訂正印付き切手、その12010-06-19 14:58:29

訂正印付き切手1
.
 上の写真は「中華民國郵政」とある切手、同じ絵柄ですが、下の3枚には黒い印字があり、額面上の値が訂正されています。

 先般の大戦時や大戦直後、中華民国中央銀行が発行した銀行券が激しいインフレにより減価を続けていたので、切手の印刷が間に合わず、こうした訂正印を入れただけの切手が大量に残っています。
 元々5セント(伍分)や、21セント(貳角壹分)だったのが50元(伍十圓)に訂正されたり、8分(捌分)だったのが20元(念圓)に訂正されたりします。
 この程度でインフレが収まったわけではなく、それほど年代が違うわけではないですが、額面上30元なのが800元に訂正された切手、あるいは同じ孫文博士の絵柄で額面が20000元、50000元の高額切手も持っています。

 大変な時代だったなのは、容易に想像できます。


 切手とは関係ないですが、この記事を書きながら、僕にとっての発見がひとつありました。上の文章にもあった「念圓」です。
 壹、貳、參、肆、伍...など、数字の大字は、さすがに僕でもわかります。しかし、「念」の一文字で20を表すのは、寡聞にして知りませんでした。(「廿」ならたまに使いますが)
 額面が元々20元の切手もあって、よくみるとやはり漢字は「念圓」と印刷されたので、訂正印が間違ったわけではないのがわかります。

 たぶんとてもバカな質問をしていると思いますが、読み方も、どなたか、教えてください。

訂正印付き切手、その22010-06-19 15:03:05

.
 もうちょっと歴史の流れを遡れば、上の写真のような訂正印付き切手に出会うのも難しくないです。

 龍の周りに「大清國郵政・CHINESE IMPERIAL POST」の文字があしらわれている絵柄です。模様は同じですが、下の2枚だけ、「中華民國」の朱印が加えられています。
 歴史的な背景は明白なので、ここでは蛇足を付け加えるも必要もないでしょう。ただ、こういう大時代の息吹が感じられる品(こちら実際消印が押され、使用済みの切手)が、こうして手元にあって触れることを思えば、やはりある種の感慨を覚えずにはいられません。