青春の魔法2009-02-05 00:00:53

 敬愛する浜尾朱美さんは、著書「私の競馬」の序章で、「青春の魔法が解けてしまった。と実感した時があった。」から書き始めています。
 忙しくも安定した生活から安らぎを得た代償として、恋をする「ときめき」を失っていた。と、岩井俊二監督の映画「ラブレター」を見たあとに気づき、暗澹とした気分に襲われた、という話です。

 青春の魔法とは、胸を焦がす切なさと、ときめく恋心です。

 「ラブレター」は映像美も素晴らしい映画でしたが、もっと普通の、例えば大林宣彦監督の「青春デンデケデケデケ」とか、もしくはほとんどサブカルの「グミ・チョコレート・パイン」などを何気なく見ていて、不意に胸がキューンとなる瞬間があります。
 遠い彼方に逝ったはずの甘酸っぱい気分が甦り、懐かしいのと、やばい、動揺しているぞ、という思いが混じります。
 ですが、感情の渦は一瞬にして抑圧されてしまいます。夢を見る頃は、やはりとっくに過ぎてしまったようです。