せたフランケルなら、そうした伝説の名馬に伍しても、少しも遜色しないように思えます。
 数十年後、若い競馬ファンに対して「私はフランケルをリアルタイムで見たぞ」、と自慢できることを思うと、ちょっと誇らしい気持ちになりました。