水の洞窟、その22010-08-08 01:53:15

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 Fingal's Caveは凄い景観ですが、そういう横方向の洞窟だけでなく、地球上には水が溢れ出す縦の穴もたくさん存在します。

 久々に買った「National Geographic」の8月号は、バハマにあるブルーホール群を特集しています。
 ブルーホールは、Wikipediaによれば、かつての洞窟や鍾乳洞といった地形が何らかの理由により海中へ水没し、浅瀬に穴が空いたように形成された地形、だと定義されています。
 特に知名度が高いのが、中米ベリーズ海岸のGreat Blue Holeです。Atlas Obscuraのページに載っている(http://atlasobscura.com/place/great-blue-hole)のも、そのGreat Blue Holeだけのようです。

 しかし、それほど知られていないですが、Grand Bahama島の Chimney、Abaco島の Dan's Cave と Sawmill Sink、ロングアイランドの Dean's、 Andros島の Stargateなど、バハマには実に多くのブルーホールが点在し、宝庫だと言えます。

 これらのブルーホールは、つい最近まであまり系統的に研究されていなかったようです。今般のダイバーと科学者からなる探検チームの調査により、ようやくその神秘のベールがすこしずつ解明され、各洞窟のそれぞれの特徴も知られるようになってきたようです。

 例えば、表紙に飾った Dan's Caveは、ミネラルの柱が林立し、まさに海のなかに沈められた大規模の鍾乳石洞のようです。
 また、光が射し込めない深いところに、透明な海老や赤く青く光るバクテリアなど、おもしろい生物がたくさん生息しているブルーホールも多いです。
 特に Abaco島のSawmill Sinkは、陸の壁によって外海と隔離され、酸素を含まない深い海水層のおかげで、化石は非常にいい状態で残っているそうです。今回、National Geographicの調査クルーは、Bahamas Caves Research Foundationと協力しながら、2500年前のカメや珍しいワニの頭蓋骨、トカゲ、蛇、コウモリ、鳥の骨、いまではこのあたりで絶滅した動物、そして様々な植物の化石を採取しました。

 ブルーホールのなかには渦が巻いたり、真っ暗だったり、迷路のように多岐に枝分かれしたりするものが多く、危険が満ちています。しかしその一方、たくさんの秘密とロマンがいまもブルーホールの底に隠され、発掘を待っているようで、とても魅力的です。

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