【読後感】「推理小説に見る古書趣味」 長谷部史親、図書出版社 ― 2008-11-17 00:41:04

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推理小説はあまり読んでいないので、どうかなと思いながら手に取ったが、思いのほか面白く読めました。
元々古書趣味の世界は奥が深くて興味が尽きないですが、博覧の作者が、様々な作者の作品からそれぽい内容だけを抽出して、おもしろおかしく並べて見せたので、実に楽しいものとなっています。
但し、推理物の紹介としては当然かも知れませんが、導入部で興味を惹かれたあと、さあ果たしては、というところで寸止めされてしまうのは、精神衛生上よくないところもあります。
それと、ここでいう推理小説はかなり範疇を広げているときもあります。
あげられている作者は知らない名前が多く、まあ本職の推理小説家でありしょうが、ほかにアナトール・フランスの名前も見かけるし、たまたま読んだドロシー・ギルマンのポリファックス夫人シリーズの一作目(「おばちゃまは飛び入りスパイ」)が言及されているのは、驚いてしまいました。
ちなみに海外の翻訳ものをメインに扱っていますが、最後の15章は日本の推理小説も取り上げています。
推理小説の範囲を広げたついてに、ひとつ出久根達郎の長編「むほん物語」か中編の「狂聖・芦原将軍探索行」も是非付け加えて頂きたいと思います。典型的な推理小説とは言えませんが、なにしろ作者は本物の古書店主であるうえ、ストーリーのほうも謎と推理がたっぷり入る本格派顔負けの美味しい話ですから。
推理小説はあまり読んでいないので、どうかなと思いながら手に取ったが、思いのほか面白く読めました。
元々古書趣味の世界は奥が深くて興味が尽きないですが、博覧の作者が、様々な作者の作品からそれぽい内容だけを抽出して、おもしろおかしく並べて見せたので、実に楽しいものとなっています。
但し、推理物の紹介としては当然かも知れませんが、導入部で興味を惹かれたあと、さあ果たしては、というところで寸止めされてしまうのは、精神衛生上よくないところもあります。
それと、ここでいう推理小説はかなり範疇を広げているときもあります。
あげられている作者は知らない名前が多く、まあ本職の推理小説家でありしょうが、ほかにアナトール・フランスの名前も見かけるし、たまたま読んだドロシー・ギルマンのポリファックス夫人シリーズの一作目(「おばちゃまは飛び入りスパイ」)が言及されているのは、驚いてしまいました。
ちなみに海外の翻訳ものをメインに扱っていますが、最後の15章は日本の推理小説も取り上げています。
推理小説の範囲を広げたついてに、ひとつ出久根達郎の長編「むほん物語」か中編の「狂聖・芦原将軍探索行」も是非付け加えて頂きたいと思います。典型的な推理小説とは言えませんが、なにしろ作者は本物の古書店主であるうえ、ストーリーのほうも謎と推理がたっぷり入る本格派顔負けの美味しい話ですから。
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