黄金の天馬 アカール・テケ2007-10-22 23:49:21

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 トルクメニスタン原産のアカール・テケ(Akhal-Teke)は、その起源が3500年前に遡るとも言われる、大変古い品種の馬です。


 現代サラブレッドの3大始祖のなかでも、その血脈が最も繁栄しているダーレイアラビアンは、実はアカール・テケだったという話も聞きます。

 現代のサラブレッドある鹿毛、芦毛、青毛などのほか、黄金色の毛色を持つものも、存在するようです。
 手元の図鑑(写真)で見る限りは、ゴールデン・ハイライトだと言われるほどではないかも知れませんが、十数年前の「週刊競馬ブック」では、本当に淡い金色に近いアカール・テケの写真を、カバーページに載せた号もありました。(その競馬ブックは残しているはずですが、なぜか見あたらず)


 漢王朝の歴史に登場する、大宛国の汗血馬は、このアカール・テケの先祖だったとする説もあります。


   「天馬歌」

 天馬徠 從西極 渉流沙 九夷服。
 天馬徠 出泉水 虎脊兩 化為鬼。
 天馬徠 歴無草 徑千里 循東道。
 天馬徠 執徐時 將遥挙 誰與期。
 天馬徠 開遠門 竦予身 逝崑崙。
 天馬徠 龍之媒 遊閶闔 観玉台。

コメント

_ okano ― 2011-09-05 10:32:22

久しぶりに アカールテケが恋しくなりインターネットで検索したら ブックの記事の事がありましたの こちらの大家さんとは見知らぬ私ですが キーをたたいております
旧知のトラックマンのいるブックにあの記事と写真を掲載したのは わたくしです、実はnhkがこのアカールテケを取材した時のオリジナル資料もわたくしのです、その時はいろいろトラブルがありまして 私は 取材から降りたので現地では栗毛に毛の生えて程度のその種しにしか巡りあえなかったようです。
もともとわたし競馬実況が専門の放送局員でしたので JRAの資料室にもあの写真は提供してます。
もう20年近くまえの話です 現地もかわったことでしょう でも あれほど見事な黄金のアカールテケはめったに出ないそうです。

_ T.Fujimoto ― 2011-09-05 15:30:10

okano様、はじめまして。貴重なお話を伺えてうれしいです。
しかし、そうですか、現地でも栗毛に近いのが多かったのですか。のちに、アカールテケが群れになっている写真も見たことがありますが、白毛に近い個体から栃栗毛に近い個体まで、色の幅はそれなりにあるようですね。
競馬ブックに掲載されたものは、本当に全身が金色に輝く、神々しく見えてしまうぐらいの、見事なアカールテケでしたが。
それと、NHKでも特集放送されましたか。どうやら残念ながら見逃してしまったようです。

_ okano ― 2011-09-05 23:05:29

こちらこそ 突然に失礼しました・
この馬種 日本ではまったく知られてませんでしたが 実はローマオリンピックの馬術で金メダルを取った serge Firatovセルゲイ フィラトフの愛馬 ABSENTがアカールテケです 白黒写真しか手元にありませんがどう見ても青毛です。
このFiratovとABSENT アブサンのコンビが次の東京オリンピックでも銅メダルを取ってますから アカールテケは既にこの時日本の地を踏んでる分けです。
また やや遡って 1956年 当時のソヴィエト政府が イギリスのエリザベス女王に贈り物としてアカールテケを進呈してますね・ISABELLE -DOREと表記されてますから尾花栗毛に近い見事な馬体のはずです・
ヨーロッパでは馬術が日本の比でないくらい盛んですから このアカールテケ などもフランスには何頭もいます。
フランスなら リヨンの近く サンテチエンヌのさる牧場にもいます。
ま 日本の好事家が騒ぐほど珍しい馬ではありません。
ただ 私が見た ”あれ”は   別格でした。

_ T.Fujimoto ― 2011-09-06 23:15:42

okanoさん、いろいろ教えて頂き、ありがとうございます。とてもうれしいです。

1960年のオリンピックで金メダルを取ったABSENT号の話、手元の「The Encyclopedia of the HORSE」(http://tbbird.asablo.jp/blog/2007/02/01/1156158)にも載っています。アカールテケは旧ソビエトにおいては長距離騎乗、ジャンプ、そして馬場馬術の競技でよく使われ、ABSENT号の父も有名なハイジャンプのスペシャリストだったと書いてあります。
しかしフランスにも渡っているのは意外でした。サラブレッドと交配されているわけではなく、純血で繁殖されているのでしょうか?

_ okano ― 2011-09-07 00:58:18

 アブサン号はわたくしの記憶ではドレッサージで金メダルを取ったと思います
ご存じのように 馬術には障害を飛越するジャンンプ競技と それとは対照的な規定のスタイルで争うドレッサージがありますので。

パリ ションゼリゼにもマクドナルドが有るんですが ここなど馬術かえりの御嬢さんらがブーツ姿で時折よります 溌剌としてて美しく いいものです。
フランスのアカール テケは当面は純潔種です おそらくデュバイなどで行われてるエンヂュランス競技を視野に能力のある馬を生育してると思われます。

サラブレットとの交配は雑種になってしまいますので まずありえないです、
日本競馬のサラ系というのでさえサラブレッドの血統書が過去の親にないと あるは確認できないと サラ系と呼ばれ 肌馬や 種牡馬になり憎いですから 日本より数段歴史のあるフランスで アカールテケにサラブレッドを合わせる暴挙をする人はいないです。
ちなみにヒカルイマイは母系にサラブレッドの証明の出来ない馬がいたため 彼はあれほどの剛脚と成績をあげながら サラ系のカナシイ烙印に生涯泣いたわけです・

蛇足ですが 競馬中継でアラ系という解説者がいますが 根本的に間違いですね アラブにアラ系など存在しないです。

_ T.Fujimoto ― 2011-09-07 10:07:14

okanoさん、ABSENTがdressage winnerであると上記の本にも書いてありますし、たぶん仰る通りですね。

アカールテケがサラブレッドと配合されていないかと思ったのは、ご存知のように、サラブレッドはアラブに戻し配合してアングロアラブなど多くの乗用種を作ったり、ノルマンなどと配合して大型のペーサーを作ったり、重種に活気を与え、ポニーに力強さを与え、現代ではサラブレッドはほとんどの実用馬の改良に役立てられているからです。
馬に限らず、まず雑種交配で多様さをもたらし、バイタリティを与えてから、なんらかの選抜を行って、最後に種としての性質を固定させるために近親交配して純血化するのは、畜産における品種改良の常套手段です。

アカールテケのような個体数も限られる古い品種が純血交配を続けるとすれば、実用というよりは、種の保存が主な目的なのでしょうね。

_ T.Fujimoto ― 2011-09-07 10:13:52

地元のシュヴァイケン種をポーランド・アラブで改良し、国家的規模で能力試験をして、優れたもので純血固定したのが、プロイセンのトラケナーでした。能力試験では世界記録を出し、スピードと持久力において、一時的に世界最良の馬として認められましたが、その期間が短く、いつの間にか馬産の僻地にいる農耕民族が育て上げたサラブレッドという品種に追い抜かれました。
ハンガリーやポーランドに比べて、イギリスに入ったアラブ馬はほんのわずかですし、アラブ馬を元にした血統改良を経て、ドイツやロシア各地では様々な馬種が作られ、固定された頃に、イギリスではまだタークや現地の重種で育った牝馬と混血配合されていました。
イギリスやフランスには軽種馬生産の伝統のなかった分、純血種という考え方もなく、1791年にようやくゼネラル・スタッドブックが発行された頃、サラブレッドはすでに大きな広がりを見せ、様々な特徴を持った馬たちが、広く各地で生産されていました。競馬という優れた選抜システムとともに、サラブレッドという馬種の活力、優秀さを作った源だと考えざるを得ませんね。

新しいチャレンジをするには、伝統などはむしろない方が良かったりすると、時々思いたくなります。

_ 富山県の馬好き。 ― 2012-07-18 21:13:57

サラブレッドは人間が作り出した馬でしょう?そのサラブレッドが純血種?家畜に純血種は無いです。犬は純血種?野生動物なら純血種です。馬で言うなら、『シマウマ』は純血種ですよ!サラブレッドの血統を辿れば、3頭のアラブ種に辿り着くと言います。ダーレアラビアン、バイアリターク、ゴルドフィンバブルですが、イギリス人が中東から略奪して、イギリス在来種との雑種からサラブレッドが作り出したのでしょう?他に、170頭余りのアラブ種を略奪して来たアラブ種から作り出したのでしょう?サラブレッドは、いつから確立したのでしょうか?また、サラブレッドの肋骨の数が不規則なのは何でですか?純血種なのに、骨の数が違う純血種は、居ませんよ!

_ T.Fujimoto ― 2012-07-19 21:24:44

富山県の馬好きさん、コメントどうもありがとうございます。

馬は、生物分類学的には奇蹄目馬科馬属家畜馬という種です。馬属には家畜馬(カバルス)の一種しか現存しません。ドサンコもプルトンもポニーもサラブレッドも含めて、それぞれ家畜馬(カバルス)のなかの、家畜として一品種に過ぎません。
品種の純血固定は家畜学上の話であり、本来は家畜のなかでしか存在しない概念なので、シマウマが純血種という言い方はあまり正確ではないかも知れません。
一方で、「純血」のサラブレッドの定義はごく単純なもので、公認の血統書であるジェネラル・スタッド・ブックに登録さている馬のことです。ほかの家畜の純血も概ね似たようなもので、血統書付きの親同士から生まれた個体が「純血」、ということになります。

_ T.Fujimoto ― 2012-07-19 21:36:35

確かに、馬産の伝統がなかった農業国のイギリスでは純血種の考え方はあまり根強くなく、リピッツアナー、トラケナー、ホルシュタイン、ハノーフェリアンといった欧州大陸で作り出された馬種に比べると、純血固定の時期がだいぶ遅れていました。そのときすでにサラブレッドの生産地は世界的に拡大され、繁殖牝馬のバラエティも豊富になっていました。しかも登録書ができてからも、相当数の馬がサラブレッドとして追加認定されていました。
さらに言えば、ジェネラル・スタッド・ブックの第37巻(1974年刊)から、登録資格がもう一度緩和されました。すなわち、「連続八代にわたりサラブレッドを交配されたことを十分証明された馬」は、すべて登録できるようになりました。

サラブレッドのいささか緩い定義は、この品種に活力をもたらしたように思えます。例えばトラケナーは限られた配合パターンしかやらず、品種が固定された農産品のように、ほぼ均一素質の個体が生まれます。しかしサラブレッドには多くのバラエティがあり、絶えず新しいキャパシティを獲得し、競走というシステムに送り込むことができます。

_ T.Fujimoto ― 2012-07-19 21:44:35

蛇足ですが、サラブレッドの3大根幹種牡馬の話はあまり有名になりすぎて、若干誤解もされているようです。
ジェネラル・スタッド・ブックの第一巻には、102頭もの輸入種牡馬の名前が掲載されています。競馬というシステムのなかで淘汰され、結果的にその3頭を始祖とする父系しか現存しなくなった、というだけのことです。母系のなかには、いろいろな血がまだ残っているようです。

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