4人目にならなれる群衆心理学2009-10-21 00:25:11



 これはある音楽祭の場面を捉えた動画です。

 最初は一人の男が妙な踊りをはじめ、ほかの人はただ傍観しているだけでしたが、やがて2人目、3人目が加わると、いきなりもの凄い大集団に膨れあがりました。

 大衆のなかには、指導者に盲従しやすい(あるいは扇動されやすい)4人目が、大量にいるようです。
 ちょっとぐらい荒唐無稽なことでも、みんなでやれば怖くない、そういう気分にさせるのは、3人ぐらいいればできてしまう場合があります。
 言ってみれば、大きな牛を引っ張るには細い紐でも十分です。


 「暴動」、「熱狂的な流行」、「社会運動」といった群衆の行動を、共通の特性を持つものとみなし、ひとつの分野に属する事象として捉えた最初の学者だと言われているのが、ギュスターヴ・ル・ボンです。その話によれば、群衆は「衝動の奴隷」であり、「被暗示性」が強いため、理性や批判は発揮されず、「極端から極端へ走る」そうです。

 群衆心理はすべて悪い結果に導くわけではないかと思いますが、人類の歴史上、偏狭で邪悪な失敗例が枚挙に遑がないほど多いのも事実です。また、一旦潮が始まったら、自己の見識を持って簡単に流されないのは、残念ながら、少数であるような気がします。

コメント

_ yoshi ― 2009-10-22 12:53:59

あるおばさんに言われたが、子供に他人の存在を教えるのは、兄弟をつくることが一番。理想は5人兄弟!なぜと言うと、大衆まで分かるからだって。当時冗談話として笑ったが、この記事読んで、もう一回思い出した。本当かもしれないね。

_ クッシー ― 2009-10-22 17:05:28

平たく言えば 「赤信号 みんなで渡ればこわくない。」でしょうか。
みんなで渡ってトレーラに踏みつぶされるのは怖いですが(笑)
一人だけ青信号になるまでジッと待つ、これ勇気要りますね。

_ T.Fujimoto ― 2009-10-23 23:30:22

yoshiさん、こんばんは。五人兄弟ですか、いや、いつの世も理想ははるか高みに存在するのですね(笑)

コメントの主旨からはずれ申し訳ないですが、子供はいつから他人という存在区別できるか、つまりいつから自己意識がはっきりと芽生えるかは、とても興味深いテーマですね。○○ちゃんは、行きたい、食べたいです、と自分のことを僕、わたし、ではなく、他人と同じように名前で呼んでいる時期までは、まだあまり自己意識が強くないのかも知れません。

_ T.Fujimoto ― 2009-10-23 23:39:59

クッシーさん、こんばんは。
わかりやすい解説でありがとうございます。仰った通り、いわば「赤信号 みんなで渡ればこわくない。」的な発想かも知れません。

一人だけ青信号になるまでジッと待つような場面は、でも僕は時々出会すことがあります。大した見識や勇気があるわけでなく、どちらかと言えばバカなうえに生まれながらの天の邪鬼、人と違うのが却って喜んだり得意げになったりします (^^;)

_ けいこ ― 2009-10-30 20:28:23

こんばんは。
今回の群集心理学の記事、全く同じような場面に先日出くわしました。
あるオープンテラスのレストランで、バンドがノリのいい曲を演奏していました。私はただの通りすがりだったのですが、あまりにもごきげんな曲にしばし足を止めて数曲聴かせてもらいました。
さあ、最後の演奏になった時、中年の紳士がついに踊り始めました。と、とたんに数人が踊りだし、あっという間に10人以上に膨れ上がりました。小さなスペースでしたから、もうそれでギュウギュウ満員です。
この動画と全く一緒だと思いました。
私も歩道で踊ってしまいました。(笑)

場所はサンノゼ、ヒスパニックは皆陽気でした。

_ T.Fujimoto ― 2009-10-31 01:10:45

けいこさんの踊りも見てみたいですな...
まあ、音楽の力が凄い、というにのもあるのでしょうね。
踊り出したりはしないですが、ジャズバーとかに行くと、まわりの「暗示」を僕も受けるようです。手でベースを太腿に叩くグループに入ると手が勝手に動き、目を閉じて陶酔するグループに囲まれると伏し目がちになってしまいます (笑)

しかし、サンノゼへ行かれたのですか?
ここ10年ぐらいは行ってないですが、広々した道路に眩しい陽射し、陽気にもなりますわね。

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://tbbird.asablo.jp/blog/2009/10/21/4644408/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。