日本最初の特許2011-12-12 23:48:23

 職業柄、特許文書を読んだりすることがありますが、馴染みのない英文に白旗をあげざるをえないは仕方ないとして、日本語の文章も同様です。どうしてこうもわかりにくく書けるかを、いつも不思議に思ってしまいます。
 果たして、特許文書というものは、最初からそういうものだったのでしょうか?

 「ぐうたらテクノロジー」(近藤雅樹、河出書房) という本があって、明治時代に特許登録された、どこかユーモラスな様々な発明が紹介されています。
 日本では、明治維新後の1871年に最初の特許法である専売略規則が公布されましたが、この制度は利用されず、翌年には施行が中止されました。その後、ウィキペディアによれば「1885年4月18日に本格的な特許法である専売特許条例が公布・施行された」とありますが、どうやら4月には公布されただけで、施行は7月1日から、だそうです。
 初日に早く5件の発明が申請され、輝く第1号は「錆び止め塗料」だそうです。

 初年度の1885年は、さまざまな発明が集中的に出願されましたが、前出の本の作者が「日本的発明の白眉」として取り上げたのは、「改良蝙蝠傘」です。
 折り畳み傘の第一号です。

 折りたたみ傘が世に普及し始めたのは1950年代半ばになってからですが、特許はそのだいぶ前に出されたようです。

コメント

_ 蓮 ― 2011-12-16 13:43:39

ネットでちょっと見てみたら、下記のような記事が目に留まりました。

>折りたたみ傘が世界で初めて作られたのは100年前。
当時にしてみたら斬新なこの発明は、発明者ハンス・ハウストの手により1928年に考案、1934年に特許を取得し、世界のクルニプスが誕生したのである。

これはドイツでの特許のようですけれど、日本での特許とは関係ないのでしょうね。

_ T.Fujimoto ― 2011-12-19 07:57:01

蓮さん、そうでしたか。
時期で言えば、日本のほうが早かったようですが、特許の申請範囲というのもあるのでしょうね。明治時代の特許を見ると、握り柄をはずして杖として使えるとかの記述があって、親骨部分の伸縮はまだ考えられていなかったかも知れません。
また、実際の製品化に際しては強度が足りず、いろいろトラブルが発生していたそうです。

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