スゲー、スゲー奴ら2011-12-08 22:33:04

 最近、海外(米国発)のスレッドを2つほど読んでいますが、やたらに出てくる、気になる単語がいくつかあります。
 まず、「epic」という単語です。

 「Very powerful message, another epic chapter ! 」とか、
 「I am speechless...man, this is simply soo soo epic !」とか、
 「His death was just EPIC.」とか。

 英和辞典では、叙事詩、叙事詩的な、雄大な、異常に大きい、と言った意味しか見当たりません。
 ネット用語かも知れませんが、どうやら単に「凄いこと!」という意味で、近頃多用されているように見えます。


 似ているところで、「awesome」もよく目にします。
 「Looks awesome, thanks.」とか、
 「I cannot fathom the awesomeness.」とか、
 「FxxKING AWESOME」とか。

 こちらはもっとまっとうな英語らしいですが、学生時代に真面目に英語を勉強していなかった僕が、ようやくこの単語を頭に入れたのはだいぶ後で、オーサムアゲイン(Awesome Again)という競走馬が北米で活躍し、1998年のブリーダーズカップ・クラシックを勝った頃です。
 「awesome」はたぶん「素晴らしい」という意味ですが、使われすぎて、本来のニュアンスから若干外れた用例もたくさんあるような......


 それと、もうひとつ、「badass」という見るからにあまり上品でない単語も、実によく見かけます。

 「You're the man. badass.」とか、
 「Yup, XXXXX is officially the most badass person ever.」とか、
 「Badass! He isn't called the strongest man in the world for nothing.」とか。

 和英辞書では「たちの悪い人、悪いやつ」といった悪い意味しか出てこないようですが、僕が最近目にしているのは逆のパターンで、ほとんど褒める場合で使われています。
 「スゲー奴!」という感じで、これはいまどきの流行り言葉なのでしょうか?

 「American Bad Ass」という曲もあったようですが、僕がこの単語を覚えたのは、ジ・アンダーテイカー(The Undertaker)が一時期、この「American Bad Ass」をニックネームに付けていた頃です。(但し正直、あまり意味がわからなかったのです ^^;)
 WWEで二十数年間もトップを張っていられるほぼ唯一のレスラーであるジ・アンダーテイカーは、怪奇派ではありますが、決してヒールではないです。アメリカン・バッド・アスという不良中年ギミックで登場していた頃も含めて、いつも大声援を受けている超の付く人気選手です。

 「badass」も、なんだか使われすぎて、新鮮さがなくなってきたかも知れません。


 英語に限らず、日本の若い人たちも「凄い!」「すごい!」「すげー!」と濫用しすぎている感が否めません。残念ながら、感情の高ぶり以外、何も伝わらない場合がしばしばです。
 ひどいときは、すごく嬉しいのか、すごく悲しいのかを、判別すらできなかったりします......

コメント

_ 花うさぎ ― 2011-12-09 08:32:00

「スゲー」もいやですが、もっといやなのは「やべー、やべー」です。

それ以外だと、「かわいい、かわいい」ですね。
別に、「かわいい」については、連発することはいやではないのですが、
年配のかたとか、尊敬すべきかたなど、誰にでも使うのは、聞いていていやです。
日本では何事につけても「かわいい」が志向されているようで、そのこと自体にだんだんと食傷してきたのかもしれません。
特に、いい年をした女性がいつまでも「かわいい」と言われたがるのは、
若い時限定の責任を持つことなく庇護されるという「おいしい立ち場」にいつまでもしがみつこうとしているようで何となく浅ましくていやです。

_ sharon ― 2011-12-09 10:44:55

言葉の使い方や習慣がそれぞれで、交流の輪がそれぞれ出来てしまかもね。
最近中国語のweiboの輪に入ってから、
すっかりそこのコミュニティー言葉の色に染められて、
元通りに戻れないのも新しい言葉遊びの楽しみの一つ、気持ち的に。
外国の言葉になると、難しさと理解力が試されるのが嫌で、諦めてしまう場合が多いです。

_ T.Fujimoto ― 2011-12-12 07:59:51

花うさぎさん、おはようございます。
「やべー」も、どっちの意味で使われているか、判然としない場合がありますね。

「うつくしい」は「かわいい」からその語源が辿れると聞いた記憶がありますが、せっかく先人が区別して使い分けてきたものを捨ててしまうのは、確かに勿体無いですね。

_ T.Fujimoto ― 2011-12-12 08:03:17

sharonさん、おはようございます。
コミュニティ言葉、そうですね。確かに特定の集団で使われ、流行っている言葉、言い方がありますね。
大きな社会でも基本的に同じですが、集団の個体数が少なければ、個人の影響力が出やすく、特定の色に染まりやすい、ということでしょうか。

_ スマイル ― 2012-01-07 13:02:01

T.Fujimotoさま


 はじめてこちらにコメントをお送りいたします。

 昨年夏、アメリカンフットボールシーズン開幕を前に、思い切ってCS放送の契約をして、以来NFLやNCAAを中心に見ています。
 はじめて観た番組はWWE、たしかROWでした。

 プロレスの話はこのくらいにして。
 たしかに日本語をみると、ある特定の集団、あるコミュニティーでしか通じない言葉もあります。皆さんがお書きになられたとおり、「やべー」はその最たるものですね。あれをきくとスマイルも顔をしかめてしまいます。なにが「やばい」のかもうちょっと説明できないのか、と。

 手話を使う者としても、言葉には気をつけていたいものです。

 スマイル

_ T.Fujimoto ― 2012-01-09 11:09:18

スマイルさん、こんにちは。
最近はWWEもあまり見なくなりましたが、十数年前はよく見ました。公式週刊誌を定期購読したこともあります、レッスルマニアのビデオセット(IからXIIぐらいまで)も持っています。キャラクター、色彩、デザインなどのセンスが良く、関心しました。
手話にも、特定のコミュニティにしか通じないようなものがあるのでしょうか?生まれてきてもおかしくないです。
グローバリゼーションが叫ばれていますが、グローバリティとローカリティは同時に進行しているような気もしますね。

_ ぜ ― 2012-01-29 23:21:15

母国語の乱れという点では、なるほど気にはなりますが、わたしはむしろ若い人のそういう完成というか混乱振りを楽しんでいます。

少しまじめに言うと例えばリービ英雄という書き手がいますが彼は日本語と英語を取り混ぜたふざけたようなまじめなような挑戦的な文章を書いています。

しかも表記も英語表記、あるいは単なるローマ字であったりしますからさらに其の喚起力は不思議なものとなっているわけです。

次なる言葉。

言葉を母国語といいならわして保守しようとすること自体の意味はもう探さなければ見つからないほどのところにきているのではないでしょうか。

さらにさらに、変えは中国も堪能ですからモットはなしは面妖になりキミが悪い頬の美しい誤解を次々と展開させてくれるわけでしょう。

かんじカタカナひらがな、、、、。是だけでも美しい誤解というか使い分けを享受してきたはずの日本語がさらに遠くへと舞い上がっていく瞬間でしょう。

_ T.Fujimoto ― 2012-01-31 23:29:14

To: ぜ様
リービ・ヒデオは寡聞にして知らなかったのですが、かなり新しいスタイルの言葉で創作を精力的に行っている方のようですね。

確かに、言葉は生き物で、それも多くは若い人たちが先駆者となって新しい表現方法、新しい境地を拓いています。
日本語の乱れを嫌がっているというより、ここでは表現力のなさ、もしくは不足を、気にしています。老婆心ながら、凄い、凄いと言いながら、何が凄いかを伝えられていないのではないか、という心配です。

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