昭和7年珍事総決算、6月分抜粋2014-06-14 22:10:59

 以下、古い雑誌「新青年」よりの抜粋です。

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一日、ブラウン機、墜落して雄図挫折。
    隣へ行く様にはいかんです。

五日、武蔵野館に争議がおきました。
    休憩に演説をおきかせ致します。

十三日、力自慢の男、石をもち上げそこなつて残死。
    遺言に曰く、石碑はごめん。

十八日、鶏卵七百貫目盗んだ奴があります。
    よほど大きなオムレツが喰ひたかつたらしい。

十九日、ボクシングの練習中死亡。
    かうなつたら百数えても駄目です。

廿一日、橋の上から省線電車に飛び込み自殺。
    もとダイビング選手、だつたか、どうか。

廿七日、日本一の健康児表彰さる。
    病弱児の分は追つて発表。

廿ハ日、奥利根に人間の片足発見。寺島の続きでないかと大騒ぎ。
    足は高とびしましたかな。

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 昭和2年(1927年)のリンドバークによる大西洋横断飛行に刺激され、昭和6年に朝日新聞社は、太平洋無着陸横断飛行(本州とカナダのバンクーバーより南の間を飛行)の最初の成功者に日本人であれば10万円、外国人であれば5万円の懸賞金を出すと発表しました。
 何回かの失敗例を経て、すでに6年の10月に最初の成功者が現れたそうです。それでもなおブームが続き、このブラウン機は、5月29日に出発したものです。

 「寺島の続き」うんぬんとは、この年3月7日、寺島町の溝から首と手足が現れた殺人事件です。江戸川乱歩ら推理作家も犯人推理に加わり、新聞等でさまざまな特集記事が組まれました。被害者の遺体を切り刻む猟奇殺人の名称として「バラバラ殺人」が定着した事件でもあったようです。

コメント

_ 蓮 ― 2014-06-17 00:14:36

80年以上も昔のことなのに、世相も、そしてその寸評のユーモアセンスも今とあまりかわらないな。
この事件についての寸評は誰が書いたのでしょうね。

_ T.Fujimoto ― 2014-06-19 00:25:33

蓮さん、こんばんは。
意外なほど世相は、それほど変わっていないです。ユーモアのセンスは、さすがに時代を感じさせるような気がしますが。書いたのは誰でしょうね。覆面なのでわかりませんが。

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