10年前の希望、いまの人工惑星2009-10-28 01:26:51

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 いま10年前、1999年の10月に、日本初の火星探査機「のぞみ(希望)」が火星に到着、するはずでした。


 「のぞみ」は、1998年7月4日に内之浦の鹿児島宇宙空間観測所から、M-Vロケット3号機によって打ち上げられました。
 途中トラブルが起こり、軌道計画の大幅な修正を行なって、はじめの予定より4年遅れて2003年12月に火星に接近しました。しかし、さらにトラブルが起きて、火星周回軌道に乗せるために必要な装置を働かす事が出来ず、最終的には火星軌道への投入を断念しました。

 上の写真は、「FlowingData」のサイトで見た「Mission(s) To Mars」のポスターです。このポスターを見ても、火星探索計画には失敗が多いことがわかります。火星に届かなかった数多い軌跡のひとつに、日の丸とともに「NOZOMI」が記されているのは確認できます。

 火星探査の任務は失敗しましたが、地球や月のスウイングバイする際にも、「のぞみ」の観測機器は多くの貴重なデータを残してくれたそうです。


 いま、「のぞみ」はほぼ火星の軌道に近い太陽を中心とする軌道上で、永久に飛び続ける人工惑星となりました。